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完膚なきまでに他の魔女っ子ステッキをなぎ倒す、強靭的アイテム。



マハリクマハリタ・・・
今回は語りたい事がたくさんあるので、さっそく参りたいと思います。

サリーさんとバンダイ

魔法使いサリー。

魔女っ子アニメの大ボスですね。

アストレア国のプリンセスにして、日本の魔女っ子アニメを牛耳る、ポジションでもあります。


さしずめ、魔女っ子界の和田アキ子さんというところでしょうか。


さてさて、このスピカタクト、バンダイナムコグループ公式サイトによると、
1990年に100万個(出荷かな?売り上げかな?)突破と書かれています。

その3年後には、美少女戦士セーラームーンの玩具が大ヒット。
バンダイといえば、これまでにも魔法おもちゃを数々売り出しておりました。


代表作クリィミーマミの、ぴえろ魔法少女シリーズのステッキもなかなかかわいく、
実際に私も無邪気にパステルステッキを振り回して遊んではいたのですが、
あの時代のシンプルなデザインからの急成長ぶりが凄まじいのが、このスピカタクトなのです。

魔法の天使クリィミーマミからの変貌


真っ先に気になるのは、持ち手の曲線美です。

細身であれ!
くびれてあれ!
美しくあれ!


昭和当時のクリィミーマミのクリィミーステッキの商品は、持ち手がストレートな円柱でした。


アニメでは、上部で膨らんでから、すとんとすぼまる曲線美なステッキでした。


この頃は、きっと既存の金型の組み合わせで作るおもちゃを製作する事が多かったのでしょう。
持ち手は、ストレートな円柱の時代でした。


そしてスピカタクトの登場です。

子供向けの振り回す前提のおもちゃを、ここまで細くできるなんて!
凄い高品質なのでは!・・・。


ストレートな持ち手の時代から時を経て、経済成長期とともに、ついにバンダイが本気を出してきたのです。


1990年、スピカタクトあらわる。



このスピカタクトの、ヴィーナスのようなカーヴィーボディ!!

(持ち手)

こんな美人さんなステッキ(タクトですが)、どうしてどのようにしてできちゃったのよ!もう!!
と思われるでしょう。

バンダイの少女アイテムが急成長した背景には、フジテレビで放送した、バンダイ製作、美少女仮面ポワトリン玩具の存在があったのではないかと思っています。

(それとも、製作中に世間を揺るがした、ライバルカンパニーの、エレガントテクマクマヤコンの2連発繰り出しの脅威か・・・。)


サリーちゃんと同年に放送していた、美少女仮面ポワトリン 。

(この、ちゅうかなシリーズからの変貌もまた別の機会に綴りたい!)
このポワトリン の玩具が、中世ルネサンスのジュエリーのような、猛々しさのあるかっこよいもののオンパレードなのであります。

ヴェネツィア!仮面舞踏会!ティラミス食べたい!といったような。

ポワトリン シリーズのおもちゃは・・・、

バブル経済期で、
とにかくリッチに世界中を旅行した日本人の職人やデザイナーが、まなこと感性をを養い、結果恐ろしいものを作ってしまった・・・
というような貫禄があります。

そんなポワトリン のアイテムのなかで、
フォルムはクールで最高潮にかっこよく、
色味はザ•ロココ調!
といったものがあるですが・・・

このアイテム達と共に社内でプロジェクトが進んだ結果(もしくは社内のライバルチーム?)、
平成版サリーちゃんのおもちゃは伝説的な美しさになったのではないかなと妄想しました。



切磋琢磨、はたまた社内で刺激しあってとか。

(このサリーちゃんのおもちゃの数々は、本当に素晴らしいものばかり。)


ええ。
しかし、これは、私の妄想ばなしです。


実際の話を、いつかバンダイレトロムックかなんかが出版されて、中で大いに語ってはいただけないだろうか。

当時のデザイナーさんや、原型師さんの正体も知りたいです。

たぶん、モノホンのそのスジの方々なのではないかと思っている。

だって、商売相手を子供扱いしていないのですから。

まったくもって。

おかげで、おもちゃから美術史や国の文化や装飾品を探究しようと心を動かされた少女達が100万人以上いるはず。


ロココのプリンセス


スピカタクトのエンブレムにご注目ください。


堂々たる風格のプリンセスサリー

ちょっとアールヌーボー風味


色味はロココだけれど、
装飾は、
がっつり豪華なロココ!・・・というよりは、そこからシックに滑らかに落ち着いたアール・ヌーヴォーぽさもある。



両脇の蔦の曲線は、アカンサスの蔦なのか、はたまた、サリーの「S」なのでしょうか。

ここで装飾をストップしたところが、センスが良すぎる!!


ごてごてする前に潔く止めました。



なぜだか分からないけれど、ステッキからは、イタリアとかスペインな印象を受けるんです。


そう。

ガウディなイメージもあり、
イタリアのラフに着こなす飄々としたおじさまのスーツみたいなイメージもある。


なんだかよく分からないけれど、眺めても眺めても、まったく飽きないのです。


イタリア・・・


まてよ?
イタリア?


確かに、89〜90年はイタリアフィーバーでしたね。

子供心に覚えている、ティラミス、イタ飯、ピエロ雑貨、バブルといったらヴェルサーチ。

ああ!!イタリアといえば・・・
グロテスク文様・・・があるじゃないか。

この、サリーさんの周りにあしらわれた蔦。


グロテスク文様の、人物、動物、植物などをだんだんと蔦を伝わって彩られる手法。

デザイナーさんは、日本中の子供達に、古代ローマのからの美術史を教えたかったのではないでしょうか!


やはり、恐ろしい、圧倒的芸術品だ。

このスピカタクトは・・・。


終わりに


今回は長文になってしまいました。


本当に本当に、大好きなアイテムなのです。

赤いスピカについて語る前に息切れしたのでここでペンを置かせてください。

魅惑の1990年。
バンダイすごい。

他社もすごい。


なかには、ギリシャの古代建築をそのまま魔法アイテムにしてきた凄いトリッキーなおもちゃメーカーもあるんです。


本当に楽しい年だったと思います。

これまでイギリス貴族風の清楚な雰囲気のおもちゃを出してきたバンダイが、
じわじわと世界一周が楽しめるような、攻め攻めなデザインをポンポン出してきたワクワクするしかない年代の、ほんの一幕を綴りました。

楽しい夢をありがとう!
では、また。

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