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画面のレスポンスタイムは3秒まで?

「画面遷移は3秒まで」とは私も聞いたことがありますが、実際のところ、これの論拠や出典は知りません。私がこの種の話を最初に読んだのは、「求められるスピード – U-Site」だったように思います。

様々なハイパーテキストシステムを幅広く調査した結果、あるページから別のページに移動する際に、ユーザは1秒未満の反応時間を求めることがわかった。それ以下だと、情報空間を自由にナビゲートできなくなるのだ。従来の人間工学の調査からも、やはり反応時間は1秒以上の速さが求められることがわかっている。例えば、1970年代と1980年代にIBMが行った調査では、ファンクションキーを押して反応が返ってくるまでの時間が1秒未満になったとき、メインフレームユーザの生産性が向上することがわかっている。(求められるスピード – U-Site, 1997/03/01)

上記記事の著者であるニールセン氏は、2010年の続報「Webサイトの応答時間 – U-Site」で状況が変わっていないことを指摘し、また以下の「応答時間における3つの限界」を紹介しています。

・0.1秒までなら応答が瞬時に返ってきたという印象を与える。
・1秒までならユーザーの思考は途切れなく流れる。
・10秒までならユーザーの注意力は続く。
・10秒遅延してしまうと、ユーザーが即、サイトから離れてしまうことも多くなる。
Webサイトの応答時間 – U-Site, 2010/06/21)

調査結果などを元にした記事を探してみると、「アカマイ、E コマースウェブページのレスポンスタイムの新たな許容閾値が2 秒であると発表」(2009/09/14)や、「3秒が許容範囲 - Webサイトのパフォーマンスが重要な理由」(2012/12/11、元情報公開は2012/11/30)といった記事がありました。

各記事の趣旨を私なりにまとめると、こうなります。ユーザーの使用感を元にレスポンスタイムにこだわったり、目標値を立てたりすることは大切です。一方で、機械的に「3秒ルール」などと言い立てるのは、みんなを納得させられる論拠は見つけられず、盲目的でユーザーの使用感を無視した目標設定だと思います。

だって、例えば「次のページへ」がリンククリックだった昔と、スワイプの今、待てるレスポンスタイムは同じでしょうか?

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ヘッダー画像は「Waiting」。ライセンスはCreative Commonsのby。もし「Creative Commonsって何?」と思ってもらえたなら、こちらのノートをお勧めします。

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