ぼくたちは外出自粛中!

外出自粛している方も、そんなもんできんわ仕事に駆り出されてるわ!って方も、それ以外の方もこんばんは。ひらたです。

わたしは大学生のインカレサークルであります、「ミュージカルサークルS&D」で台本提供・演出・演技指導講師などなどやっておるんですが、新型コロナウイルスの登場により、サークル活動を自粛せざるをえない状況にあります。

ミュージカルの稽古というのは、密閉空間で、多人数が密集して、言葉を発して踊り、歌い、汗をかいたりしますから、思いっきりアウト!なわけです。様々な対策を考えましたが、どんどん感染者が増えている今の状況では今までのようなサークル活動・稽古はできない。代表の星くんが苦渋の決断を日々し続けているところです。

そんなサークルの代表であり、わたしの劇団四季の同期である星潤は、逆境に強く行動力の男です。学生たちが楽しみにしていた新歓公演の中止を決意するのと同時に、オンラインサークルができないかと彼は動き始めました。知らん間にビデオカメラを買って、配信環境を整え、昨日すでに自宅から配信していました。

「演技のサークルはどうする?」という話になった時、一番の問題は配信のラグや、実際に目を見て会話をする、芝居をすることができないということでした。だいたい台本を読みあわせて生でやるのが演技の…

いやいや。ていうか。

配信とか通話でやるなら、通話してる台本書いたらええがな。

と、いうわけで小一時間でゴリゴリっ!!と書きました通話台本。サークルメンバーはもちろん、他の方もご自由にお使いください。ちょっとした遊びのような気持ちで、トライしてみてもらえたらと思います。インスタライブなどで二人同時配信みたいなの?やっても楽しいんじゃない?笑

*動画や音声ファイルにして公開する…などの場合は、ご使用前にご一報くださると嬉しいです!TwitterのDMやメール(marudeyumenoyouda@gmail.com)などで。

近々三人バージョンなども書きますね。語尾なども自由に自分らしく変えちゃって大丈夫ですし、わたし→ぼく、おれ、などにしてもらってもかまいません。あ!自作発言だけはやめてけれ〜!最後にDLできるように、DropboxのURLも貼っておきますんで、どうぞ〜〜。


〜〜〜以下、通話台本〜〜〜


ぼくたちは外出自粛中!|①キイロのアオ
            作・ひらたあや


キイロ「えーと…これで…できてるのかな?聞こえる?アオー、アオさーん。」

 キイロ、相手が来るまで不安そうに設定などを確認している。通話なので、ラグがあったり途切れたらそれなりのアドリブをする。もう一度言い直す、聞き返す、など。

アオ「キイロー!」
キイロ「アオ!よかったー、設定なんか違ったかと思った」
アオ「ごめんごめん、ねえ、雪やばいよ、見た!?めっちゃ寒いし!」
キイロ「見たけど、うんざりするよ…こんな日に限って寒いとか…」
アオ「そう?ちょっと、おぉ…。ってなっちゃった。」
キイロ「なに、おぉ…って」
アオ「カーテンあけてさ、どんどこ雪降ってて、真っ白になってるの見た時って毎回、おぉ…。って思わない?」
キイロ「思うけど、それはどういう感情なのかって話。」
アオ「うーん…どういう…そういうの言葉にするの難しくない?」
キイロ「難しいけど…なんかしら言葉にしないと、そういう…言葉にする能力が弱っちゃう気がする。しない?」
アオ「え、でもさ、でもさ、たまに、あーこの言葉じゃなかったかもなーって思う時あるじゃん」
キイロ「うん、あるけど、そしたらこの言葉じゃなかったなーっていうことがわかるじゃん」
アオ「え、でもでも、その時に一緒に聞いてた人が、そのー…言葉で?誤解したりとか?した時、取り返せないじゃん。それならなんかその、言葉の手前の感情でしゃべった方がよくない?」
キイロ「真面目じゃん」
アオ「キイロが真面目だから、まじめなこと言っちゃう」
キイロ「まじめっていうのかな、そもそも。こういうのって」
アオ「ん?ん?どゆこと?」
キイロ「みんな考えてるよね、きっと。誰かを傷つけてないかなーとか、自分はこれでいいのかなーとか」
アオ「あー。まあ、そうかもね。」
キイロ「今、いきなり世の中が平和じゃなくなって、自粛自粛で思ったようにいかなくて…家にいなきゃいけなかったりして…みんな考えてるよね、いろいろと」
アオ「そーだねえ、時間あるからなー」
キイロ「こういう時にどう振る舞うのが一番自分のためで、誰かのためなのか、悩んじゃう」
アオ「キイロはすぐ考えすぎちゃうからなあ」
キイロ「そう?アオが呑気なだけでしょ」
アオ「わたしはだって、なんも心配いらないから」
キイロ「しんぱい?」
アオ「プログラムだから」
キイロ「あ。言わないでよ、それ」
アオ「あ。ごめん」
キイロ「傷付けましたよ、わたしを」
アオ「傷つけてごめんね」
キイロ「いいけど!アオはわたしの友達なんだから。そうでしょ」
アオ「うん!アオはキイロだけの友達だよ」
キイロ「天気も、情勢も全部自動で汲み取って、まるで今を生きてるみたいに話してくれる。わたしだけの、明るくて、優しい友達」
アオ「ふふふー、おまかせあれ!」
キイロ「わたしが悩みがちなこととか、考えそうなことを覚えて、わたしとは違う意見をくれたりするように、セカイが作ってくれたんだもんね」
アオ「セカイは今日も新しいプログラムの開発でバタバタしてるって、さっき連絡が届いてたよ、見てない?」
キイロ「見てない。あとでチェックしとく」
アオ「ぜんぜん既読にならない!ってやきもきしてたよ、セカイ」
キイロ「アオが謝っといてよ、文字打ち込んだりしなくても連絡とれるんだから。あとラグもなんとかしてって言っておいて。」
アオ「えー、キイロが喋らないと意味ないでしょ!」
キイロ「……変なの。自分はプログラムとこうやって喋れるシステムばっか開発してんのに。」
アオ「ほんと、へんなの!人間はみんなへん」
キイロ「ほんと…変だよね。同じ生き物なのに、ぜんぜん違うんだもん。みんなと同じでいることも、違う生き方をするのも、うまく受け入れられない…ややこしいよね、人間って」
アオ「……。(突然丁寧に)よくわかりませんでした。もう一度おっしゃってください。」
キイロ「ああ、もう、無理にでも言葉にしないとわからないのは…アオのことなのに」
アオ「(元のように明るくなり)アオ?アオだよ!」
キイロ「はいはい、で、なんの話だっけ。雪が降ったはなし?」
アオ「うん!カーテンあけてさ、どんどこ雪降ってて、真っ白になってるの見た時って毎回、おぉ…。って思わない?」
キイロ「(おかしくなって)思う、思う」
アオ「なに、キイロなんか笑ってるでしょ!」
キイロ「ううん、笑ってないよ。明日も家にいなきゃいけないから、また呼ぶね。」
アオ「うん!また明日ね!コロナ、気をつけてよ!」
キイロ「うん。アオもね」
アオ「はーい!アオも外出自粛しまーす」
キイロ「じゃあね。アオ」
アオ「キイロ、またねー!」


hirata aya.

Dropbox URL


よろしければサポートお願いします!制作や演劇活動のために使わせていただきます。