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吃音の間で子どもは成長する
前回は、「吃音者ほど前に出て吃りながらも話すことが大切」
という記事を書かせていただきました。
今回はその想いに至るまでの僕の経験談をまとめようと思います。
1、吃りの「間」
僕は子どもたちに運動を教えさせていただく仕事をしています。
日替わりで色々な指導場所に行かせていただき、1週間で300名ほどの子どもたちに指導をさせていただいております。
年齢は3歳から12歳、年少から6年生くらいがメイン。
吃りながらも毎日子どもたちの前に立って指導させていただいているのですが、
僕は挨拶を大切にしており、
毎回活動の始めには「よろしくお願いします」
終わりには「ありがとうございました」
を言っており、子どもに言ってもらっています。
僕が「よろしくお願いします」と言ってから子どもたちが「よろしくお願いします」と言います。
僕「ありがとうございました」子ども「ありがとうございました」
終わりの挨拶も順番は同じです。
吃音者あるあるなんですけど、得意な言葉と不得意な言葉があります。
僕は「よろしくお願いします」は得意です。
ほとんど吃らず言えます。
しかし「ありがとうございました」は苦手です、
「ご」
で必ずと言っていいほど吃ります。
「ありがとう、、、、ございました」
になります。
僕と初めて挨拶をする子はだいたい
「ありがとう、、、、ございました」
の「、、、、」のところで僕の顔を不思議そうに覗き込みます。
「???」
「どうしたんだろう」
「なんで言わないんだろう」
まるでそんな言葉が子どもの顔に書いてあるように(笑)
僕と何回か活動していくうちに、子どもたちはこの不思議な「間」に期待し始めます。
「ありがとう、、、、ございました」
「ププっ!」と笑い始める子も中にはいます。
でも僕は気にしません。
吃ってでもやり続けます。
2、「間」に対しての子どもたちの変化
何回かこのやり取りをしていくと次第に
「あれ?しゅうへい先生、まだ ございました 言ってなかったから待たなきゃ」
と子どもが待ってくれるようになります。
笑わなくなり、いつしか「、、、、」の間は自然と待つ時間になります。
僕は子どもに助けられています。
と同時に、「世界には吃る人もいるんだよ」と「、、、、」の間で伝えています。
そうして僕は吃っても笑われなくなり、僕自身も気にしなくなります。
僕の周りの小さな世界に革命が起きるんです。
そしてあわよくば、僕の教えた子たちが吃音者を
「そういう人もいるんだよ」
と伝えひろめていってくれたら嬉しいと思っています。
世界ってこうやって変わるんじゃないかなと夢見ながら
今日も目の前の一歩を進んで行きます。
#吃音 #吃り先生日記
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