SECIを回して生まれるエネルギー
働き方とか組織考の戦友、八田光啓さんがこんなことを書かれてました。
SECIモデルは野中幾次郎氏が提唱した、組織の中で知識が生み出され蓄えられていくプロセスをモデル化したもので、よくこんな図で説明されています。暗黙知(言語化されてない、例えば身についたスキル)が形式知(言語化)され共有されて、共有相手の暗黙知となってまた次のループが回るといったように、知識は暗黙知と形式知の間を行ったり来たりしていきます。
Socialization、Externalization、Combination、Internalizationの頭文字をとってSECIモデルなのですが、この4要素のつながりに目が行ってしまって、わりと見落とされがちなのは中央の名もない螺旋矢印。SECIモデルは、この循環がスパイラルアップ、つまり一回りするごとに力強く拡大して回り続けることをイメージしています。
「SECIループを回す」「SECIサイクルを回す」などと表現されているのを見かけますが、これはSECIモデルのプロセスの一部にとどまります。実際にはこのスパイラルアップまでを含めたものがSECIモデルで、「SECIスパイラルを回す」と表現されるのがよりこのモデルを正しく表しているでしょう。書籍「知識経営のすすめ」ではこう書かれています。
八田さんの言われた「回した時に”生じるエネルギー”こそが重要」「そのエネルギーが、例えば”関係の質”を変えて、成功循環モデルが回る」とは、たぶんこの「継続的知識創造が行われる原動力と慣性」の、現場からの実感的な表現だと思いました。それが彼のもとでは生まれていること、彼がその手触りを確認していることは、非常にうらやましいことだと思います。