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あすなろの手紙~俳句を添えて~ 鶫 34

これは、俳句を通じて知り合ったnote俳句界の妹弟きょうだい、alohaさんと鮎太さんと共に紡ぐ、俳句を添えた公開往復書簡である。

aloha様、鮎太様

 いつも楽しみにしている五月が、今年はあっという間に過ぎてしまいました。それでもやはり夏のエネルギーを、少しずつ身体に取り込んでいるように思います。ベランダのハーブたちも元気。

 今回の鮎太さんからのご質問は、「自由に行けるとしたら、深海と宇宙、どちらに行きますか?」。
 こんなことを言うとおかしいと思われるかも知れませんが、深海は、なんとなく知っている気がするのです。だから、宇宙。
 どちらも、きっと静かなのだろうな。何度かスキューバダイビングをしたことがあるので、深海とまではいかないけれど、海の中の雰囲気はわかります。実際には酸素ボンベの音がするのだけれど、それが反対に無音を強調するようにも感じられました。
 宇宙は全くの未知。フィクションもノンフィクションも本では色々と読んだけれど、実際はどうなのだろうなあ。宇宙空間って、無なのだろうか、やはり存在しているのだろうか、みたいなことを考えたりします。
 ああでも、どちらにもきっと鳥は居ない。どちらに行っても、私は鳥に恋焦がれるでしょう。冒険と日常の大切なものは、トレードオフだったりしますね。

 ロハさんからのご質問は「絵の具一色だけで絵を描くとしたら何色を使いますか」。
 私の答えは、グリーンです。
 モチーフにもよるのでしょうけれどね。一色で描くならば、例えばイヌワシを茶色で描いても面白くない。鳥たちを、一色で描いてくださいと言われたら、私はまず、グリーンを試すと思います。
 理由はまず、単純に、好きな色だから。
 あとは鳥も好きだけれど、植物も好きだから。植物を象徴する色は色々あるけれど、一色選ぶならばやっぱり緑じゃないかと思うのです。
 

翡翠カワセミの飛沫それぞれ翡翠色ひすいいろ   橘鶫

 色の話をしたら、昨年の夏に詠んだこの句を思い出しました。
 私の東京の家の近くには「翡翠の郷」という場所があり、いつも鳥を撮るカメラマンたちがたくさん集まっています。カワセミって、実際に見ると、多分想像より小さいのですよ。

 私からの今回の質問は、「今日は好きなことだけで過ごしていいよ」と言われたら、どんな一日を過ごしますか。お二人の理想の一日ってどんなだろう。

最近更に「自分にとって大切なもの」が厳選されてきて、ミニマリストが加速している長女
鶫より

鳥たちのために使わせていただきます。