リアル脱出ゲームで必要なのは謎解き力よりも…
先日、生まれて初めてリアル脱出ゲームを体験してきた。
結構難しいと噂に聞いていたので、事前に主催者が出している謎解き本を買って解くなど、わりと気合を入れて臨んだ。
今回私が参加したのは1チーム6名で取り組むゲームだったので、夫婦二人で申し込んだ私たちは、必然的に初めましてのメンバーと挑むことになった。
席に向かうと自分たちと同じように男女カップル2組のチームで、「よろしくお願いします~」と軽く挨拶をした後、微妙に気まずい空気の中、開始時間を待った。
ノリノリの進行役スタッフさんの合図のもと、遂にスタート。
「よ~し、予習もしたし頑張っちゃうぞ~!」と心の中で意気込んだのも束の間、早速問題が発生した。
なんと私たち夫婦に一切見えない状態で、2カップルが問題を読み始めたではないか。
「すみません…こちらにも…見えるように…していただけないでしょうか…」などと言えば良いのだが、なんせ人見知り夫婦なもので、そんなことはできない。出会ってまだ30分も経っていないのだ。
あっという間に2カップルで謎解きが進められていく。
テーブルの上にある謎を解くための道具たちに2組が気を取られているうちに、やっと問題をひっそりと確認する。
しかし私たちが確認して考え始める頃には、もうその謎は解明されており、次の謎に取り組み始めていた。
開始10分、私はすでに帰りたくなっていた。
もう少し気を遣ってくれてもいいのになと思うと同時に、意見を主張できない自分にも苛立っていた。
周りを気にしすぎて自分の思っていることを言えない、動けない。
あぁ、留学でもしとけばこの性格も改善されたのかしら…なんて思いながら、半ばふてくされて突っ立っていると、ようやく1組のカップルが私たちの状況に気づき、「場所変わりましょうか!」とハキハキと声をかけてくれた。改めて声かけ待ちの自分が情けなくなる。
見やすい場所に変わってもらったものの、そもそも1テンポ遅れて謎解きの流れを把握していた私たちは全く役に立たず、気付いたら元の位置に戻っていた。
その後はたまに発言を試みたり、愛想笑いをしたりして過ごして終了した。
予習までしたけど、謎解き力はほとんど意味がなかった。
それよりも必要だったのは、コミュ力であった。
「次は身内で固めて参加しよう」
そう決意し、疲れ果てて帰路に就いた2人なのであった。
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