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日常が途切れる感覚@記憶は地に沁み、風を越え

『記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18』(東京都写真美術館 2021.11.6 - 2022.1.23)

東京都写真美術館では、写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘するため、新しい創造活動の展開の場として「日本の新進作家」展を2002年より開催しています。 18回目となる本展では「記憶は地に沁み、風を越え」をテーマとして、私たちの身体と土地、風景、 そしてその記憶との関わり合いについて、多様なアプローチで追求する作家5組6名の写真・映像表現を紹介します。

東京都写真美術館公式HP

実をいうと、写真の作品というものにそこまで興味がなかったのですが、この展覧会のポスターが気になって足を運びました。

5組の作家さんの展示は部屋ごとに分かれており、それぞれの部屋に入った瞬間、すぐに作品の生み出す世界に集中することができました。

いちばん最後の部屋で観た山元彩香さんの映像作品*について、その場でわたしが書いていたメモです。

同じような毎日を繰り返していると、日常生活の有り難さを忘れてしまい、ややもすれば自分が日に日に淀んでいく感覚がわたしにはあります。この時もそうだったのだと思います。 映像を観ている間、わたしは日常にはいなくて、観終わって戻った日常と自分自身に、観る前とはなにか少し違う新鮮な感覚を覚えました。それは絵画を鑑賞しているときには体験したことがなかったものだったように思います。

SF(すこしふしぎ)で非現実的(=異常)だけれども現実であるの写真や映像には、日常をリセットする力があるのだと感じました。

東京都写真美術館を訪れたのはこの日(2022年1月某日)がはじめてでした。この展覧会をきっかけに、写真が気になる生活を送っています。

以上です。

*organ #1 “Marta”, Latvia 〈organ〉より organ #1 “Marta”, Latvia from the series organ 2019
*organ #2 “Martha & Chisomo”, Malawi 〈organ〉より organ #2 “Martha & Chisomo”, Malawi from the series organ 2021

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