騙されない為の心得 副題 18歳で成人になる若者へ
詐欺は悪いことであるが、なぜ、騙してまで、財を得ようとするのか?
表題の内容は、詐欺の加害者の合法的に見えるノウハウに焦点をあてながら、被害者にならないための注意喚起として執筆する。今回は物理学ではなく、吾輩が46年間ビジネス界で身をもって経験した知識を伝授する。
2020.11.3
さいたま市桜区
理論物理研究者 田村 司
1、「悪徳商法」とは
民法、商法、刑法のことをいうのではない。法律で禁止されていない合法的な取引を隠れ蓑にした(場合によっては違法性のある)行為で利得する悪質な商売で儲ける方法をいう。
2、その「悪徳商法」には
「催眠商法」や「原野商法」などがあり、法律に則った合法的な契約方式をとり、知的な犯罪(知識犯罪)である。
「オレオレ詐欺」などは、「判断能力低下」と「子を思う親の心理」に付け込んで、高齢者への詐欺である。
しかし、「催眠商法」の犯罪は、通常の商取引や契約にひっそむ罠(合法的な形態)と心理学、話術(詐術)、場面設定などの芸術的な犯罪である。
まさにConfidenceman(trickster)である。
3、最悪の懸念と対策
2022.4.1から成年の年齢は20歳から18歳に引き下げになる。
未成年者に対する法律行為に保護(法定代理人の同意、これに反する法律行為は取り消しができる)が失われる。
法律を知らない者は許されることはなく、法律は全ての国民に適用する。
未成年者などには、2022.4.1に向けて、法律知識の取得や社会一般の知識の取得が必要と思われる。
なお、高齢者の判断能力の低下に対する対策や、事理を弁識する能力を欠く場のは、成年後見制度がある。家庭裁判所に請求して審判を受ける必要がある。
4、「催眠商法」とは
契約の勧誘本来の目的を隠して、主に高齢者を集め、集団催眠に似た雰囲気を作り出し、高額な健康食品、健康機器、布団などを売り付ける悪質な商取引の方法です。事例:2017.11.16(木曜日)読売新聞、「60億集金『催眠商法』集客の手口』。
5、「催眠商法」の集客の一連の手口
⑴、最初に商品を格安で販売し、客の購買意欲を盛り上げる。
⑵、すぐさま、高額な健康食品や羽毛布団を購入させる。
⑶、その後、VIP扱いとして、無料で、都内の催事場に招待する。
⑷、催事場の有名歌手などの華やかなショーを見せて、信用させる。
⑸、高配当をPRして事業への投資を呼びかけ、出資金を集める。
6、「催眠商法」誘いの具体例は次の通りです。
⑴、「年利4%で銀行より好条件」との甘い言葉
⑵、「元本保証で高配当が得られる」と甘い言葉
⑶、パンフレットの「VIP会員さまのみ」という甘い誘い文言
⑷、パンフレットの「お礼利息16%」という甘い高配当PR文言
7、出資名目の具体例
⑴、北海道余市町で農作物や果樹園栽培、家畜飼養を行う事業
(1口200万円2年間12%の高配当を約束)
⑵、中国の鉱石事業
⑶、輸入ワインの販売
⑷、梅園経営といった新規事業
(応援金、協力金、名目で出資を募った)
8、吾輩の記憶している「悪徳商法」は次の通り
⑴、金証書販売商法(豊田商事事件)
⑵、ゴルフ会員券商法
⑶、ネズミ講(無限連鎖講)
⑷、屋根の無料点検、床下の無料点検の悪徳商法
⑸、マルチ商法(連鎖販売取引)
⑹、「原野商法」で騙された者を騙す『不動産詐欺』
もし興味が在る場合はインターネットで検索されたい。
9、表題の「騙されない為の心得」
⑴、断る勇気を持ち、絶対に安易に契約をしないこと。
後日に損害賠償の請求をしても計画倒産されたり、
損害の回収は難しくなる。
⑵、親族、友人に相談(孤独な高齢者が狙われる)、単独で判断して契約をしないこと。
ただし、親族、友人のコネを使い、出資金を集める手口や、それ以外にマルチ商法の手口も存在する。
⑶、冷静になって、理論的、合理的に考えること。「儲かる」などの欲を基準にしないこと。「今すぐ購入しないと損をする」との言葉に惑わされないこと。
⑷、会場での説明には「サクラ(おとり)」に気をつけること。「心理誘導され、気付いたら契約していた」という可能性があります。
⑸、高学歴の知識人のプライドをくすぐる話法を使い、「冷静な思考」を停止させて、契約後もプライドのため契約解消できなくします。(泣き寝入り)
⑹、弁識能力低下の方は、プライドを捨て、成年後見制度の活用も必要である。
10、法的対処のすすめ
分類すると、医療の予防・臨床のように、予防法務、臨床法務、戦略法務などがある。予防法務は法律のリスクを未然に防ぐ対策、臨床法務は紛争後の対策、戦略法務はM&Aなど高度な専門知識を必要つする対策になる。
結論としは、事前、事後に法律事務所への相談をためらわず、活用することを推奨する。早い対応が奏功する場合もある。
11、感想と蛇足
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