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政治講座(物理講座v46)v172「核兵器は放射性物質の半減期(自発核分裂)と火薬の劣化により不発の可能性、それは屁の突っ張りと化す」

料理は出来立ての熱いのが最高に美味しいのである。冷めて美味しいのはお新香だけである。さて、出来立てで最高のパフォーマンスを示すのは核分裂反応が正常に機能したときでないだろうか。
ウランにしてもプルトニウムにしても、核分裂を起こすためには瞬間的に臨界状態を作り出さなければならない。
瞬間的に臨界状態を作り出す火薬が必要である。
そしてその火薬の材料によっては数年で劣化していく。
火薬以外にも放射性物質(ウラン・プルトニウム)は放射線を出し自然劣化(自然崩壊)を起こし、その崩壊スピードは同位体には確率的な半減期がある。半減期が示すように性能が劣化していくのである。保有している兵器の保守管理が必要である。
ロシアのウクライナ侵攻で核兵器の恫喝をしているが、6000発の核兵器は使われていないので劣化が激しいのではないだろうか。今回は核兵器の劣化現象について論じる。

           皇紀2682年3月18日
           さいたま市桜区
           理論物理研究者兼政治研究者 田村 司

はじめに

1945年頃完成したファットマン(通称ファットマン)はプルトニウム239とリトルボーイ(通称リトルボーイ)はウラン235は、当時製作した核兵器は77年後の現在では核爆発しないのではないだろうか。
線香花火より威力がないのではないだろうか。

核兵器の保有か、共有か

最近、ロシアのウクライナ侵略により日本も核武装や米国と核の共有が公然と議論されるようになってきた。その必要性について政治的な防衛については吾輩も強く感じる。また、米国は同盟国と言えども、自国の国民を犠牲にしてまで日本を防衛する確証がないことが米国の外交意識には存在するのである。自国は自国民が命を懸けて守らない限り、米国は助けないのである。神は自らを助くる者を助く」、これが近年、米国がイラク戦争やアフガンで米軍撤退した理由である。自国を自国民が守る基本姿勢のない国には米国は、助けないのである。

アフガニスタンは歴史的に大国の侵略に抗してきた。
1838年から42年の第一次アフガン戦争ではイギリス軍を全滅させた。1878年から80年の第二次アフガン戦争でもイギリス軍を苦戦させた。だがこのときは敗北し、アフガニスタンは外交をイギリスに委ねる保護国となったが、内政は自立で、イギリス人の移住は認めず、毎年イギリスから報償金を受けることで和解した。
1919年の第三次アフガン戦争では一時はイギリス領インドの一部まで攻め込んで完全な独立を認めさせた
アフガニスタンはしばしば「帝国の墓地」と呼ばれている。

アメリカはフランスが惨敗した後のベトナムに侵略して敗北

アフガンでも旧ソ連が敗退した後に侵攻して同じく大敗北を喫した
1990年のソ連崩壊による米ソ二極構造の崩壊後、「一強」を豪語してきたアメリカの敗北は、現在世界を動かしている真の主人公がアメリカなどひと握りの大国ではなく民族の独立・主権を身体をはって守る無数の人々であることを示した歴史的な証左となっている。

2020年米大統領選で共和党トップを走るドナルド・トランプが、不正選挙で大統領使命ならず。その彼が、数々の仰天発言で世界と日本を困惑させていた。「トランプ爆弾発言」の1つ、「日本の核兵器保有を許す」について日本も検討する時期かもしれない。

トランプの爆弾発言で喜んだ日本の「自主保守」論者たち

 トランプは、ニューヨーク・タイムズ(電子版)が3月26日に掲載したインタビューで、「日本の核兵器保有を容認する」意向を示した。これは、なんといっても米大統領選で共和党トップを走る人物の発言である。「冗談だろう」と軽く流すわけにはいかない。 

日本の核兵器保有を容認する」と仰天発言したトランプ。純粋に軍事的観点だけから見れば、たしかに日本は核兵器を保有した方がいいとすら言える。しかし、ことはそう単純ではない。

 トランプが「核保有を許す」と発言した時、喜んだ日本人もいたはずだ。日本には「核武装論者」が、少なからずいる。代表的な人物の1人は、石原慎太郎・元東京都知事だ。最近「公職選挙法違反容疑」で逮捕された田母神俊雄・元航空自衛隊幕僚長も、核保有を支持している。

