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政治講座ⅴ799「これが訴訟大国のアメリカだ」

表題を如実に表す事件が報道されたので紹介する。自分自身の自動車保険を確認してみる機会にしてください。

        皇紀2683年1月29日
        さいたま市桜区
        政治研究者 田村 司

窃盗のターゲットになった韓国ヒョンデ車、米シアトル市に訴えられる=韓国ネット「ただの八つ当たり」

Record China - 昨日 19:32

2023年1月27日、韓国・JTBCによると、米ワシントン州シアトル市当局が韓国の現代自動車(ヒョンデ)と起亜自動車を相手取り訴訟を起こした。

窃盗のターゲットになった韓国ヒョンデ車、米シアトル市に訴えられる
=韓国ネット「ただの八つ当たり」© Record China

記事によると、当局は、昨年に現代自動車と起亜自動車の一部車両に対する盗難事故が急増したことについて「窃盗防止技術を適用しなかった製造メーカー側に原因がある」と主張している。

シアトル検察は裁判所に提出した訴状で「現代自動車と起亜自動車は費用削減を選択した」「盗難防止装置のない車両の盗難事故が急増し、警察と納税者が負担を負っている」などと指摘した。

当局によると、昨年に現代自動車と起亜自動車の盗難件数はそれぞれ503%、363%増加した。米国全域で現代自動車と起亜自動車の一部車両を盗む過程を撮影し、SNSに投稿する遊びが流行したためで、盗難防止装置であるエンジンイモビライザーのない車両が窃盗の対象だった。

車の所有者や一部自治体は、車の欠陥により盗難に遭ったとして損害賠償を求める集団訴訟を起こした。これを受け現代自動車と起亜自動車は、車の所有者にハンドルロックを支給するなどの対応を行った。

今回の訴訟について現代自動車は「不適切で不必要だ」との考えを示し、「車の盗難を防止するための一連の措置を取った」と主張した。起亜自動車も「盗難防止のための措置を取っている」とコメントしたという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「無理やりすぎない?」「家に泥棒が入ったのは、泥棒に問題があるのではなく、門製造メーカーに問題があるというひどい論理だ」「窃盗犯を捕まえられないイライラを無関係の相手にぶつけるな」「ただの八つ当たり」「原因は国民の水準、治安の水準にある」「シアトル市を相手取り訴訟を起こすべきだ。犯罪防止措置を怠った責任を追求しないと。それにYou Tubeも犯罪技術流布罪で訴えよう」などの声が上がっている。(翻訳・編集/堂本)

イモビライザー(Immobilizer)とは、

電子的なキーの照合システムによって、専用のキー以外ではエンジンの始動ができないという自動車盗難防止システムのこと。

機能

通常、車の鍵はキーシリンダー内部とキーの鍵山が(機械的に)一致すればイグニッションスイッチをオンにしてエンジンが始動できる。これに対し、イモビライザーは専用キーに埋め込まれたトランスポンダと呼ばれる電子チップが持つ固有のIDコードと車両側のIDコードを電子的に照合し、一致すればエンジンを始動させることができる。

したがって、合鍵などでドアを開け、エンジンを始動させようとしてもIDコードが一致しない限りエンジンを始動させることができない。なお、認証処理はトランスポンダと車両側のIDの間で複数種類のキーを使用して複数回行われ、全ての認証が成功しなければエンジンは始動しない。

キーのIDは暗号化されており、その組み合わせは数百万以上の数になり、複製することは極めて困難であるため、合鍵や配線直結の手口にも有効なセキュリティシステムとされてきた。

搭載状況

イモビライザーが出始めた当初は、一部の高級車などに採用されていた程度だったが、最近では軽自動車やミニバン、大型オートバイなど、標準装備として大衆車に採用される車種が多くなっている他、積荷目的での車両ごとの乗り逃げ盗難への対策として、いすゞ・エルフなど一部の貨物自動車への装備も始まっている。欧米では低価格の小型車でも、装着が「保安装置」として事実上義務付けられている。その一方で、トヨタ・ハイエースのように、極めて盗難率が高いにもかかわらず、2012年の5代目のマイナーチェンジの際にようやく全車標準装備になった例もある。

2004年に発売されたスズキ・スイフト(2代目)はBセグメントの日本車としては初めて全グレードで標準装備としている。また、特別仕様車ではよく特別装備として装備される機能でもある。

イモビカッターによるイモビライザー破り

イモビライザーを搭載していても、該当の自動車が盗まれるケースもゼロではない。

また、国産自動車メーカーの車種の中には、運転席付近にある整備用のコネクタに差し込むことで車両側のIDコードをリセットできるものも存在しており、これを利用して別のキーのIDコードに照合させることでエンジンの始動を可能にする装置(通称「イモビカッター」)も登場し、十数秒で解錠できるようになってしまった。 現在の「法令」では、このような装置の所持は完全な違法ではないが、2013年2月13日に愛知県が業務で必要な場合など「正当な理由」なく所持することを禁止する条例の改正案を同年7月1日から施行することが発表された(罰則は1年以下の懲役および50万円以下の罰金)。

一部の損害保険会社では、イモビライザー搭載車を対象とした自動車保険料の割引サービスも行っているが、一方で実際に車両が盗まれた場合に、保険金の支払いを拒絶される事例が多発している。この場合、保険金支払いを受けるには、契約者が自ら訴訟を提起しなければならず、長い時間と労力を要する。

2005年12月13日、大阪地方裁判所判決の事案を例とすれば、2004年3月21日に、奈良県香芝市の男性が所有するトヨタ・ランドクルーザーが盗まれる事件が発生。これに対し、男性の契約する損害保険会社へ保険金(約500万円)の支払いを要求するが、被告の保険会社は「イモビライザーは解除不能であるから盗難は不可能なはずだ」と主張し、損害保険の支払いを拒否したため、保険金の支払いを求める民事訴訟に発展した。

最終的には

  • 車両が実際になくなっているため、盗難の事実を覆すのは困難である

  • レッカー車で車両ごと持ち去った可能性は捨てきれない

  • レッカー車などで持ち去ったあと、イモビライザーを交換すればエンジンは始動できる

と認定、損害保険会社に全額の支払いを命じた。事件から支払いの判決を得るまで1年9か月を要した。

車が盗まれた!自動車の盗難に車両保険は使えるの?

更新日:2022年8月23日
公開日:2019年9月18日
自動車が盗難に遭ったとき、一般的には車両保険に入っていれば、車の盗難補償を受けられますしかし、車両保険に入っているから補償を受けられるとは限りません車の所有者にも過失があると認められた場合は、保険金を受け取れない可能性があります。

「車の盗難なんて滅多に遭わない」と思われるかもしれませんが、2021年に車の盗難被害は5,000件以上確認されています。万が一のときに慌てなくて済むよう車両保険に加入し、盗難に遭ったときに受けられる補償内容を理解しておきましょう。また、保険で備えられるとはいえ、普段から盗難に遭わないよう対策をしておくことが重要です。


参考文献・参考資料

窃盗のターゲットになった韓国ヒョンデ車、米シアトル市に訴えられる=韓国ネット「ただの八つ当たり」 (msn.com)

イモビライザー - Wikipedia

自動車の盗難に車両保険は使えるの?|チューリッヒ (zurich.co.jp)

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