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都内を30km歩いて、オモコロの電柱広告10箇所全制覇してみた

どうも、津高と申します。

皆さんは「オモコロの電柱広告」をご存知だろうか。

「もちろん知っているしもう見に行った」という方もいれば、「そもそもオモコロって何?」という方もいるかもしれない。

オモコロの電柱広告とは?

順を追って説明してみよう。
オモコロとは、株式会社バーグハンバーグバーグが運営する、「ゆるく笑えるコンテンツに特化したWebメディア」のこと。
そのオモコロが、都内10箇所の電柱に広告を出しているのだ。
その内容というのが…

実際の電柱広告

オモコロの読者(有料ファンコミュニティ「ほかほかおにぎりクラブ」のメンバー)から募集した、オモコロの新しいキャッチコピーである。
つまりは、言ってしまえば「アホの考えた無意味な言葉」が広告として出ているのだ。

詳細を知りたい方は、以下のオモコロ記事を読んでほしい。ことの経緯はわかるはずだ。


ここまで読んで、あなたはこう思ったのではないだろうか。

え?
思わない?

まあ、それも、人生ですわな…。
あなたはあなたの道を、そのまま真っ直ぐに歩んでください。

ともかく、私は見に行くぞ。10箇所全て。

しかし、私が次に思ったことはこうだ。

わかってくださいこればかりは。
私は公共交通機関に対してかなり苦手意識があるのだ。
「一度乗ってしまえばそれだけで着く」ならあまり問題ないのだが、乗換などが何度もあるとそのたびにMPを奪われ、どうしようもなく疲弊してしまう。
東京の電車はホームが無数にあることも多いし、同じ名前の駅が複数存在したりする。
バスは土地勘がないと道路のどっち側のバス停で待てばよいのかわかりにくいこともあるし、そもそも乗り降りの仕方が自分の住んでいる地域とは違ったりするから不安だ…。

とはいえ、都内を10箇所も巡るなら公共交通機関の利用は必須なのではないか。
有料ファンコミュニティのdiscord内でも電車での推奨ルート等が共有されていたし…。

ここで、数分間の思案ののち、一つの結論が導き出された。

そう、歩いて回ればいいだけの話だったのだ。

計画を立てよう

まず、実現可能かどうかを確かめる。
細かい場所はひとまず置いておき、一周したらどれくらいの距離なのか、調べないことには始まらない。
Googleマップ先生に聞いてみよう。

30kmかあ。

まあ、それなら歩いて回れる。確信があった。
なぜなら、私は過去に丸一日(20時間)かけて80km歩いたことがあるからだ。
そのときの経験から言えば30kmは、「飽きずに歩ける距離の上限」である。

歩いて回れることがわかったので、次は記事の写真を見て詳細な場所を特定していく。
電柱の住所が写り込んでいるものは簡単だ。
Googleマップに打ち込んで、表示された範囲内をストリートビューで確認していけばよい。

問題は住所が写り込んでいないもの。
それらは背景から場所を特定しなければいけない。

とはいえ、秋葉原は特徴的な商業施設が写り込んでいるし、中野も珍しい店名の看板が写っているため、それほど困難ではなかった。

最難関は六本木である。
背景から得られる情報は「タイムズのコインパーキング」のみ。
六本木にタイムズはいっぱいあるのだが、そのどこに電柱広告が出ているのか皆目検討もつかないため、一つ一つストリートビューで確認しなければならない。

こんなしょうもない電柱広告のためにこんな手間をかけていいのだろうか、という考えが一瞬頭を過ぎるが、無駄こそ人生の豊かさであるはずなので問題ないこととする。

無事に全ての場所を特定できたら、プランを立てる。
自分は千葉県に住んでいるため、電車で1番東側にある電柱の最寄り駅まで行き、そこからぐるっと回っていくのが効率的かつ経済的だろう。

つまりはこうだ。

プラン図

秋葉原駅で電車を降り、ぐるっと30km歩き、帰りは六本木からなんとかして帰る。
完璧なプランだ。あとは実行に移すのみとなった。

実際に歩くぞ!

