Friends in Low Places 歌詞と対訳

楽曲について

Friends in Low Places / written by Dewayne Blackwell & Earl Bud Lee
アメリカの国民的カントリー歌手、ガース・ブルックスが1990年に発表した2ndアルバム「No Fences」に収録された楽曲。同アルバムのリード・シングルとしてビルボードのカントリーチャートで4週連続首位に輝き、同年のCMA(Country Music Association)のシングル・オブ・ザ・イヤーに選ばれるなど高い評価を得ました。
作者は1950年代からエヴァリー・ブラザーズやロイ・オービソンなどに楽曲提供している作家ドゥエイン・ブラックウェルと、ジョージ・ストレイトやブレイク・シェルトンなどカントリー界に楽曲提供をし続けるアール・バド・リーの連名です。

曲を聴く前にイメージしたいこと

参加者全員フォーマルで決める婚約パーティーの場に、突然現れたウエスタンブーツにカウボーイハットの酔客。彼こそは新婦の元カレで、田舎者で育ちの悪い自分を捨てて利用価値のある社交界の人脈(=friends in high places)に取り入る新婦にお別れを告げに来た、というお話。
friends in high placesは元々「コネとして使えるような高い地位にいる友人たち、大物たち」という意味で用いる慣用句ですが、それをもじったfriends in low placesという言葉に、筆者は「気の置けない悪友たち」という訳を当ててみました。この仲間こそ俺の居場所だ!と宣言することで、レコードでは歓声が上がり最後はコーラスの大合唱へとなだれ込みます。
ガース・ブルックスは、スタジアム級のライブ会場で所狭しと駆けながら歌ったり派手な演出を導入したり、良い意味でも悪い意味でもカントリーを大味にした張本人ですが、超ダサいシャツを着てヘッドセット・マイクで歌う、あんなゲテモノどこが良いんだとアメリカ人に聞いたら「歌詞だ」と即答したのが印象に残ってます。
歌詞に込めたソングライターの意図を汲み取って、自らのパフォーマンスを通じてオーディエンスの共感を引き出すことに長けたアーティストなのでしょう。ナッシュビルのホンキー・トンクで演奏されるとイントロから大合唱!大いに盛り上がる、ガースの出世作にして代表作です。徹底的なライミングにもご注目……それではどうぞ!

歌詞と対訳

Blame it all on my ROOTS, I showed up in BOOTS
なにしろ育ちが悪いから ブーツなんて履いてきてごめんな
And ruined your black-tie AFFAIR
フォーマルなお前の晴れ舞台を 台無しにしちまったね
The last one to KNOW, the last one to SHOW
一番最後に知らされたから 一番最後に到着するのは当然だろ
I was the last one you thought you'd see THERE
でもあの会場には 俺が一番お呼びでない男って感じかな
And I saw the SURPRISE and the fear in his EYES
お相手はびっくりしてたよ 眼はビビってたけどね
When I took his glass of CHAMPAGNE
俺が彼のシャンパンを 拝借したからかな
And I toasted YOU said Honey, we may be THROUGH
それでお前に乾杯したんだ きっと俺たち水に流せる
But you'll never hear me COMPLAIN
結局お前は 俺の言い分に耳を貸さなかったけどね

'Cause I've got friends in low PLACES
俺の友達は 気の置けない悪友ばかり
Where the whiskey drowns and the beer CHASES
ウイスキーに溺れ ビールに追われる奴らさ
My blues AWAY
でも 悩みなんて無縁だから
And I'll be OKAY
俺にとっては オーケーだ
I'm not big on social GRACES
礼儀作法が 足りないせいで
Think I'll slip on down to the OASIS
転がるように辿り着いた 心のオアシスには
Oh, I've got friends in low PLACES
俺の 気の置けない悪友ばかりが 集ってる

Well, I guess I was WRONG, I just don't BELONG
どうやら俺が間違っていた お呼びでないようだな
But then, I've been there BEFORE
以前は確かに 俺がそこにいたんだけどな
Everything's all RIGHT, I'll just say GOODNIGHT
安心しなよ 一言「お休み」と言って
And I'll show myself to the DOOR
ドアを開けるから それでさよならだ
Hey, I didn't MEAN to cause a big SCENE
聞いてよ 大騒ぎを起こすつもりはなかったんだぜ
Just give me an hour and then
あと1時間だけ 飲ませてくれよ
Well, I'll be as high as that ivory tower that you're livin' in
お前が住むあの高層タワマンと 同じくらいHIGHになるから

'Cause I've got friends in low PLACES
俺の友達は 気の置けない悪友ばかり
Where the whiskey drowns and the beer CHASES
ウイスキーに溺れ ビールに追われる奴らさ
My blues AWAY
でも 悩みなんて無縁だから
And I'll be OKAY
俺にとっては オーケーだ
I'm not big on social GRACES
礼儀作法が 足りないせいで
Think I'll slip on down to the OASIS
転がるように辿り着いた 心のオアシスには
Oh, I've got friends in low PLACES
俺の 気の置けない悪友ばかりが 集ってる

  • the oasis は「心のオアシス」と訳しましたが、ガースと共に活動したギタリスト、ジェームス・ガーバーの出身地カンザス州コンコルディアにかつて存在したバー「The Oasis」にも絡めているそうです。

  • ivory tower =象牙の塔、転じて「浮世離れした生き方」の比喩。ここは玉の輿に乗って超高層タワマンに転居してこれから浮世離れした生活を送る新婦、というイメージですね。


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