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#2 僕がフリーランスになるまで - 大手広告代理店編 -

「吉本さん、稼働率が200%を超えています・・・」

経理担当が僕の隣にきて、心配そうに声をかけてきた。
と言われても、僕は派遣社員なので、与えられた仕事を淡々と作業するだけ・・・。

1日8時間働いた状態を稼働率100%としているはず。
200%ということは、1日16時間だ。
正確には、週末も働いていたので、その分も考慮されて200%という計算になっているのだと思うが、それでもまぁ、すごい数字だ。

いまから約14年前、僕は約9ヶ月働いた制作会社を退職し、派遣社員で、ある大手広告代理店に所属した。
派遣社員なので、給料は時給制。
当時の時給は忘れたが、月収が前の制作会社の3倍近くに増えた。

そりゃそうだ。
稼働率が200%だ。

土日勤務当たり前、徹夜もする。
深夜遅くに帰る日々も続き、渋谷からタクシーで帰る。
派遣社員なので、交通費が出る。

好きな仕事を休みなくやって、月収も上がり、交通費も出て・・・、200%の稼働が全然苦ではなかった。
むしろ、楽しかったし、身も心もとても充実していた。

前職では、打ち合わせから納品まで全部自分でやっていたが、実装をメインでやりたいという気持ちが強くなり、その環境を手に入れた。
大手広告代理店での仕事だから、クライアントも大手。やりがいもある。
実装のチェックに厳しいデザイナーもいて、学びが多い。

今では考えられないが、僕が実装したページを全て印刷して、そこに赤を入れる。

1pxズレてます

1px!?
それから僕は、実装したページを都度キャプチャして、デザインデータと重ねて、1pxもズレないように実装をした。

派遣社員ではあったが、徐々に実装者として評価され、多くのディレクター・デザイナーから信頼を得られたと思う。
半年間程度、コーダーとして、みっちり作業に集中した。

そんな中、今まではアニメーションとして使われていたFlashが、コンテンツとして使われ始めてきた。
話題になるWebサイトは、全部Flashのコンテンツだった。

僕は、以前からFlashという技術に目を付けていて、独学で少しできるレベルだった。
これからもっとFlashサイトが増えてくる。間違いない。

「Flashの案件があれば、僕にやらせてください。」
ディレクターに頼んだ。

そして、それが現実になり、もらえるようになった。
が、わからないことだらけ。

わからなすぎて、ディレクターに泣きついた。
すると、Flashが得意だというバックエンド担当の方(Kさん)を紹介してもらえた。
そして、その方に、泣きついた。

毎日のように、Kさんの隣にいって、学んだ。
Kさんが、本当に良い方で、嫌な顔を一切せず、親切に教えてくれた。
時には僕の代わりにコードを書いてくれた。

HTML/CSSは、プログラミング言語ではない。
JavaScriptは当時あまり使われることがなかった。(マウスオーバーで画像を変えるレベル)

そう。
今まで本格的にプログラミング言語を学んできたことがなかった。
僕は、Flashで使われるActionScriptという言語で、プログラミングを学んだ。
Kさんを、勝手に師匠と崇め、頼りに頼った。
もちろん、参考書などで独学もしたが、やはり実務でしか学べないことが多かった。

覚えることが多く、必死だったが、楽しかった。
ActionScriptを本格的に書き始め、数ヶ月が経ち、プログラミングがようやく理解できるようになった。
業界でもFlashのサイトが目立ち始め、今の自分のスキルでは全く歯が立たないサイトを見ると、この領域で勝負したいという気持ちが強くなってきた。

今の所属している会社では、Flashの案件にも携われるが、メインはコーダー(HTML/CSS)だ。
僕は、Flashをメインでやりたい。
そんな気持ちが強くなっていく中、上司から「社員にならないか」と相談される。

大手広告代理店で、正社員。決して悪くない。
将来的にフリーランスになると決めているが、ここで数年、正社員として勤務するのは、経験的にプラスになるはずだ。

そして、社員面接を受けた。
上司からの推薦ということもあり、採用前提の面接。
待遇面を検討して、僕が判断する状況になった。

ここで正社員になって経験を積むか。
Flashをメインにやっている制作会社に移って、Flashクリエータとして経験を積むか。

僕は、悩んだ結果、後者を選んだ。

そして、上司に呼ばれる。

このタイミングで抜けられると本当に困る。
という話をされ、僕は「すみません」としか言えなかった。

そして、最後に、
・・・ここまでの話は、上司としての話です。
個人的には、Flashクリエータとして頑張って欲しい。

思いがけない言葉だった。
その言葉のおかげで、僕は踏ん切りがついた。
僕は、Flashクリエータになる。

大手広告代理店に所属したのが、約11ヶ月。
派遣会社の営業担当の方に、今後は、Flashクリエータとしてやっていきたい、という気持ちを伝え、Flashに力を入れている制作会社を探していただいた。

今まで、コーダー(HTML/CSS)をメインでやってきて、ある程度スキルが身についてきたが、次は、Flash(ActionScript)だ。
このスキルはまだまだ未熟。
初心に戻り、また必死になってスキルを学ばなければ(つづく)

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Web制作の実装者です。 Webの制作会社で実績を積み、フリーランス2年半を経て、aruを設立。現在10期目です。 札幌出身、東京在住。
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