Share Your Love with Me 歌詞と対訳

楽曲について

Share Your Love with Me / written by Alfred Braggs and Deadric Malone
愛する人が去っていく悲しみを切々と歌い上げるソウル・バラード。20世紀を代表するソウルシンガー、ボビー"ブルー"ブランドによる1963年版が初出ですが、最も有名なのは1969年のアレサ・フランクリン版。その他、ザ・バンドやケニー・ロジャース、ヴァン・モリソンなど白人アーティストにもカヴァーされています。
作者のアルフレッド・ブラッグスなる人物はソウルシンガー・アル"TNT"ブラッグスと同一人物?詳細不明です。もう一人のデドリック・マローンとは、R&B系レーベルであるピーコック・レコードの創始者でデューク・レコードのオーナーも務めたドン・ロビーの変名とのこと。

曲を聴く前にイメージしたいこと

1行目のことわざの引用、そこから最後まで続く強調構文(It’s 〇〇 that 〜 で〇〇を強調するアレ)の連続が、悲哀を際立たせます。こういう文法とちゃんと向き合うのは筆者にとっては中学の授業以来かも(笑)。
カントリーが得意分野の筆者ですが,このnoteでは選曲の偏りが生じないように意識的に所謂ブラックミュージックの曲も選んでいまして、その結果、色々な傾向が見えてきます。ストーリー性を持たせて婉曲的に表現するカントリーに対し、ブルースやソウルの歌詞は感情をより直接的に表現する傾向が強く、この曲はまさにその典型のような気がします……それでは、どうぞ!

歌詞と対訳

It's an ill wind that blows no GOOD
どんな悪風でも 誰かの得になると言うけれど
And it's a sad heart that won't love like I know it SHOULD
愛すべき人を愛してくれないなんて 悲しいことだよ
And, oh, how lonesome you must BE
ああ 君の孤独は いかばかりか
And it's a shame if you don't share your love with ME
君との愛をわかちあえないなんて 僕はすごくみじめだ

And it's a heartache when love is GONE
愛を失うと 心が痛み
But it's bad and even sad later ON
その後は最悪で 悲しいほどさ
Oh, there's no one blinder than he who won't SEE
真の盲目とは 見ようとしない者のこと
And it's a shame if you don't share your love with ME
君との愛をわかちあえないなんて 僕はすごくみじめだ

And I can't help it, oh no, if she is GONE
ああ、彼女が去るのを 僕は止められない
You must try to forget, oh you must live ON
僕のことを忘れて 自分の人生を生きるんだね

And I swear it's a good thing to love SOMEONE
誰かを愛することは とてもすばらしいことだけど
But it's bad and even sad when it's not RETURNED
想いがとどかなければ最悪 悲しいほどさ
And, oh, how lonesome you must BE
ああ 君の孤独は いかばかりか
And it's a shame if you don't share your love with ME
君との愛をわかちあえないなんて 僕はすごくみじめだ
And it's a shame if you don't share your love with ME
君との愛をわかちあえないなんて 僕はすごくみじめだ

  • It's an ill wind that blows no good……ことわざ(正しくはblows nobody any good)。直訳すると「誰にも何の利益も吹いて与えない風は、間違った風である」。一般的な英文解釈では「甲の得は乙の損」としているようですが、そのまま歌詞に組み込むとわかりづらいので、少々展開して「どんな悪風でも誰かの得になる」と訳しました。Yahoo!知恵袋のトピックを参考にしました。

  • 筆者がこの曲を知ったのはザ・バンドが1973年に発表したカヴァー・アルバム「Moondog Matinee」収録のバージョンで、1990年にCD化された際の八木誠さんによるライナー・ノーツに付属の和訳がとても印象に残っていました。今回の翻訳にあたって、一部そのまま引用させていただきました。


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