栗きんとんと栗
暑い夏が過ぎて秋の訪れを伝えてくれるお菓子に「栗きんとん」があります。
「栗きんとん」と言えば、栗の形を残して甘い餡を和えたお正月のおせち料理に見かける「栗金団」と、炊いた栗に砂糖を加え茶巾で絞って成形した和菓子の「栗金飩」があります。
栗きんとん発祥の地と言われる中津川がある岐阜県では「栗きんとん」と聞くと茶巾絞りの「栗きんとん」を思い浮かべるのですが、地域によってはやはりお正月の「栗きんとん」をイメージされる方が多いです。
和菓子の「栗きんとん」の原型は、江戸時代の中期頃からあるようで、江戸と京都の文化が混じり合う中津川では、古くから独自の文化が形成されおり山間地で採れる山栗を茹でて中身をほぐして茶巾で絞ったのが始まりとされています。中津川の宿場町で旅人に提供され疲れを癒やす甘いお菓子はたいへん好まれていたようで、その後茶の湯が盛んになりそれとともに和菓子も発展していったと言われています。
「栗きんとん」の主原料は・・・
「栗きんとん」の主原料である栗は、ブナ科クリ属の落葉樹になる果実です。世界中に多くの品種がありますが、大きく分けて日本栗栗(西洋栗)・中国栗・アメリカ栗の四種類あるようです。
その中で日本栗(和栗)は、北海道の一部から九州まで栽培されており、渋皮離れが悪いものの、粒が大きく食用に適している為世界的に有名です。
栗は秋の味覚ですが、種類によって旬を迎える時期が微妙に違います。
早生品種、中生種、晩生種の3タイプがあり、収穫時期の違う品種を植えると、長い期間栗を楽しむことが出来るので、栗農家さんは長く収穫できるようにされているんですね🌰
つちやでは、今のような形で個包装にして販売を始めたのは昭和50年頃からです。以前から秋のお菓子として作っていましたが、各地の栗を取り寄せて 選定を繰り返し、九州を中心とした栗を使用するようになったのはこの頃です。現在9月〜11月末まで「栗きんとん」を販売しています。栗本来の味わいを出すために、国産の栗と砂糖のみで炊き、職人が一つ一つ丁寧に仕上げています。
今が旬の栗の豊かな香りと、なめらかで上品な味わいをお愉しみください。
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