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【読書日記】i(アイ)

西加奈子

久々に小説読んだ

主人公の女子高生アイが自身のルーツ、
そしてミナとの出会いによる自身と社会との関わり、
ユウとの結婚による血という繋がりによる関わり…
人が生きる上ではひとりじゃ生きられない。

様々な人達との関わりが社会との繋がりとなる。
自分という個性の絶対評価と
友人や家族といった繋がりとの相対的なバランスが保たれていると人は心地よく生きられる。

完璧とは言わないまでも歪みがあったり、
たわみがあったりしながら人間は生きてる。
しかし過度に歪んだり、
歪みを補正するために自己を犠牲にすることは瞬間的にはあると思うが継続は無い。

自分が満たされてなければ
このバランスは維持できないからだ。

一方で不安定になる自己を支えてくれるのも関わりをもつ他者であることも事実である。
こうやって人は生きている。
不確実性の高まる社会だからこそ、
より一層人の繋がりを私達は求めるだろうし、
不可欠な存在になる。

生きることは難しいが、
そうさせるのもヒトだし、
そこから解放してくれるのもヒトだと言うこと、
そんな気付きをくれた小説でした。

柘レビュー ★★★★★

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