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刺繍とプリントどちらにしようか悩んでいる方へ

皆さんこんにちはカワシマです。

今回は、カワシマで扱っている加工について以外と多い質問

「刺繍とプリントどっちがいいですかね?」

これに答えていこうと思います。
扱っている加工は大きく分けて「刺繍」「エンボス」「プリント」の3種類なのですが
その中でも刺繍とプリント、どちらで加工しようか悩まれる方が比較的多いことが分かりました。

まず、皆さんは刺繍とプリントの違い、いくつ挙げることができますか?
・刺繍→糸   プリント→インク
・刺繍→データ プリント→版
・刺繍→ほどくことができる プリント→消すことができない
などなど、挙げはじめたらキリがないほど違いは沢山あります。

そんな中、この2つで悩む皆さんが行き着く結論は、だいたい1つなんです。

「安くて見栄えが良いのがいい!」

分かります。すごく良く分かるんですけど・・・
例えば、皆さんが牛丼屋の店員だったとして
「牛丼とカルビ丼、安くておいしい方をください!」って言われたら
う~~~~んってなりますよね。
この人は牛丼とカルビ丼で悩んでいるんじゃありません、安くておいしいものを求めているということです。

安いのはもう牛丼ですよね。あとはおいしい方っていうのがこの人にとって、何を差しているのかということなんです。
刺繍もプリントも同じで、一番簡単な刺繍とプリントを比べたら、安いのはプリント(シルクスクリーン)でほぼ間違いないと思っていただいて良いです。
例えばこんな柄、大きさは3cm×9cmくらいで、使う色は1色の場合
100枚の仕事だとしたら刺繍は150~200円、プリントは100~150円くらいです。

クラック


柄が大きくなればなるほど、この2つの金額の差は開いていきます。

さて問題は、見栄えが良いのはどちらかということですが・・・
そもそも、刺繍とプリントの出来上がりのイメージが難しいと感じているからこその質問なので、それぞれ1番オーソドックスな加工を比較して「どういう違いがあるか」に絞ってお話します。

1、 見た目の違い

刺繍は糸、プリントはインクを使うので見た目が大きく変わります。プリントはベタっと刷るので平らになり、シンプルに柄をのせることができます。少し細かいかなという柄でも、比較的デザインの再現性は高いです。
使用する生地ですが撥水機能があるとインクが上手く定着せずに、洗濯で1発アウトになりかねます。また、フリースなどのゴワゴワした生地なんかではインクが均等に刷れないのでガタガタしたプリントになってしまいます。

一方、刺繍は糸なので、データ上で糸の打ち込む方向を変えることでデザインに動きを加えることができます。プリントよりも躍動感がだせますが、全て1本の糸で表現するので、細かいデザインの再現性はプリントに劣る部分があります。
しかし、使用可能な生地はプリントよりも比較的多く、針を刺すことができればあらゆる生地に加工が可能です。
1番分かりやすいのはランドセルかな?ランドセルにプリントではなく刺繍が圧倒的に多いのはこの為です。

2、 加工の種類

プリントの中で1番安くできる加工としては「染み込みorラバープリント」になります。
版を使用してインクを刷って乾燥させて完成させます。色は何色でも可能ですが、版を使用するのでグラデーションは難しく、1色につき1版必要になります。

刺繍は直刺繍と呼ばれている、特に工夫されていない普通の刺繍が1番安い加工になります。色数は、カワシマの取り扱っている機械は12色のものが最多ですが、中には15色までセッティングできる機械もあります。プリントのように版ではなくデータで色を分けるので、色の数によっては初期コストは刺繍の方が安くなることもあります。
また、使用する糸の種類も豊富で、光沢の有無、毛羽立ちの良しあし、糸の太さを選ぶことができるのでコストをさほど変動させることなく見た目を操作することが可能です。

3、 加工部分の硬さ

プリントは染み込みであれば触感は生地そのもの、柔らかいままになります。ラバーの場合はインク自体に硬さが多少追加されるので、薄い生地にラバーを使用した際には硬さが気になることがあります。双方で共通しているのは、裏面、肌に触れる部分に関しては一切きになることは無いといった感じになります。

刺繍はプリントよりも少し立体的になり、刺繍面積が大きければ大きいほど硬さが出やすいです。特にタタミの刺繍面積が大きいとワッペンを貼っているような硬さになるので、見た目にも影響してきます。また、裏面も刺繍は見えてくるので肌に刺繍が触れてくることがありますが、あまりに柄が飛び飛びでない限り、気になることはありません。

4、 物性(耐久性)


プリントは洗濯が一番影響を受けます。以前動画で紹介しましたが、ドライクリーニングなんかだと1発で影響がでてきます。普通の洗濯でも、何回か繰り返していると色が薄くなってきたりひび割れのようになってくることがあります。プリント部分を長持ちさせたい場合は洗濯機は控えて揉み洗いをするようにしましょう。

刺繍は洗濯では色落ちの影響はあまりありません。それより、糸が切れてしまう状況をいかに無くすかが長持ちさせるポイントになります。ただ、皆さんの私生活の中で、普通の刺繍を引っかけてしまうことってありますか?衣類に対する二次加工、いろいろありますけど、その中で普通の刺繍はかなり物性の高い部類に入るんです。

いかがでしょうか。以上の4項目が刺繍とプリントの大きな違いになります。
一概に、どちらが良いかっていうのは決められないと思います。コストだけを見るのであれば何も相談する必要はありません。プリントです。

少し話が逸れますが、巷ではアパレル業界がやばいやばいと、何年も前から衰退傾向にあると言われてきている原因の1つは、ユニクロなどのファストファッション台頭にあります。流行にさほど左右されず、オールシーズン多くの人から「生活必需品」として求められることができているという強さが、「嗜好品」を提供するアパレルブランドを苦しめています。
これは勝ち負けではありませんが、「嗜好品」が「必需品」以上に求められることはありません。撥水、防寒、吸水速乾、UVカット、これらの機能性はもはや必需品の域にいます。そしてこれらを満たしていくような衣類は必ず「特殊な生地」になっていきます。
そういった特殊な生地に対応していくことができる可能性を秘めているのは、間違いなく刺繍です。プリントができる生地はほぼ刺繍可能です。逆はありません。

加工をいれようか悩んでいる方、多いと思います。
決してプリントを否定しているわけではありませんが、今まで刺繍に触れてこなかった方の今後のご参考になればと、お話させていただきました。

カワシマ加工室では、刺繍、プリント、エンボス加工などの二次加工を中心に紹介していきます。加工のことで気になった方は是非HPからお問合せいただければと思います。
また、カワシマでは多くの人に刺繍に興味を持ってもらえるように、そして刺繍への1歩を踏み出せるようにと新規のお客様限定で刺繍データを0円で作成しています。この機会に是非刺繍を入れる企画を考えてみてはいかがでしょうか!

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