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あすなろの手紙~俳句を添えて~ 鶫 30

これは、俳句を通じて知り合ったnote俳句界の妹弟きょうだい、alohaさんと鮎太さんと共に紡ぐ、俳句を添えた公開往復書簡である。

aloha様、鮎太様

 年が明けたと思ったらもう立春。時間軸というものは一体どうなっているのかしら、と思ったりします。でも、確かにね、私は今年は年初から飛ばしている気がする。もう、絵も物語も随分描きました。

 さて。今回の鮎太さんからのご質問は「今までの人生で一番熱中した漫画」。漫画、以前は読んだには読んだけれど、最近はほとんど読んでいません。だって、同じページ数で吸収できる物語の量が、小説に比べて随分と少ないから。嫌いではありませんが、どうしても時間が有限だと文章の方に傾きがちです。
 そんなわけで、最近の漫画はよく知りませんが、私の中で一番の漫画といえば『風の谷のナウシカ』です。そして、『風の谷のナウシカ』といえば私は映画でなく漫画の原作なのです。小学校一年生の時に全巻読みました。小学生には正直言って難しい内容だと思いますが、でも、その時にはその時なりの響き方をしました。大人になって読み返すとまた更に深いのですけれど。でも熱中とは少し違うかもしれません。
 面白かった、という意味で言うと『陰陽師』(原作:夢枕獏 絵:岡野玲子)も面白かったかな。これは小説の原作もあるのだけれど、漫画の方が面白かった。ラストはちょっと無理やり感を否めませんでしたが。
 今のところ最後に読んだ漫画は大学生の時に読んだ『ギャラリーフェイク』ではないかと思います。それ以来、自分から漫画を手に取った事は無いはず。この先はまた分かりませんけれども。

 ロハさんからのご質問は「好きな鍋」でした。一番……は難しいな。二つあるの。モツ鍋とキムチチゲ。うーん。でも、どちらかひとつとれと言われたらモツ鍋かなあ。日本に居る間はいつも、上田商店というところのを取り寄せしていて、冬は常備していると言っても過言ではありませんでした。締めのちゃんぽんまで全部美味しい。
 キムチチゲは自分でよく作ります。キムチを加えるだけでなく、豆板醤と甜面醤とオイスターソースを少々。こちは、最後は素麺を入れるんですよ。別茹でしなくていいからとても楽です。
 日本の「鍋」からは少し離れますが、ブイヤベースも時折作ります。こちらは最後はリゾットに。
 何ともお腹が空いてくる話題でしたね。
 お鍋、手軽で野菜もたんぱく質もバランスよく取れて全体的に好きです。名もなき創作鍋もよく作ります。

鳥影に鼻歌止んでおでんの香   橘鶫

 たまたま最近詠んだおでんの句を載せておきます。もう春ですけれど。

 最後に私からの質問は、あすなろ姉弟、他の二人に「植物」を贈るとしたらそれぞれ何を選びますか? 花一輪でも、花束にしてもかまいませんし、グリーンだけでも、はたまた種や球根でも。理由と共に教えてください。

少しずつ日が長くなってくるのを感じてワクワクしている長女
鶫より


鳥たちのために使わせていただきます。