雪かきの沼

久々に
雪かきをするほどの雪が降った。

雪かきは
とっても疲れるから
できればやりたくないのだが…
やりだすと
謎の達成感で
気分よくなってきて
うっかり
ヘトヘトのヨロヨロになるまで
やってしまう。

雪かきは
成果が
ものすごくわかりやすいのだ。

白い雪がどかされて
地面が見える。
一面の雪の中
振り返れば
自分が雪かきしたところは
くっきりと黒い。

おぉ、こんなにやったぞ！
そして
こんなにやってないぞ！

そうして
さらなる達成感を求め…
雪かきの沼にはまる。

そうして雪かきの沼にはまると
もう
やめどころが分からなくなってくる。

玄関から
雪かきを始め、
門へ向かって雪をかき、
そうして
門から公道へ出たあたりから
怪しくなってくる。

我が家の前の道の雪は
きっちりどかしておこう、
と思う。
我が家の人間以外にも
通学するチビちゃんたちも通るし、
せめてうちの前だけでも
歩きやすいようにしてあげよう、
と
丁寧に雪をどかす。

そして
あぁ
敷地の境界ぴったりで
雪かきやめるのって
なんか
くっきりはっきり
跡が残って
嫌な感じだな…
と思って、
うっかり
公道をもうちょい雪かきしながら
進んでいく。

近くのバス停の雪も
どかしておこう。
バスから降りたお年寄りが
すっ転んだらいけない。

あぁ、
あっちのお隣さんの向こうは
お年寄り世帯だっけ…
あのおうちの前の雪は
どかしてあげよう…

なーーんてやっているうちに、
すっかり
自分を見失って
ひたすら雪かきをしながら道を進む
雪かきマシーンになる。
もう
やめどきが分からない😂

…
…
…
道の向こう側で
上気した顔で
せっせせっせと
雪かきしているのは
わたしの友人じゃないか？？

おやおや
裏手の方から家を出てきて
敷地を出て
楽しそうに
公道に手を付けだした。

そして
あらあら
困っている車の
手助けまでし始めた。

うん！たのしそう！
すっかり見失ってるね！！

わたしは、
息子のお弁当作りがあるからね
お先にさらりと離脱しますよ
と
彼女にそっと手を振った。