#1 よるのゆめ

初めまして、終日というものです。初noteですので、読みにくい等あるかもしれませんがお許しください。

今回は想太さんの「よるのゆめ」について語りたいと思います。僕もリラックスして筆を執りますので、読者様もゆるりと読んでくださいね!!まずは聴いていただきたと思います。

歌愛ユキちゃんの声自体をあまり聴いたことがない方もいるかと思います。どうですか?かわいいでしょ……とかそういうことではなく、この曲にあまりにもマッチした少し控えめながら強さも時々垣間見える声質です。これ程素晴らしいベストマッチも珍しいです。そして実はこの曲、「ナンセンス文学」「ドラマツルギー」等で大躍進を続ける歌い手のEveさんの1st albumへの提供曲となっています。そちらのバージョンもYoutube、ニコニコ動画両方にあがっているので是非聴いてみてください。また少し違った良い雰囲気を楽しめます。

「ぼく」と「きみ」

この曲が好きな理由はいくつもありますがまず一つ目に歌詞の暖かさです。
歌詞の中の人称が全て平仮名なところ、そこにまずは気づくことができます。ノリが良いながらもゆったりとした雰囲気を感じる不思議なイントロ、かわいらしく幻想的なベルの音色。飛び込んでくる夜空の情景。そこからまず出だしに訪れる「今夜の蒼天に 描いた落書きを ぼくは見てほしくて きみを呼ぶ」という歌詞。夜と言ったら黒!!……というイメージを持ちがちですがここで想太さんは「蒼天」という表現を用いています。その言葉選びが情景にファンタジーを付加し、さらに「ぼく」と「きみ」という平仮名表記。もうすでに曲の幻想的な空気感と暖かさ・優しさが確立されています。ここでまず引き込まれるわけですね。そして、この後につづくメロディにさらに心を引き込まれていくのです。

めまぐるしく回るぼくたち

何千年も何万年もぼくらは輪廻転生を繰り返している。そういわれると確かにそうなのかもしれない。ぼくにはスケールが大きくて想像できない話だけれど、ぼくらはずっと生まれて死んでを繰り返している。ただ、それは生死だけではありません。毎日、同じような日々を繰り返し同じように空想し同じように悲嘆し、そして、やはり疲れているんです。例え、どれだけ幸せな人でも辛いタイミングがあるのです。それも解消できないまま時計の針が回っていく、不安や焦りが高まってきて現実逃避をし寝不足に……しかし、この歌詞の中で「疲れちゃうから 今夜ぼくが とめてあげるよ」という風に「ぼく」は手を差し伸べてくれているのです。とめてくれるのです。ここの暖かさに僕はもう後戻りできないくらい引き込まれてしまったのです。

長い長い長い長い長い二つのキョリ

サビに入り連呼される「長い」。の長さと、「ぼく」と「きみ」の間の距離の長さが相まって余計に二つの長さを強調しています。連呼はこのあともこの曲では沢山でてくるのですが、全てにおいて美しく作用しています。とても好きです。大好きです。ぼくも「すき」を連呼したくなりますよほんと……。

青い、ピンクの、黄色い、真っ赤な

ここがぼくの一番好きな場所です。宇宙をイメージしたときあまり浮かばないようなはっきりとした四つの色。さらにそこから特急列車にそっと飛び乗るという世界観。列車、宇宙と言ったら銀河鉄道を思い出しますが、それとこれとはまた違った雰囲気で、あちらは個人的に美しいながら漠然と不安感を感じるのですが、こちらは夢の中みたいな浮遊感と暖かさを感じます。そして、「よるのゆめ」の中の「きみ」と「ぼく」。カラフルな装いで飛び乗る列車。「今 そらの星が 何億光年先で光る」と、視点を大きなものに向けていきます。何億光年先の星も「よるのゆめ」の中では心で見れるのです。どのような長い長い距離があっても少しずつ近づいています。不思議な歌詞ですが、流れるようなメロディが何故か情景への説得力を増すのです。

心にしみわたるアップテンポな処方箋

ぼくはこの曲に出会うまで、暖かさ・優しさというものはゆったりとした曲のものだというイメージをもってしまっていました。しかし、この曲はそんな間違った考えからぼくを救い出すのに十分でした。そして、それまで「よるのゆめ」は「明日への過程」であり流動的なものとどうしても思ってしまっていたぼくに、回り続けるぼくらを休ませてくれるものという見方を与えてくれました。

今晩は、いつも回り続けて疲れているぼくらに与えられた、ゆったりとした「よるのゆめ」に身をゆだねてみてはどうですか?

#音楽 #vocanote #VOCALOID