Green, Green Grass of Home 歌詞と対訳

楽曲について

Green, Green Grass of Home / written by Curly Putman
ナッシュビル・ソングライターの殿堂入りも果たした名ソングライター、カーリー・プットマンの出世作。1965年のポーター・ワゴナーによるバージョンがカントリー・チャートでヒットしたことにより、最初に世の中に知れ渡りました。
翌年、当時駆け出しだったイギリスの大スター、トム・ジョーンズが取り上げて世界的大ヒット。それをきっかけに、エルヴィス・プレスリーやジョニー・キャッシュ、ケニー・ロジャースなどカントリー界の大物歌手がこぞってカバーする名曲として認知されることとなりました。

曲を聴く前にイメージしたいこと

日本では「思い出のグリーングラス」というタイトルで、山上路夫の日本語詞による森山良子バージョンで知られていますよね。
「生まれ故郷の風景はいつも私を温かく迎えてくれる」というほっこりする歌詞は基本的に原曲どおりですが、彼女のバージョンは肝心の、原曲の3番における大どんでん返しがカットされています。
それはいわゆる夢オチというやつで、1番・2番とは一転して暗く重々しい内容。その3番は多くのバージョンでメロディにのせて歌わない「語り」になっていて、それがこの曲のユニークさを印象付けている気がします……それでは、どうぞ!

歌詞と対訳

The old hometown looks the SAME
ずっと変わらない ふるさとの景色
As I step down from the TRAIN
汽車から降りると その度に
And there to meet me is my mama and papa
ママとパパが 出迎えてくれるんだ
And down the road I look and there runs MARY
そして道を下ると 駆け寄るメアリーの姿
Hair of gold and lips like CHERRIES
琥珀色の髪に チェリーのような唇
It's good to touch the green green grass of home
触れると心地好い 思い出のグリーン・グラス

Yes they'll all come to MEET ME
そうさ みんな迎えてくれるんだ
Arms reaching, smiling SWEETLY
腕を大きく伸ばして 優しく微笑む
It's good to touch the green green grass of home
触れると心地好い 思い出のグリーン・グラス

The old house is still standing
生まれ育った家は まだ健在だ
Though the paint is cracked and dry
外壁のペンキは 乾いてひび割れてるけどね
And there's that old oak tree that I used to play on
子供の頃に登って遊んだ オークの樹もそのままだ
Down the lane I walk with my sweet MARY
愛しいメアリーと一緒に 小道を歩く
Hair of gold and lips like CHERRIES
琥珀色の髪に チェリーのような唇
It's good to touch the green green grass of home
触れると心地好い 思い出のグリーン・グラス

Then I awake and look AROUND ME
目が覚めて 周りを見渡すと
At these cold grey walls that SURROUND ME
冷たい灰色の壁に 取り囲まれていて
And I realize that I was only dreaming
夢から覚めたことに 初めて気づいた
For there's a guard and there's that sad old PADRE
看守と 物悲しい顔をした老神父が現れて
Arm in arm we'll walk at DAYBREAK
夜明けには 腕を引かれて処刑台に行くことになる
And again I'll touch the green green grass of home
あの思い出のグリーン・グラスに もう一度触れられるんだ

They'll all come to see ME
みんな 会いに来てくれるかな
In the shade of that old oak TREE
懐かしい あのオークの樹の陰の
As they lay me neath the green green grass of home
思い出のグリーン・グラスの下に 僕が埋葬される その時に

  • It's good to touch の touch は「触れる」としましたが、感じる、感動するなどいろんな意味で捉えられると思います。また、「ここちよい」「ここちいい」どっちの語感でも捉えて頂けるよう漢字を調べたら、「心地良い」ではなく「心地好い」が正しい書き方なんですね!日本語の勉強になります。

  • The green green grass of home をどう訳すかは迷いました。直訳すると「故郷の緑の芝生/草原」ですが、アメリカならともかく日本にそんな原風景はあまり無いので、故郷=緑の芝生が結びつかないかと。結局、邦題「思い出のグリーングラス」をそのまま引用しました。そう考えると邦題をつける人って凄いなあ、と思います。

  • 前述の通り無数のカバー・バージョンが存在しますが、ジョニー・キャッシュによる1968年フォーサム監獄でのライブは強烈です(彼の場合は3番を語りにせず歌っている)。監獄慰問に力を入れていたジョニーですが、あえてこの曲を取り上げるのも凄いしそれに拍手喝采を送る聴衆(=受刑者)も凄い。

  • green green grass of home は天国に通じる道のメタファーという論説もありますが、アメリカの「song」を語る時に、アメリカ人、特にプアホワイトと呼ばれる層の死生観の理解が必要と思い、引き続き調べていきたいと思います。

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