つい先程、私の完璧なプランを発表したばかりなので、聡明な読者の皆様であれば最初に降りるべき駅がどこなのかはおわかりであろう。
そう、秋葉原駅である。

私は秋葉原駅で降りる。

はずだった。

私が降りた駅は、なぜか渋谷駅だった。
電車に乗る前は秋葉原駅で降りる気満々であったのにも関わらず、乗り換えアプリに残っていた前回の履歴(最寄り駅から渋谷駅のルート)に疑問を感じなかったらしく、無意識に渋谷へと向かっていたのだ…。

出鼻をくじかれたわけだが、ここで狼狽える私ではない。
プランを変更しよう。

実は、この記事では流れるように計画から実行に移しているものの、実際は途中で引越しを挟んでいる。
現在の居住地である千葉に引っ越す前は東京の西方に住んでいたため、当時組んだプランではスタートを原宿、ゴールを高円寺に設定していたのだ。
渋谷(原宿の隣駅)まで出てきてしまった以上、そちらのプランに変更するのが最適解であろう。

変更後のプラン図

予定より遠くの駅まで来たことでお金と時間は多少無駄になったが、これから限りなく無駄に近いことをするのだ。これしきの無駄で凹んでいては精神がもたない。

そういうわけで、一駅分だけ電車に乗り原宿へ向かう。

1.スタート〜原宿(300m)

原宿駅

着いた。スタート地点、原宿駅である。
見事なまでの快晴。
歩き回るには最高の日かもしれない。

社会と経済の発展

最初の電柱は原宿駅からわずか300mの地点。
かくしてそこにあった。

「社会と経済の発展」
これがオモコロのキャッチフレーズだとしたら、あまりに嘘すぎる。仰々しいな。

ちなみに、今回の旅のお供はデッドプールさん(指人形)である。
ノイズになっているかもしれないが、私自身が写り込むのは嫌だったため致し方がないだろう。
指人形はぬいぐるみ等と比べ、かさばらないし掲げて写真が撮りやすいため実用的なのだ。

2.原宿〜渋谷(1.4km / スタートから1.7km)

駅の方へ戻り、渋谷に向かう。

この日はマラソンの大会があり、交通規制がされていた。地下道を通らねばならないようだ。
初めて通る地下道は、80%くらいの確率で道を間違える。今回も間違えた。出鼻をくじかれ続けている。

NHK

NHKの横を歩いていく。
一度だけこのあたりでレンタカーを借りたことがあるのだが、返却場所である地下駐車場の入口がわからず、ぐるぐると徘徊した思い出がある。

朱雀「ギャワワーン」

着いた。

「朱雀「ギャワワーン」」
関係ないけど玄武って鳴いたりするのかな。
亀だし鳴かなそうだよな。


3.渋谷〜中目黒(2.6km / スタートから4.3km)

渋谷の街中を通り、中目黒を目指す。

渋谷という街を憎んでいるため、なかなかにしんどい。眉間のシワが深くなりそうだ。
さっさと抜けてしまいたい。

閑静な住宅街

しばらく歩くと、ようやく周りが静かで落ち着いた雰囲気になった。
ここが噂の代官山らしい。
渋谷の騒々しさからは一転、散歩をするには最高とも言える街並み…。
渋谷の街に精神をやられすぎて、このギャップに感激してしまった。信じてもいない神に感謝したほどだ。

今年初めて咲いている桜を見た。
桜なんて春の風物詩としてメジャーすぎ・擦られすぎな代物だが、咲いているのを見るとやはり嬉しくなってしまう。
逆張りオタクも所詮は日本人ということらしい。

目黒川桜まつりの提灯が出ていた。まだ見頃には早いが天気もよいため散歩しているひとが大勢いて、またしてもはやくここから抜けたいという気分になる。
俺たちのようなインターネットのカマキリにとって人混みは刺激が強すぎる。

