クロールグロウル~シャドウライト~(詩)

僕は何か努力をしてきたのか
したきもするし
何もしてない気もする

「優れるものだけが愛されていた」
(「ガーネット」Aqua Timezより)

努力してない人間なんて
この世にいるのか
頑張ってない人間なんて
この世にいるのか

毎日僕の肺は何千回と呼吸して
毎日僕の心臓は何千回と脈打って
毎日僕の心は愛されなくて
何度も傷ついて

なあ神様
俺は頑張ってないかい
結果を出すような器用さもないし
愛されるような魅力もない

なあ仏様
それでも俺は生きてるんだよ
そうやって
優れるものだけ愛して
劣ってるものには冷たくする
尊敬するものには暖かく
気に入らないものは無視する

そんなことを続けるから
俺と同類のやつが
お前の大事なものを
壊そうと
隙をうかがい続ける
そのことにまだ気づかないのか?

いつか
必ず
俺の影たちが
お前らを
ぐちゃぐちゃにしてやるから
必ず
崩壊させてやるから
楽しみに待ってなよ

醜い無差別に破壊する
モンスターを産んだのは
他でもないあなたなのだから
責任とってください

覚えてろよ

今に見てろよ

俺の影が
今日もチャンスを
狙ってるからな

(そこで歌歌いが登場)

一人ほえる狼よ
何をそんなになげくのか
お前の目の前にある
愛と宝に
気づかないのか

なるほど確かに
お前は
愛されていないように
今は見える

だが気づかないか
お前の両肩に乗る
諸天の使いに
お前を幸福にしようと
昼も夜も
悩んでいる
仏の心に
気づかないか

諸行は無常
そう言われる

例えお前が壊さなくても
全ての関係は
移(うつ)ろい行く

永遠の愛を
誓った恋人たちも
時の流れの中
死によって
心変わりによって
病によって
事故によって
別れる時が来る

愛別離苦(あいべつりく)の
苦しみを
味わうことになる

ああ人狼よ
その中で
無限に見守られている
永遠に離れることのない
真のあたたかさと
出会うことができた
それだけでお前は
世の全ての恋人たちを
超えているというのに
何をなげいているのだ

お前の不幸は
愚痴の心にある
悲しみの涙の根元は
使命を果たさず
幸福に気づかない
その命の罪にあると
なぜ気づかない

罪は神仏がくだすのではない
己自身が己自身に
くだすのだ

お前は世界一
幸福な存在

奇跡と出会いし
稀有な存在
クリスマスの
愛の奇跡よりも
何億倍の深い奇跡を
身にまとう存在

お前は愛されている
たとえ今側にだれもいなくとも
お前を愛している存在が
数限りなくいるのだ
永遠の師弟に連なる者よ
神仏の奇跡を
身にまとい
同じように苦しむ
孤独な魂を救済する
救世主の末裔よ
救世主の赤子よ

思い出せ
お前の真の姿を

使命深き人狼よ
今は悲しむのも良い
今は苦しむことも
必要だろう
しかし
涙を流した後に
必ず心に
虹が架かっていることを
忘れないでくれ

貴方はあえてこの
深い闇の中
愛されぬモンスターとして
産まれてきた
人狼菩薩仏(じんろうぼさつぶつ)

かりそめの
物語に感情移入し過ぎて
本来の目的を忘れないように
我々は
楽しむために
この闇深きアトラクションへ
足を踏み入れたのだから

世を呪い
世をなげく
君に送ろう

神代(かみよ)から伝わる
奇跡の武器を
法華経の言葉を
君に送ろう

「衆生所遊楽(しゅじょうしょゆうらく)」
(「妙法蓮華経 如来寿量品第十六」仏より)

我々仏は
衆生はこの世に
諸々の遊びを
諸々のゲームを
楽しむために
産まれてきたのだ
この場所は
最高の遊戯場なのだ

さあ目覚めろ
神代の武器でもあり
永遠に
最先端の武器となる
その利剣を掲げ
自らの悲哀を切り裂き
世界の悲哀を断ち切れ

新たな一ページを記すことを
私たちはずっと待っているぞ
剣の性能を深化(しんか)させて
新たな時代を
見せてくれ

南無妙法蓮華経
南無妙法蓮華経

(人狼は目が覚める)

いつの間に
眠っていたんだ

何か
すごく辛かったような
何か
すごく悲しかったような

そして
とても大事な夢を
見ていたような

なんかいっぱい泣いて
すっきりしたな
今日も
つまんねー仕事するか
つまんねー自分磨きするか
つまんねー本でも読むか
ああつまんねー

でもなんか

星が綺麗だな

良いことありますようにー
お祈りでもするかー
南無妙法蓮華経
南無妙法蓮華経
っと

(忘れてもいい
本当に大事なことは
忘れないから)

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