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5分で終わる投票準備@参院選2022

今日は第26回参議院議員普通選挙の投票日。今回は事前投票のチャンスがなかったので、朝から投票所に。そして「♪投票行って外食するんだ」ということで、気に入りの喫茶店でモーニング。

赤羽「昔ながらの喫茶店」友路有のモーニング。

5分で終わる投票準備@参院選2022

投票って毎回、軽くめんどくさいものを覚えながら、でもまあ行くかって気分で、その辺りは納税に似てる。そのめんどくささは「投票所で何をしたらいいのかよくわからない」「選ばなきゃいけない」の2つがある気がする。だから、同じくメンドクサイ人向けに5分で「よし分かった、行ってくるか」となってもらえるようにまとめてみる。

投票所でやること

投票所には、事前に「選挙のお知らせ」という封筒で郵送されている「投票所入場券」を持っていく。他には何もいらない。会場に着いたら、入り口でこれを見せる。あとは言われた通りに進んで、投票して、出てくればいい。投票は二つ行う。まず一つ目は、地元(例えば東京都)の候補者から一人選ぶ二つ目は、全国区の候補者か政党から一つ選ぶ。どちらも、候補者名や政党名は一覧が記入台のところに貼りだしてあるから、正確に覚えてなくてもまず大丈夫。

投票所の作り

投票所は屋内で、なかの作りは、こんな感じだ。今朝、僕が行ってきた投票所もこうだった。上で書いた通り、まず受付係に投票所入場券を見せる。あとは、こっちに進んでくださいねとか、あそこで投票用紙記入してあっちに入れてくださいねとか都度案内してくれるので、その通りにすればいい。見ての通り一方通行、ベルトコンベアみたいな感じで、行ってしまえば何とかなる。

総務省「第26回参議院議員選挙 投票方法」投票の流れより

投票先の選び方

推し政党や候補者がなく、あまり(あるいはまったく)予備知識もなしで投票先を選ぼうと思ったら、ボートマッチを使うといい。いくつかの質問に答えていくと、最後に各候補者や政党の今選挙での主張内容とどれだけ一致しているかを教えてくれる。

お勧めとしては、どれでもいいからとりあえずどれか一つやってみて、マッチ率が高い候補者や政党名に違和感がなければそれを、マッチ率はそうでもむしろこっちの方がと思ったらそっちをひとまずの推しということにして、次に進む。2つ目とかやらないし、それ以上は悩まない。

投票所にいこう

投票所入場券を持って、なにをするのか分からないみたいな気の重さが解消されて、ひとまずの推しが決まったら、準備はおしまい。投票所に行こう。ここまでの手順だと推し政党か推し候補者のどっちかしか決まってないかもだけど、残りは政党つながりとかで選べばなんとかなるはず。

お手軽投票準備でいいのか問題

これ以降は余談なので、読まないで選挙に行ってもらって構いません。むしろ、そうしてもらいたい。でももしかしたら「アンケート回答して勧められるままに投票」みたいなお手軽準備に抵抗感とか後ろめたさを感じる人がいるかもしれないので、私の考えを書いておきます。結論だけ先に書くと、ザックリお手軽適当でいいので、まずは投票に行くほうがいいと思います。

ボートマッチを使うことはいいのか

まず「アンケート回答して勧められるままに投票」するようなボートマッチを使うことについて。ボートマッチをやることで、数分で重要な順に以下の3つが言葉や数字として分かります。

  1. いま、なにが政治の課題になっているのか。

  2. 自分は、それぞれについてYesに近いのかNoに近いのか。

  3. 各候補者や政党は、それぞれについてYesに近いのかNoに近いのか。

大事なのは1つ目と2つ目で、自分のスタンスを意識できること。でもこれをゼロからやろうとしたら、就職活動で企業研究と自己分析をゼロからやろうとするのと同じような大ごとだと思います。選挙当日のすぐ投票先を決めるタイミングで、これを省かずにスピード重視でやる。それがボートマッチを使うことの意味で、それなしの投票よりずっとよいと思います。

