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子育てに必要なものは?

突然始まる
初めての子育ては、
昼夜関係なくひたすら泣いている我が子との
たいへんな日々だった。

とびきり繊細な我が子。
おさまらない夕暮れ泣きと夜泣き。
どうしたらよいか分からず
ひたすら
抱っこして歩き回る。

小さな物音にも反応して
激しく泣く子を
放っておくこともできない。
眠れなくて肉体的に辛い上
精神的にも追い込まれていくような
そんな生活。

ひたすら眠い…
息が詰まる…
だから、
家から飛び出して、
なにかを求めて児童館へ行ってみた。
でも
人見知り場所見知りで
激しく泣き喚く我が子。
誰かとの会話や気分転換どころではなく
出かけることでかえって疲れ果てた。

幸せいっぱいの子育てのはずなのに。
なんで
こんなことになっちゃったんだろう。

…もう
20年ほど前のことだが
思い出すだけで
重苦しい気持ちになる。


あの頃のわたしに
必要だったものは
いったいなんだったんだろう。

子育て支援員さんの助言も
わたしには虚しかった。
助言に従ってあれこれ手を尽くしても
改善しない夜泣きに、
「わたしの対応がうまくないから泣いている」
と思えてしまった。

わかるよたいへんだよね
という共感の言葉も、
ありがたかったが
なんの解決にもならなかった。

なんでも話せる友だちが作りたかったが
難しかった。
「ママ友」グループに挨拶しても
我が子が泣き喚くので
うまく会話に入れず
消耗したり。
そもそも
同じ地域で同じ年頃の子を育てている
というだけの関係で
いきなり意気投合なんかできるわけなく。
子育てで心身ともに余裕のないときに、
ゆっくりじっくり誰かと友情を育む
なんて
無理だった。


今になっても
あの頃のわたしになにが必要だったのか
なにがあれば救われたのか
わからない…

でも、
今のわたしから
あの頃のわたしに伝えたいのは、

「夜泣きは、終わるよ」
「その子はいいこだよ」
「だいじょうぶ、どんどん大きくなるよ」

ということ。

そう。
2歳すぎまで
あんなに毎晩夜泣きを続けていた子が、
もう
今年
22歳になる。

反抗期も乗り越え、
健康で穏やかな優しい青年に育ち、
もうすぐ独り立ちしていく。



もしかしたら
あの頃のわたしに必要だったのは、
未来から
ふっと光がさすような
ちょっとした
「見通し」
だったのかもしれない。


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