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色弱の僕がトイレにいって困ること

今日「シャニマスのチェックボックスから見る色弱者の世界」というnoteを読んで、途中で出てくる色覚検査の図に懐かしいと思った。6つの内、上の真ん中の「12」しか読めない(ただし右下は数字が隠れてないらしい)。色弱なのだ。

小学校での色覚検査の廃止と復活

小学校の頃、色覚検査で引っかかって眼科に行き、色覚異常、色弱だと教えられた。「LEDの信号とか赤、青が見分けづらいかもしれないから気をつけてください。自動車用は道の中央側が赤、歩行者用は上が赤です」とも言われて、信号機の配色規則はしっかり記憶に残ったのだけど、実は信号機の赤と青が見分けられなかったことはない。多分ごく軽度の色弱なのだ。でも色弱の自覚は、そっち方面の活動とか進路を自然に除外したり、日常生活でも「ここ慎重になる場面だぞ、オレ」と気づけたり、多分いろんなことをスムーズにしてくれている。

この小学校での色覚検査をいまはしなくなっているものだと思っていたけど、実は希望者は色覚検査を受けられるようにせよという風に、方向性が変わっていたらしい。色覚検査が廃止されたのが2003年、希望者向けに再開が指示されたのが2014年。

まず色覚検査をしなくなった理由は、色弱の当事者たちから「差別につながりやすい」という訴えがあったからだという。

「学校での色覚検査は差別の温床になります。だから原則廃止されていたのに。希望者にとは言っても、学校でやれば事実上の強制になりやすい」憤るのは「日本色覚差別撤廃の会」の荒伸直会長(64)だ。(略)撤廃の会は94年、色覚異常者に対する偏見や社会的差別の解消を目指して設立された、主に当事者の団体。16年前に学校健康診断のメニューから外れたのも、運動の“成果”だった。
必要か差別か? 学校での「色覚検査」復活の謎に迫る (2/4) 〈AERA〉|AERA dot.

同会は差別につながりやすいというデメリットの大きさと、そして次のようにメリットの小ささを挙げている。

色覚異常は日常生活にほとんど支障はなく、進行もしないため知らなくても大きな影響はないという。さらに、色覚異常は母親の遺伝子に由来する、極めて重要なプライバシーである上に、偏見や差別が残る今の状況では、「知らないでいたほうがよかった」と話す人もいるという。
【報道特集】色覚異常 色覚検査すべきか否か|ニュースが少しスキになるノート from TBS|note

僕は色弱での差別の経験がなく、また一般論にするなら、いまの小学校でもいまだにそれほどダイバーシティやハラスメントへの意識が低くて彼らが語るような差別や侮蔑が行われるものなのかもわからない。多分そこを僕が考えても認識不足の意見しか出なくて、現在の教育の現場にいる子供、子育ての当事者、教育の当事者や関係者といったいまの現場にいる人に委ねた方がいいだろう。

唯一僕が語れるのは、色弱者としての日常生活で、これについてなら僕も現役当事者だ。

色弱者の日常あるある

冒頭に挙げたnoteの中に、こんな一節がある。

人と関わる中で、『違う色』であることによるディスコミュニケーションは積み重なる。美術の授業では、人物の肌が不健康そうと指摘され。焼肉を食べに行けば、「それまだ焼けてなくない?」「レアが好きだから」と誤魔化し。グレーの服を着ていけば、「ピンクとは攻めてるねぇ!」と茶化され。
シャニマスのチェックボックスから見る色弱者の世界|謝罪P|note

「ピンクとは攻めてるねえ」は身に覚えがある。一時期気に入っていた遠目には無地の薄いグレー(仮)、でも近くで見れば細かいストライプのワイシャツがあって、遠目に抑えた無難な格好ながら自分的には気分のあがる一枚のつもりで、大切な打ち合わせなどによく選んで着ていた。それがある日、クリーニング屋さんの伝票を見ると紫と書かれている。薄紫や淡いピンク、そんな色調だったらしい。色としてはそれもありなんだろうけど、僕的にはモノトーンで行きたい場だったんだよ。

「まだ焼けてなくない?」は定番ネタで、こんなブログ記事もあった。

一番困るのはね、焼肉。僕ね、肉が焼けてるかどうか全然わかんないんすわ!!!!ごめんな! いつも「これ焼けてる?」とか聞いてごめんな!でも区別がイマイチつかないんだわ。焦げまで行けばわかるけど、ジャストは全然わからない。そのせいで主にちょっと焦げた焼肉が好きだった。ただ食い盛りの時の焼肉とかもうバトルじゃないっすか? もうね、全敗。
【テスト画像有り】色弱・色盲の僕がとりあえず困ること|今日はヒトデ祭りだぞ!

Facebookでシェアしてコメント欄でひとしきり議論になったけど、ダイジェストだと「焼いてもらえる焼肉屋の方が好き」「肉奉行と行くと安心」「要約:肉食べたい」という感じで、僕も焼いてもらえる焼き肉屋に連れてってほしいです。そんな感じでセルフ焼肉はウェルダン。食品全般に、賞味期限は目安だから消費期限は自分で判断とか言われるけど、僕は自分の変色判断とか宛てにしたくないので賞味期限を絶対厳守。実際には、まだ食べられたものもあったのだろうと思う。ここ数年は、原則当日食べる物だけ毎日買い物、3日以内に食べないものは買わないみたいな意識がついた(と思う)。

色弱の僕がトイレにいって困ること

この辺で挙げられてないもので一つ僕が本当に困ってることだと、尾籠な話で恐縮だけど、トイレ。トイレのドアの「鍵がかかっていると赤」なアレ。赤か青か見分けがつかないことがしばしばある。使用中だと思って無駄にノックしたり、空いていると思って開けようとして中から怒鳴られたりする。全部使用中だと思って10分ぐらい待ってたら、あとから来た人が普通に入っていって、実は全部空いてたと知ったりもする。僕の感覚では彩度、明度が近い赤、緑、灰色が見分け辛くて、トイレって照明抑えめなことも多くて、あれが見分け辛さに拍車をかけるみたい。

よく「容姿人並み、学歴人並み、収入人並みなんて人は5人に1人もいない」と言うけど、なにもかも人並みに揃ってる人なんてそうはいなくて、意外にみんななにかしらは抱えてる。僕の色弱なんてその一つでしかなくて軽いもので、単に色の見分けが苦手って程度のものです。でも「日常生活にほとんど支障はなく」って言われると、まあ支障なくはないし自覚のおかげで対処できてるとこもなくはないので、そんな例を挙げてみました。

ところで、以下は「公共マークは誰のための物?一つの事例から考える『デザインの意味』 | おたくま経済新聞」にからのものですが、どちらが男性用でどちらが女性用かすぐ判断できるでしょうか?男性用が裾広がりの三角形で女性用が逆三角形と、一般的なデザインと逆なので、青とピンクの区別がつきにくい赤緑色弱系は勘違いしそうですね...

...というレベルじゃなくて、僕には女性用のピンクは背景のグレーと同化して、まずマークが書かれてることが目を凝らさないと分からない。元ツイートの人も「特に女性側が、背景とアイコンの彩度・明度がかなり近く、目を凝らさなければ気づくことさえ難しい」という感じだったらしい。僕からお伝えしておきたい日常生活の実例は以上です。

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