ボートマッチはどれでもいいのか

次に「どのボートマッチを使うか検討しないのか」「複数やって比較しなくていいのか」について。実際のところ、たしかにやってみた感じ、まず設問数や選択肢、そして結果には違いがありました。ただし、設問自体はわりと似通っています。多分、設問は各党の主張にどんな話題が含まれていたかという事実と観測で決まるので、誰が作ってもブレにくいのでしょう(逆に選択肢や結論は、作成者の解釈が入るのでブレるのでしょう)。

ボートマッチの一番の効果は、私は上に書いた通り「いま、なにが政治の課題になっているのか」「自分は、それぞれについてYesに近いのかNoに近いのか」を知ることだと思っています。設問が同じようであれば、この効果は得られます。だからボートマッチは「どれでもいい」し「一つでいい」と思います。

ボートマッチ結果より自分の感覚でいいのか

次にボートマッチ結果のマッチ率の高さで即決せず「違和感がなければそれ」「むしろこっちと思うものがあればそれ」とする選び方について。前述のとおり、結果は使ったボートマッチによって多少なりブレます。それは作成者の解釈が入ることが一因で、言い換えれば結果は「作成者から見て各候補者や政党とあなたがどれくらい似ているように見えたか」に近いものです。

その感覚が自分でもしっくり来たならいいけど、合わなければ自分の感覚を優先。第一に、あなたの方があなたのことをよく知っています。第二に、「課題はなにか」「自分はどう思うのか」という物差しを手に入れ、自分と政党や候補者の距離を測れるようになっています。第三に、誰かの出した数字ではなく自分の意見でみんなが投票することで、結果的にうまくいくというのが選挙の正しさの根っこにあります(あとで触れます)。だからそうしていいと私は思っていますし、そうしています。

「正しい意見」より「自分の意見」でいいのか

きっと不安やうしろめたさの根っこにあるのは、初心者である自分の意見は正しくないかもしれない、経験者(有識者)である他人の意見の方が正しいかもしれないということではないかと思います。でも第一に、意見の精度を高めるには数を重ねることが必要です。第二に、経験者も正しい意見なんて知りません。政治は正解のある問題回答ではなく、正解のない中でよい結果を目指す課題解決だから、正しい答えなんて誰も知らないと思います。

第三に、みんなが自分の意見で投票をすれば、その結果はだいたい正しいものにまとまると言われます。例えば仮に「考えの至らなさからA党を選ぶ」初心者がいたとすれば、同じぐらい「考えの至らなさからB党を選ぶ」「C党を選ぶ」初心者もいそうです。集約するとこうした意見は打ち消しあって、より正しい意見が最後に残るというのが「群衆の叡智」とか「『みんなの意見』は案外正しい」という考え方です。

必要なのは、テレビ解説とかマッチ結果とかに流されるままではなく、みんなが「自分の意見」で投票すること。テレビを見る人も新聞を読む人もボートマッチングをする人もいる。でもそれぞれの中に推し政党や推し候補者とか、各候補者や政党への好き嫌いがあったりする。その人の中のいろんなものがかけ合わさって、今回はこの投票と「自分の意見」や「自分の感覚」を表明する。それが、選挙が「案外正しい」結果を出すためには必要です。

お手軽投票準備でいいのか問題

最後に、理屈はどうあれ「5分で準備した投票なんて恥ずかしいのでは」という不安があるとしたら。まずいまの国の課題を把握し、それに対して自分のスタンスを持てたなら、それは参政の姿勢として十分に立派なものだと思います。まずできている二つのことについて誇ってください。そのうえで、選挙は無記名投票で、あなたの選択は誰にも知られません。不安は忘れて、投票に行ってみてください。そして(無効票ではない)投票ができたなら、参政の責任を果たしたことにも胸を張ってください。

まとめ

そんなわけで、ボートマッチングを使ったお手軽投票準備でも、選挙に行くことはずいぶん大したことで、ぜひお願いしたいことというのが、私のスタンス。投票所でやることのイメージが作れて、とりあえず推し政党か推し候補者を持てたら、選挙に行こう。多分5分くらいで準備できると思う。投票は20時(午後8時)までなので、19時半ぐらいから準備始めても間に合うんじゃないかな。

もちろんオレオレ選挙論でしかなくて、異論はすべて認めます。でも議論するよりそれぞれの選挙観でいいから、まず投票に行ってきてもらえると嬉しいな、と思ってます。

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