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BREIMEN - FICTION/NONFICTIONレポ(後編の前半)

前編はこちら

良い構成(セットリスト)

今回のワンマンライブも構成が秀逸だった。

これを可能にするのはBREIMENの楽曲の幅広さ、バラエティの豊富さだ。これまでにリリースされた3枚のアルバムを聴けばわかるが、BREIMENはもはや"ミクスチャーファンクバンド"では括れない。1つのカテゴリーに収まりきらないとはいえ、決してアイデンティティが迷走しているわけではない。

岡野さんと井口さんに提供した「Melody(Prod. by BREIMEN)」で証明したように、歌い手が誰であっても一度聴けば"BREIMEN"の曲だと認識させる強烈な個性がそこにはある。そしてその個性は、ポップ、バラード、ロック、ファンクなどジャンルにとらわれず"何でもあり"で、聴く人を飽きさせない。

セトリの話をしようと思ったのに、前置きが長くてたどり着かない(笑)
ということで、今回のセットリストは以下のとおり。

01. フィクション
02. ドキュメンタリ
03. CATWALK
04. 苦楽ララ
05. ODORANAI
06. D・T・F
07. Lie on the night
08. noise
09. あんたがたどこさ
10. 脱げぱんつ
11. PINK
12. IWBYL
13. 棒人間 ※東京公演のみ
14. Play time isn't over
15. MUSICA
16. 綺麗事
17. チャプター
18. エンドロール

筆者作成

リリースツアーならでは

SEの音量が大きくなるとともに会場の照明が消え、会場全体に拍手が沸き起こる。そこに流れ始める「フィクション」の映写機の音。若干のライブアレンジを施したピアノの音が聞こえ始めたところで幕が開き、BREIMENが姿をみせる。アルバムの世界観をステージに切り出したような演出でライブが始まる。

ひとこと挨拶を挟んで、「ドキュメンタリ」、「CATWALK」、「苦楽ララ」とアルバムの曲順どおりに進行していく。高い演奏力と表現力で一気に『FICTION』の世界観に引き込まれた。「これはやばいライブになる」、そう感じて身震いした。

We are BREIMEN

少し短めのMCをはさみ、今年の夏フェスで大活躍だった「ODORANAI」。オーディエンスが手を上げて踊れるだけではなく、後半にはソロパートで会場を沸かせた。続く「D・T・F」でチルモードに。

正直、「D・T・F」はライブで"ノる"のが難しい曲だ。あるときから"ノろうとする"のを止めて、少し力を抜いて音に身を委ね、身体を揺らすだけみることにした。すると不思議なことに、サウナの後の「整う」感覚が味わえた!(これ、わかってくれる人いるかな)

そして「Lie on the night」、「noise」のバラード2曲を披露し、会場の雰囲気をしっとりと包み込む。やはりBREIMENの真骨頂はバラードだ。「noise」の残響から「あんたがたどこさ」へとつながる。ここから怒涛の3曲がはじまる。

「あんたがたどこさ」では林さんのソロ、そしてカツシロさんのギターソロで捲し立てる。あのギターソロは本当にやばい。たぶん、観てた人全員が鳥肌を立てていたと思う。先ほどまでの雰囲気から一転、完全に場を支配する演奏を見せ付けた後、「脱げぱんつ」、「PINK」で会場のボルテージは最高潮に達した。

この3曲でオーディエンスはBREIMENの虜になった。まだ、「IWBYL」や「MUSICA」といった王道の代表曲をやっていないにもかかわらずだ。思えば筆者自身も、初めてのライブのときはあまりしっかり曲を聴いていなかったが、「PINK」でハートをわしづかみにされたことを思い出した。

「俺たちがBREIMENだ!」という名刺代わりの前半戦。すでに圧倒的な存在感を見せつけていた。(後編の後半に続く)