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あすなろの手紙~俳句を添えて~ 鶫 29

これは、俳句を通じて知り合ったnote俳句界の妹弟きょうだい、alohaさんと鮎太さんと共に紡ぐ、俳句を添えた公開往復書簡である。

aloha様、鮎太様

 新しい年を迎えました。今年もどうぞよろしくお願いします。
 昨年最後の私からの質問へのお二人のご回答がとても楽しくて、「あすなろカフェ」についてしばしば思いを馳せる今日この頃です。

 さて、こちらはすっかり正月気分は抜けているのですけれど鮎太さんからのご質問は「お雑煮」についてでした。
 私の母は鹿児島の出身なので、昔から食べていたお雑煮は「海老の入った醤油味のお雑煮」でした。でも、私が高校生くらいの頃(つまり父が亡くなって数年経って、母が色々やる気を出し始めた頃)から母が料理教室に通いはじめて、そこで憶えて来た「揚げもちを使った大根おろしの入った洒落たお雑煮」がそれ以降の定番になりました。それもやっぱり醤油ベースでしたが。
 ちなみに私は「母から受け継いだ料理」というものは皆無なので、自分で作るとしたら多分全然別のレシピです。(夫が餅を好きでないので、結婚してからは家で作ることはこれまでなく、夫の実家か私の実家でしか食べない)

 ロハさんからのご質問は「自分で解き明かしてみたい世界のミステリー」。私の回答は「クリプトス」です。
 アメリカのCIA本部にある暗号の刻まれたモニュメント。四つの部分に分かれているそれは、現在三つまで解読されている。暗号解読のスペシャリストが揃うCIAでも解き明かすことができない、芸術家からの挑戦状。芸術家からの、というところがまた興味をそそります。自然現象的な謎や、半ば神話的に語り継がれる浪漫の部分が多い謎よりも、出題者が居るという点でもすっきり回答が分かりそうで解明のし甲斐がありそうです。
 私は大学で言語を専攻していて、「新言語の解読」という授業を受けていました(専攻語はスペイン語でしたけど、それとは別に一般的な「言語学」の授業がある)。教授が勝手に創作した言語で書かれた長文を読んで、規則性を発見し、文法、単語などを解き明かしていくのですが、なかなか面白い授業でした。まずはそれが表音文字か表意文字かを仮定するのが大切。
 表音文字ならば「母音」が他の文字よりも多く出てくるはずなので、全部の文章の中から他よりも多く使われているものを抽出して母音と仮定する……みたいな感じで解読を進めていきます。
 表意文字の場合は、幾ら表意文字でも必ず「助詞」のようなものはあるはずで、それらは名詞や動詞よりも同じパターン(文字の連続)の登場回数が多くなると推測されるので、そこから手掛かりを追っていきます。
 暗号解読のセオリーとはまた少し違うのでしょうけれど、何となく通じるところがあるような。

プラトンのしき三角形や鷹   橘鶫

 世界のミステリーについて考えていたら、なぜかプラトンのイデア論を思い出してしまったという……
 本質を捉えるには俯瞰したりフォーカスしたり、ということかな。

 私からの今年最初の質問は、おすすめの「ご当地銘菓」を教えてください。ご自分の住んでいる土地のものでも、そこへ行ったら必ず買ってしまうものでも、お取り寄せしてでも食べたい、というものでも良いです。
 ふるさと自慢やスイーツの企画などでぱらぱらと幾つかお話を聞いたことはありますが、あらためて「ご当地銘菓」というくくりでお話を聞いてみたいと思います。

今年もすでにやりたいことが目白押しな長女
鶫より

鳥たちのために使わせていただきます。