 日本の保守には、「米国に追随するのがベスト」と考える「親米保守」と、「自分の国は自分で守るべき」とする「自主保守」がいる。「親米保守」は、「米国の『核の傘』があるから日本の核保有は必要ない」と主張するが、「自主保守」は「核武装が必要」と考えていることが多い。

「自主保守」論者たちのロジックとは、次のようなものだ。

 日本の周りを見ると、中国、ロシア、北朝鮮が核兵器を保有している。ロシアのプーチン大統領は比較的親日だが、日ロは「北方領土問題」を抱えている。ウクライナ侵攻で敵対的になった。最近もロケット実験と称して脅しをかけている。

そして、中国と北朝鮮は、はっきりと「反日国家」である。北朝鮮については、「金正恩が何をしでかすか分からない」という恐怖がある。核大国・中国は、「反日」で、なおかつ「日本には尖閣ばかりか沖縄の領有権もない」と宣言している。

 つまり、日本は「反日核保有国」に囲まれた国であり、安全保障上きわめて不安定な位置にある。そして「米国の『核の傘』は、果たして信用できるのか?」という疑念がある。

 たとえば、中国が日本を核攻撃した。その時、米国は中国に核攻撃するだろうか?「恐らくしないだろう」というのが、「核武装論者」の考えだ。なぜなら、米国が中国を核攻撃すれば、中国も核で反撃するからだ。結果、米国で何百万人犠牲者が出るかわからない。「そんなリスクをとって米国が日本を守るはずがない」というのだ。 

 もっともな意見だろう。さらに近年は、「米国の衰退が著しい」という現実がある。米国政府は今年年初、中東一の親米国家・サウジアラビアとイランの対立が激化し「国交断絶状態」になった時、「仲介はしない」と宣言して世界を驚かせた。「米国は弱く、もはや日本を中国から守れないのではないか?」という恐怖が生まれている。だから「日本も、中国や北朝鮮に対抗すべく、『核武装』すべきだ」というのは、極めて真っ当な議論なのだ。

 しかも、核兵器は、世界の最貧国・北朝鮮が保有していることからも分かるように極めて安価で、破壊力は強い。純粋に軍事的観点から見れば、「保有した方がいいに決まっている」とすら言える。しかし、事はそう単純ではないのだ。そして、今回のロシアのウクライナ侵攻に関しても、米国は軍隊を出さない。経済制裁で対処するとバイデン大統領は発言している。日本が武力攻撃を受けたときに米国は助ける保証はあるだろうか。否、今の米国にはその勇気はない。

核兵器の保守維持の必要性

核兵器があるから万全ではない。保守・整備が必要である。
ウランにしてもプルトニウムにしても、核分裂を起こすためには瞬間的に臨界状態を作り出さなければならない。
瞬間的に臨界状態を作り出す火薬が必要である。
そしてその火薬の材料によっては数年で劣化していく。
火薬以外にも放射性物質(ウラン・プルトニウム)は放射線を出したり、劣化(自然崩壊)を起こし、その崩壊スピードは同位体には確率的な半減期がある。核種の自発核分裂も起こるなど、半減期が示すように性能が劣化していくのである。保有している兵器の保守管理が必要である。

自発核分裂の確率

主な核種の自発核分裂の確率を以下に挙げる。

  • 235U : 5.60 × 10-3 回/s-kg

  • 238U : 6.93 回/s-kg

  • 239Pu : 7.01 回/s-kg

  • 240Pu : 489,000 回/s-kg(約 1,000,000 中性子/s-kg)

238U は半減期8.1×1016 y,235U は半減期1.9×1017 y で中性子衝撃などによらず自発的に核分裂を起こして崩壊する.
このように,みずから核分裂を起こして崩壊することを自発核分裂という.とくに注目される核種として,超プルトニウム元素中の 252Cf はみずからの核分裂により,1 cm3 当たりじつに2×1012 n s-1 の中性子を放射することから,中性子源,携帯用原子炉の製造,へき地の鉱山の放射化分析,がん治療の中性子ラジオグラフィーなどの医学利用の可能性を示している.

