I've Just Seen a Face 歌詞と対訳
楽曲について
I've Just Seen a Face / written by Lennon–McCartney
1965年発売、ビートルズの5作目のアルバム「ヘルプ!」に収録された楽曲です。カントリーで用いられる独特な2ビート(通称:トレイン・ビート)による疾走感が特徴的で、作者はレノン=マッカートニー名義ですが、カントリーに傾倒していたポール・マッカートニーが実質一人で書いた曲、ということで認知されています。
アコースティックな雰囲気やビートはカントリー/ブルーグラスから拝借していますが、典型的なカントリーを超越して独自のサウンドに仕上がっているのはさすがビートルズといったところ。ポール自身もお気に入りのようで、ビートルズ解散後のウイングス、ソロ等のライブで演奏していた数少ないビートルズ・ナンバーの一つです。逆にブルーグラスのミュージシャンにも刺激を与え、ザ・ディラーズなどが独自のカヴァー・バージョンを発表しています。
曲を聴く前にイメージしたいこと
「一目惚れ」の心境を、疾走感のあるリズムと畳み掛けるようなリリックで表現していて、まるで心がフワフワして両目がハートマークになったまま空を浮遊しているような気分になりますね!歌詞だけ読むのではなく、この曲調とあわせて鑑賞することをオススメします。
言葉選びは音節の制約からはみ出していて(どこで改行するか迷いました)ライミングも控えめ。本ブログで取り上げる楽曲はアメリカ人の楽曲が中心ですが、過去にイギリス人による曲もいくつか意識的に取り上げていてビートルズの楽曲は今回初めて。この1曲だけで決めつけるのは気が早いですが、多少ライミングありきで歌詞を組み立てていくアメリカ人のsongwritingに対し、イギリス人はそれに囚われず自由に表現するという傾向が強いのでは?研究対象としてますます興味深いです。まあ単にポールが天才、というだけかもしれませんが……それではどうぞ!
歌詞と対訳
I've just seen a FACE
眼に焼き付いているあの面影
I can't forget the time or PLACE where we just met
出会った時と場所も 決して忘れるもんか
She's just the girl for me
たくさんいる女の子のうちの たった一人だけど
And I want all the world to see we've met
出会ったことを 世界中の皆に知らせたい
Mmm-mmm-mmm-m'mmm-mmm
Had it been another DAY
もしもあの日じゃなかったら
I might have looked the other WAY
僕はよそ見をしていたかもしれない
And I'd have never been aware
そして 彼女に気づくこともなかったろう
But as it is I'll dream of her tonight
でも今では こうして今夜も夢の中で彼女を想う
La-di-di-di'n'di
Fallin', yes, I am FALLIN'
落ちていく 恋に落ちていく
And she keeps CALLIN' me back again
そんな僕を 彼女が何度も呼び戻す
I have never known the like of THIS
こんな気持ちははじめてさ
I've been alone
ずっとひとりだったから
And I have MISSED things and kept out of sight
見過ごしてきたか あえて視界から遠ざけていた
But other girls were never quite like this
でも他の女の子に対して こんな気持ちになったことは無い
Da-da-n'da-da'n'da
Fallin', yes, I am FALLIN'
落ちていく 恋に落ちていく
And she keeps CALLIN' me back again
そんな僕を 彼女が何度も呼び戻す
I've just seen a FACE
眼に焼き付いているあの面影
I can't forget the time or PLACE where we just met
出会った時と場所も 決して忘れるもんか
She's just the girl for me
たくさんいる女の子のうちの たった一人だけど
And I want all the world to see we've met
出会ったことを 世界中の皆に知らせたい
Mmm-mmm-mmm-la-da-da
Fallin', yes, I am FALLIN'
落ちていく 恋に落ちていく
And she keeps CALLIN' me back again
そんな僕を 彼女が何度も呼び戻す
ポールの「ライミングに囚われず自由に表現するという傾向」に乗っかるかたちで、筆者の翻訳も、直訳に囚われず自由に意訳したつもりです。細かい点をあまり気にせずお楽しみください(笑)。
この曲の邦題は「夢の人」。元のタイトルとは結びつきませんが、歌詞の中にある「夢の中で彼女を想う」をうまくピックアップして曲全体の雰囲気を表現した、素敵な邦題だと思います。
本稿では当初は、クレジットを他の記事にあわせて John Lennon, Paul McCartneyにしようとしましたが、ビートルズの場合はレノン=マッカートニー(Lennon-McCartney)という表記方法が正式なので、それに倣いました。