しゅんぴまっひゅう

苦難を乗り越え辿り着いた電柱。

「しゅんぴまっひゅう」
ちょっと意味はわからないが、ちょうど電車が停まっており、いい写真が撮れたのではないだろうか。

4.中目黒〜恵比寿(1.1km / スタートから5.4km)

このあたりはあまり記憶がないな。
写真も残ってないし、なにもなかったのかもしれない。

ちからバゲット

半分埋まったファミリーマートの隣にあった。

「ちからバゲット」
食べたら元気が出そうだ。
バゲットとハンバーグとおにぎりが共存する謎グルメ電柱。

5.恵比寿〜六本木(3.4km / スタートから8.8km)

さて、この区間は3.4kmあるため少し長い。
写真を見返したら結構色々あったため、ダイジェストでお送りする。

恵比寿銀座
宇宙人
桜並木
散歩通り
かに
こういう遊具で横向きなことってあるんだ
レトロなサウナ
六本木ヒルズ

そして…

急に出た!
特定するのが最も難しかった電柱だが、道を歩いているとあっさり出てくる。
確かストリートビューでも微妙に確証が得られなかったので、ちゃんとあって安心した。

ターーーーーーーーーーーーーーイ

「ターーーーーーーーーーーーーーイ」
オモコロの広告電柱たちは無意味なフレーズのオンパレードなわけだが、これは随一の無意味さ。
世界はそれを奇声と呼ぶ。

6.六本木〜秋葉原(6.3km / スタートから15.1km)

さて、ギロッポンを後にしてオタクの街アキバに向かう。
ここの区間は6.3kmある。長い。
辛抱強く歩くとしよう。

国会議事堂

国会議事堂だ。東京の真ン中って感じがする。
(40mPの「東京の真ン中で寝転ぶ」は名曲なので聴いてください。)

皇居。ランナーと観光客で賑わっていた。

「花の輪」 福島県のプレート

皇居周回コースには100mごとに「花の輪」と呼ばれるプレートが設置されている。
都道府県のシンボルフラワーがデザインされたプレートだ。

自分の地元である福島県のプレートだけだが写真に収めておいた。
福島以外の東北五県を確認し、ついに次だと思って歩いていたら茨城県のプレートが出てきたときはショックだったが…。
外国人観光客の群が写真撮影をしていた場所の近くにあって見落としたらしく、100m戻ることで事なきを得た。

さらに歩いていく。

デカい偽物の鳥
マイクラ中級者がつくる豆腐ハウス

1時間以上歩いて、やっとTHE・秋葉原という景色のところに着いた。

じいや、扇風機にカイロを貼ったら温風の風が出るかしら?

無事発見。

「じいや、扇風機にカイロを貼ったら温風の風が出るかしら?」
カイロいっぱい貼ったら温風になるかもね。

さて、ここまでで15km歩いている。
9時頃歩き始めて3時間、ちょうどお昼だし、ここまで休憩をとらずに歩いてきたので昼食とする。

こういうときは安心と信頼のマクドナルドだ。
地図アプリとカメラアプリの使用でスマホの充電も消耗していたため、席にコンセントがあるのはありがたい。


7.秋葉原〜上野(1.1km / スタートから16.2km)

休憩と補給を済ませ、上野に向かう。
疲れが出てきたが、距離としては折り返し。
まだまだ旅は続く。

肉のハナマサ
蒙古タンメン中本

田舎モンには馴染みのない店たち。
名前だけ知ってたやつらが実在していて面白かった。

匿名M「なんか、わかんないですけど、存在しててウケますね。」
ってこういうことですか!?(違う)

たまらず飛び出てきたわい!ほれ、今じゃ!

