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あすなろの手紙~俳句を添えて~ 鶫 31

これは、俳句を通じて知り合ったnote俳句界の妹弟きょうだい、alohaさんと鮎太さんと共に紡ぐ、俳句を添えた公開往復書簡である。

aloha様、鮎太様

 前回の私からの質問で、お二人からとても素敵なお花をいただきました。鮎太さんからは赤いなでしこ。ロハさんからは白いカラー。とても嬉しいです。ありがとうございました。お二人が贈り合った菜の花とプルメリアも素敵でしたね。
 私からは、ロハさんにはカリンの苗木を、鮎太さんにはポプラの苗木を贈りたいです。どちらも私にとって特別な意味ある植物です。

 さて。今回の鮎太さんからのご質問は「自分を野菜に例えたら」。悩むけれど楽しいご質問です。
 私からの答えは「トマト」。
 そのままでも食べられるけれど、ソースにしても美味しい。割と何にでも溶け込む感じ。どちらかといったら主役より脇役の彩りくらいが丁度いいかな、という感じ。解ります? 水や肥料が少ない環境でも逞しく育ち、むしろ甘くなるあたりは目指したいところでもあります。

 ロハさんからのご質問は「卒業式の思い出」。
 一番思い出に残っているのは小学校の卒業式です。
 私は小学校まで福岡県の小倉という場所に住んでいましたが、小学校を卒業したら父親の転勤で神奈川へ引っ越すことになっていました。転勤族なのでその前に小学校の途中でも引越をしているのですが、小学校五・六年生が思い出深いクラスだっただけに卒業と同時の引越はとても悲しかったのを憶えています。男女十名くらいのグループで仲良くしており、良い思い出もつらい思い出も色々ありましたがその分関係が濃かった感じ。
 卒業式の少し前から私たちの中にはいつもとは違う空気が流れていて、一日一日が大切なものでした。それでも子供ながらに、寂しさで残りの日々を駄目にしてしまうことを恐れて、みんなやけにテンションが高かった。卒業式まで、笑顔で過ごしました。
 その数日後、漫画やドラマみたいだけれど、引越当日に友人たちは見送りに来て、駅へ向かうタクシーを自転車で追いかけてくれました。
「絶対忘れないけんねー!」と北九州弁で叫ぶ声が、今でも耳に残っています。
 当時の友達や、担任の先生とは未だにやり取りをする仲です。当然それぞれの人生には色々あって、音信不通の人も居ますけれど。みんな元気だといいなあ。
 最後にその地を訪れたのは大学生の時。以前ロハさんたちの企画で「皿倉山」詠みましたね。

皿倉の夜景夜鷹の瞳かな   橘鶫

 小学生の時から、私の中では「現実は小説より奇なり」なのですよね。だから私の好む物語はリアル寄りのファンタジーなのかもしれません。物語でも絵でも俳句でも、現実に近づけようと作ったリアルすぎる物語では物足りないし、完全ファンタジーは作り物に見える(それはそれで安心ではある)。そうではなく、ふと現実と交わりそうなファンタジーを生み出したいと思って創作をしているような気がします。
 私のルーツに触れるようなご質問ありがとうございました。

 最後に今回の私からの質問は「好きだった、あるいは得意だった教科」。卒業式を思い出していたら、お二人の学生の頃のお話が聞きたくなりました。国語、算数、理科、社会、体育、音楽、美術……高校生になれば理科も生物、物理、化学に分かれたりもしましたね。いつの時点でもいいし、先生が好きだったからという理由でも良いので、好きだった授業について聞かせてください。

実は昔から「勉強」は好きな長女
鶫より

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