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世界の風と雨を操っている、伝説の双子の兄弟が存在する。 名は兄をルナ、弟をテラといい、ラ…
死なんてない。 あるけど、死んだ後に行くというあの世なんてない。 あの世ってのは、おれたち…
今より遥かな過去か未来かどちらかの世界に、人の住まない、だだ広い草原がありました。 草原…
ピク星はこの銀河の無数の星々の中の一つ。人の住まない小さな星であり、表面は岩石で、この星…
元薬学者の男シーザは故郷の島を追われて本土の田舎町にある老女ネニコの家を終の住処に決めた…
暗闇の無人ホームに、記憶をなくした少女が一人立ちすくんでいた。 ここがどこかも、自分の名…
闇の時間と光の時間が繰り返し訪れる世界。 この世界には太陽がない。代わりに、この世界の上空には小さな宙に浮かぶ島があり、そこには大きな柱時計のある、全体的にオレンジ色の内装の「時の部屋」が存在する。 時の部屋に「闇の鍵」と呼ばれる人物がいると地上では夜になり、「光の鍵」と呼ばれる人物がいると日中になる。闇の鍵と光の鍵は交代でその部屋に入り、時の部屋の床にあいた、大きなガラス張りの窓から下の世界を見守っている。地上の世界を見守りながら、夜と朝を管理するのが、「闇の鍵」と「光の
光の中に黒い渦の回転があった。 彼女は一人、その中から這い出た。 水は回り、闇をゆっくりか…
赤子の頃から、島に住んでいた。 その島はマンションやオフィスビルや研究所などがあり、割と…
歌を求めて長い旅をしてきた。 旅人の少年は絶望していた。 どこを訪ねても、そこにあるのは他…
ああ、世界は、滅びた。 終わりを告げたのは、世界の中心に天をつくようにそびえ立つ時計塔の…
美術大学に進学して一番よかったことは、ホックと出会えたことだと思う。 最初の全体ガイダン…
ネニコという名前の老婆が一人、とある国の田舎町の、山の麓にポツンと建つ一軒家で静かに油絵…
1 あるところに、女がいた。名前をアキソラホホといった。彼女は自分がいつまでもは生きられないことを憂い、自分の分身をこの世に残す方法を思案した末、一冊の本をこの世に残すことにした。ところが本の完成の直後、彼女は死んでしまった。彼女は数少ない思い出を手土産に、他の誰もと同じように、ただ、この世から立ち去ったにすぎないのだ。 そして、この本を所蔵する美術大学附属図書館に、いまにもこの本をひらこうとする者があった。深緑色のコートを着たその人物は…… 彼女の妹だった。名前をソエ