幸阪茉里乃の遅れてきた思春期

ここのところのマリノ様は遅ればせながらの思春期を体現してるみたいで見入る。

櫻坂は基本的にメンバーは大人っぽく、楽曲やパフォで、ある意味で解決しなかった思春期の問題の続きみたいなとこを歌ってるグループでもある。

そんなふうに軒並み自立した大人みたいなメンバーが多いなかで、人気をうまく獲得しきれてないメンバーは思春期に体験するあれこれをスルーしてしまったまま歳をとってしまったような座りの悪さがちょっとある。えんぴかやあきぽなど。うえむーは思春期をスキップしきった大人の感じする。

子供のころに上手く周りと話せず、その気質のせいで大事な10代で遭遇する恋愛や友情も、成功はもちろん失敗すらも遠ざかり、二十歳を過ぎても思春期で体験してこなかった経験をなかなか取り戻せないまま大人になる。話があうのはなんか変な人ばかり。そんな方はわりと多い。

アイドルは活動のなかでそのまま思春期で体験するイベントを、思春期真っ只中な10代のメンバーに表現してもらうみたいなところあるが、櫻坂はいきなり成人して社会人の現場に入り込んでる感があるのが特殊だ。天ちゃんの思春期を感じられた期間は思ったより短い。それだけに、マリノ様は天ちゃんやほのすとは別の形での大人になり方を見せてくれてる感じする。

マリノ様がいのりに急接近してるっていうのは、百合とかそういうことより、10代でスルーしてきたあれこれを大人になって取り戻そうとする人みたいな感じがある。なんか距離感がおかしいのもあるあるだけど、まずは事を起こしているということ自体がどこかドラマティックだ。

見方を変えれば、なんだかマリノ様周りはアメリカやヨーロッパの青春映画とか最近のピクサーのアニメみたいなドラマ感ある。

青春映画とか主人公が陰キャから苦労して変わっていこうとするとか多いじゃないですか。決して生き方が上手くない人が変わろうとする話。

意外にいま櫻坂である種の主人公気質があるマリノ様。その顛末がハッピーなものになるかはわかんないし、いま何幕目のドラマを生きているのかわかんない。けれど、その過程は意外に少なくない人にとって普遍的な感じする。次のシングルではマリノ様センター曲を作ってください。