挿し木(さしき)
先日プランター栽培している金時草を挿木にしたのだがその時、一部の株は植え替えをした。
金時草(きんじそう)は、葉の表が緑で裏が紫の植物で、炒めて食べると美味しい、野菜である。
やや珍しい野菜だが、スーパーでもたまに販売されているのを見かける。
比較的丈夫な植物で、挿木で増やせるので、たまに挿木で増やしている。
いっぽう、同じタイミングで、植え替えしたほうは枯れてしまった。
まあやりかたが悪かったのだろう。
ただ、挿木したほうは、根のない所から根を新たに伸ばすという、危機的な状態から成長を遂げたのに対し、根のある状態で、別の土に植え替えた方は枯れてしまったというのは興味深い。
例えば組織においても、一部に新しい役割を設ける事で、活性化するという事があるかと思う。
一方で、同じ構成でも、環境が少し変わった事で、これまでの役割がうまく機能せず、そのまま衰退してしまうという事もある。
もちろん組織の再編は、かならずしもうまくいくとは限らない。特に組織が大きい場合は、より複雑な要因も生じる事が多いと考える。
挿し木にしても同様で、多くの葉がついた枝を挿し芽するより、2、3枚程度の葉で行うのが良いと言われる。あまり多い葉があると、根が十分に成長する前に、葉が水分や栄養を多く消費するからだ。
その観点からすると、中途半端に古い根がついた状態で、別の環境に移し替えられた、金時草は、不運だったのかもしれない。
刈り取られて根だけであれば、いずれそこから芽が出てくる事もあったかもしれないし、複数に分けて、挿木にしていれば、それぞれで新しい根がでて成長した可能性もある。
組織にたとえるなら、危機感を共有する事なく、変化に対し、なんとなくこれまで通りを続けてしまった結果なのかもしれないし、かかえる葉っぱ(レガシー)が多すぎて、共倒れになった結果なのかもしれない。
ちなみに、金時草という名前の由来は、葉の裏側の赤紫色が金時芋(キントキイモ)に似ていることに由来しているという。
じゃあ金時芋の名前の由来はなにかとAIに聞くと
・加熱すると鮮やかな黄金色になること
・外皮が金時豆のような鮮やかな紅色であること
といった具合で、諸説ありな答えをだしてきた。
しかし、金時豆ってなんだよ。どこかでループするやつか?
金時は、坂田金時こと金太郎に由来するという説もある。坂田金時はいつも赤い顔をしているので、赤いものを金時と例えるようになったのが始まり。などという記事もあったので、まあ、金時→赤い皮のやつ→金時芋→葉っぱの色が似ている金時草って感じかと思う。
時は金なりということで、由来探しはこのぐらいにしておこうと思う。
ある高齢のビリオネアが「若い時に戻れるなら、今の資産を失っても戻りたいか、それとも現在の資産を維持したいか」というような質問をされた時に「若さに戻りたい」といったという話がある。時間や生命というのは、富かそれを上まる存在であり、それをもっている私たち一人一人は、それぞれ尊い存在なのである。