ウランとプルトニウムの解説

ウランとプルトニウム (s-yamaga.jp) 」をご覧ください。

原子爆弾の特徴

プルトニウムに中性子を衝突させると核分裂を起こす。そして、核分裂生成物(多くは放射性物質)となる。爆発と同時に透過力の強い放射線(ガンマ線や中性子線)を放出す。急激な温度の上昇により周囲の空気が急速に膨張し、衝撃波となって放出される。その高熱の熱線と強い爆風が、大きな破壊力を発揮する。このように、原爆は、従来の火薬による爆弾とは桁違いに強力な爆発力を持っている。

https://nagasakipeace.jp/search/about_abm/tokucho/


長崎・広島の原爆の違い

長崎原爆の核物質にはプルトニウム239が使われており、それを火薬で取り囲む形で密閉していた。外側の火薬の爆発エネルギー球状の殻(タンパー)ごと圧縮し、プルトニウム239を核分裂連鎖反応が起こる超臨界状態押し進めると、中心に仕込まれた中性子源から中性子が飛び出す。これが引き金となってプルトニウム239の原子核分裂反応が起こる、インプロ―ジョン爆縮)方式と呼ばれる爆弾であった。

https://nagasakipeace.jp/search/about_abm/tokucho/
インプロ―ジョン方式

広島の原爆は、細長い金属の筒の両端に核分裂物質(ウラン235)を臨界量(爆発させるために必要な量)より少ないつの固まりに分けておき、火薬を使い臨界量以上に合体させる、ガンバレル(砲身)方式と呼ばれるものであった。

https://nagasakipeace.jp/search/about_abm/tokucho/
ガンバレル方式
ガンバレル方式


広島型と長崎型


My  Opinion.

精密な機械ほど一部の部品の劣化によって、機能しない可能性が起こる
今回の吾輩の問題提起は「核兵器」を造ったとしても、その後の火薬の劣化や放射性物質の半減期により放射能の性能が劣化し、核連鎖を起こす臨界状態を起こせるか?起爆ができなければ、核兵器の不発弾となるのである。
ロシアには旧ソ連時代の数十年前に製造した6000発存在する核弾頭は、威力を発揮できるのであろうか。無用の長物、屁の突っ張りにしかならないのではないでしょうか? 核兵器で脅そうが、慌てることはない。使えない兵器が多いのである。無用の長物になる可能性を秘めた兵器、これが核兵器であろう。
汚い爆弾または放射性物質散布装置をご存知であろうか?
放射性物質を拡散する爆弾または装置である。核爆発の効果による被害を目的とする核兵器と異なり、炸薬などの爆発や非爆発手法によって、放射性の汚染物質を拡散させ被害を発生させる。これは怖いのである

無差別大量虐殺兵器、これが核兵器の本質である。そして、明確な国際法違反である。しかし、この国際法違反を裁けないのが今の国連であり国際司法機関である。軍事力が大手をふる国際政治の世界である。

参考文献・参考資料

NHKスペシャル 70年目の戦争と平和

核保有国の一覧 - Wikipedia

原子爆弾とは | 長崎の原爆 | 調べる | ながさきの平和【公式】 (nagasakipeace.jp)

原子爆弾 - Wikipedia

水素爆弾 - Wikipedia

プルトニウム - Wikipedia

プルトニウムの同位体 - Wikipedia

半減期とは - 検索 (bing.com)

日本が核武装したら「世界の孤児」になる理由 | ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

イラク戦争 - Wikipedia

アフガニスタン紛争 (2001年-2021年) - Wikipedia

日本人の知らないアメリカ:アフガン戦争敗北の謎に迫る① アメリカの大統領たちはなぜ間違った判断をし続けたのか……予想された敗北=中岡望 | 週刊エコノミスト Online (mainichi.jp)

プルトニウム239 - Wikipedia

ウランとプルトニウム (s-yamaga.jp)

自発核分裂 - Wikipedia

放射能 - Wikipedia

放射性崩壊が起こる理由について知っておくべきこと (greelane.com)

放射性崩壊 - Wikipedia

半減期 - Wikipedia

質量数 - Wikipedia

原子核物理学 4.原子核の壊変(崩壊

スライド 1 (titech.ac.jp)

原子核の崩壊と放射線 1 2 (*印の項目は(やや)詳しい内容.**印

decay-text20171213.pdf (sakura.ne.jp)

火薬 - Wikipedia

ニトロセルロース - Wikipedia

ニトログリセリン - Wikipedia

臨界状態 - Wikipedia

ガンバレル型 - Wikipedia

爆縮レンズ - Wikipedia

弾丸に使用期限はある?期限が切れた弾はどうなる?│ミリレポ|ミリタリー関係の総合メディア (sabatech.jp)

核爆発 - Wikipedia

不完全核爆発 - Wikipedia

核爆発装置 - Wikipedia

汚い爆弾 - Wikipedia

不発弾 - Wikipedia

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