この区間は1km強なのですぐ着いた。

「たまらず飛び出てきたわい!ほれ、今じゃ!」
いいジジイキャラだ。
実際「じゃ」が語尾のジジイって会ったことないな。


8.上野〜高田馬場(6.7km / スタートから22.9km)

上野を後にし、高田馬場へ向かう。
ここは最長区間で6.7kmもあるので、またダイジェストでお送りする。

古美術店と神社
絵になりすぎではないか
東京ドーム
かすかべ防衛隊
前衛的な建物
路面電車
東北出身の人間には馴染みがない

さて、だいぶ疲れてきたが…

マヨコーン

やった〜!!遠かったな!!

「マヨコーン」
こんだけ歩いて目的地が「マヨコーン」なことあるか?


9.高田馬場〜中野(3.9km / スタートから26.8km)

高田馬場の電柱周辺はなんとなく治安が悪いので、さっさと後にする。

さかえ通り

喉が渇いてきたので、道端の自販機をチラ見しながら歩く。
ラインナップもさることながら、ICリーダーがついているかどうかが肝要だ。
現金も持ってはいるが、スマホで済むならその方がいい。

………なんか今の自販機、ICリーダーついてたけど位置めっちゃ高かったな…。

…?
ICリーダーついてたけど位置めっちゃ高かったな…?

え…!?
なんか、もはや「巨人用の自販機」じゃなかった…!?

疲れでぼんやりしててスルーしてしまったが、面白かった気がするし戻るか…?

戻った

これは…。

巨人用の自販機だ!!!!

ただでさえICリーダーが高いところにつけられているのに、こんなにもゲタを履かされている!!!!
最上段の商品とか、買わせる気あるんか?

普通に疲れてたのでひとりで手を伸ばす元気はなく、写真だけ撮って別の自販機で麦茶を買った。

神田川
まいばすけっと

これも実在しててウケたやつ。
まいばすけっとのこと、オモコロ記事のオチに使われてたこと以外なにも知らない。

さらに歩く…。

ありがとう、かりんとうゴブリン

あった。

「ありがとう、かりんとうゴブリン」
かりんとうゴブリンっておいしそうだな。
いや嘘、そうでもない。食べたくないわ。


10.中野〜高円寺(1.7km / スタートから28.5km)

ついに最後となった電柱に向けて歩く。
もうゴールしたい。

中野サンプラザ

サンプラザ中野くんの元ネタだ。

これは…。

帝京平成大学だ!!!!!!!!

そして…。

嘘を覚えた鉄棒

ついに!最後!!
10箇所制覇したぞ!!!!

「嘘を覚えた鉄棒」
なんか詩的でいいフレーズだ。
これがシュールレアリスムか(適当)。

終幕

長かった旅もこれにておしまい。
高円寺から電車に乗って帰ろう。

GPS時計でログをとっていた結果。
計算上は28.5kmだったが、道に迷ったりしたので総移動距離は31.1kmになった。

ちなみに私は自宅から最寄り駅までの往復4kmも歩いているため、この日は結局35kmくらい歩いている。
脚は死んだ。

翌日は左膝の裏に痛みがあり、真っ直ぐ伸ばすことができなかった。
そのまた翌日には通常のコンディションに戻ったが、予想よりはダメージを受けてしまった。

今回の電柱広告10本はおそらく6月末まで掲載されているので、もしこれから見に行こうと考えている方がいれば以下のことを共有したい。

徒歩で巡るのは比較的歩き慣れていてもそれなりにダメージを受けたので、そうでなければいきなり30km歩くのはオススメしない。
怪我や故障に繋がる可能性が高い。

もし歩くなら靴選びは慎重に。
サイズの合ったものを選ぼう。

マップアプリを起動しているとスマホの充電の減りが速いため、モバイルバッテリーは持っていた方がいいだろう。

というわけで、人混みが苦手なインターネットモヤシボーイズ&ガールズは、肉体を鍛えて30km歩くか、精神を犠牲にして電車やバスで巡るかご自身でよく考えてくれよな!!!!

私は万が一また電柱広告の契約が更新されたときのために、肉体を鍛えておこうと思う。

(終)


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