楽曲について

Love Has No Pride / written by Libby Titus and Eric Kaz
ニューヨーク出身のシンガーソングライター、エリック・カズが同郷の女性シンガーソングライター、リビー・タイタスと共作した作品。1972年にボニー・レイット、1973年にリンダ・ロンシュタットがそれぞれ優れたカヴァーを録音したことで、ソングライターとしてのエリックの名が世に知れ渡る契機となった曲です。
リビーも自身のアルバムで取り上げている他、トレーシー・ネルソンやリタ・クーリッジなど大物女性シンガーがこぞってカヴァー。そしてなぜか日本のルーツ・ミュージック系アーティストがこぞって取り上げている気がします。そしてどのカヴァーもあまりアレンジに大差なく、歌詞もメロディもひっくるめた曲そのものの良さが言語の垣根を超えて愛されている、という印象を受けます。

曲を聴く前にイメージしたいこと

自らの過ちが原因で去ってしまった恋人に対し、プライドを捨てて、戻ってきてと許しを請う。何をしたのかは不明ですが、恋人のみならず友人達も離れていったくらいなのでよっぽどのことなんでしょうか。恋と人間関係のこじらせというのは、いつの時代も悩みの種です。
この曲は女性ボーカリストが歌うことが多いですが、作者のエリック・カズ自身もアメリカン・フライヤーやソロで歌うことがあり、その際は当然she's crazyをhe's crazyに置き換えています。実際、男女どちらの目線でも共感できる歌詞だと思います……それでは、どうぞ!

歌詞と対訳

I've had bad dreams too many times
あまりにも何度も 悪い夢を見てきたから
To think that they don't mean much ANYMORE
取るに足らないことと やり過ごすことができない
Fine times have gone and left my sad home
良き日々は過ぎていく 悲しみを置き土産にして
Friends who once cared just walk out my DOOR
かつて私を気にかけた友人達も 私の元を去った

Love has no pride when I call out your NAME
愛のためにプライドを捨てて あなたの名前を叫ぶ
Love has no pride when there's no one left to BLAME
愛のためにプライドを捨てて 他の誰かのせいにせず
I'd give anything to see you again
あなたにまた会えるなら 私はなんでもする

I've been alone too many nights
あまりにも何日も 孤独な夜が続いて
To think that you could come back again
あなたがまた帰ってくるなど もう思えなくなった
And I've heard you talk, "she's crazy to STAY"
別れたくないと言ってる彼女はおかしい そう言ったとか
But this love hurts me so, I don't care what you SAY
でも恋とは時に残酷だから あなたが何を言おうと気にしない

Love has no pride when I call out your NAME
愛のためにプライドを捨てて あなたの名前を叫ぶ
Love has no pride when there's no one left to BLAME
愛のためにプライドを捨てて 他の誰かのせいにせず
I'd give anything to see you again
あなたにまた会えるなら 私はなんでもする

If I could buy your love, I'd truly try, my FRIEND
あなたの愛を金で買えたなら きっと私はそうしてた
And if I could pray, my prayer would never END
祈ることで解決したのなら 私はきっと未だに祈り続けてる
But if you want me to beg, I'll fall down on my knees
でも もし許されるなら 私はひざまずいてこう言う
Asking for you to come back
頼むから帰ってきて
I'd be pleading for you to come back
お願いだから帰ってきて
Begging for you to come back to me
お願い 許されるなら 帰ってきてと

Love has no pride when I call out your NAME
愛のためにプライドを捨てて あなたの名前を叫ぶ
Love has no pride when there's no one but myself to BLAME
愛のためにプライドを捨てて 私以外 他の誰かのせいにせず
I'd give anything to see you again
あなたにまた会えるなら 私はなんでもする
Yes, I'd give anything to see you again
あなたにまた会えるなら 私はなんでもする

  • サビの部分、I have no prideではなくLove has no prideにしているのは「私自身にはプライドがあるが愛がそうさせない」という意味合いだと思ってたら、こちらの記事が同じ文脈で訳していてとても共感しました。それにしてもこちらのブログ、すごい記事の量……。

  • 主人公はプライドを捨てて相手の名前を叫んで許しを請うのですが「プライドが邪魔して許しを請えない」という解釈で訳している記事もありまして、とても興味深いです。


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