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心の浄化

#仲直り #祈り#子どもの力#スタート

「ゆうさん〜!!」
と手を振る彼女。
元々は親子でずっと仲良くしてきた小百合さん。

その関係が途切れたのは約2年前。

ずっと気掛かりではあったが、きっかけもなく月日は流れた。

いや小百合さんからの働きかけはあったものの、私が一切受け入れなかった。

今日は娘の小学校最後の参観日。

そして親子下校。

私は、靴に履きかえ、娘が小学校の玄関から出てくるのを待っていた。

玄関の外に出て娘を待っていると、窓越しに小百合さんがスリッパから靴に履き替えていた。

先に小百合さんの子どもと、娘が外に出てきたから3人でたわいもない話をしていた。

ママ友との関係は絶ったけれど、子どもの友達には普通に接していたから。

ガラス越しに小百合さんが手を振る。

私も思わず夢中になって手を振り返した。

あれだけ避けてきた相手だったのに、今日は不思議な距離に居たのだ。

なぜ、仲良しだった私たちがこうなったかと言うと、ママ友からの嫉妬である。

小百合さんについて、私に変な忠告をしてきた、別のママがいた。

要は小百合さんは私を裏切っていると。

きっと、忠告してきた彼女もみんなの輪に入りたかったのだろう。

結局、私は小百合さんを信用できず、最近知り合ったママの言葉を鵜呑みにしてしまった。

何もかもが面倒になった私は、子どものママたちと付き合うのを一切やめた。

それからの私はずっと距離を置いてきた。

参観日に行っても誰とも話さない。

そうすれば、ある意味無用なトラブルは起きない。

自分さえしっかりすれば良いんだと思っていた。

途中で、私は嫉妬から騙されたのかもしれないと気づいたが、自分からはもう元には戻れない。

そのママに騙されたと言えば戻れたかもしれなかったが、それもしなかった。

様々な立場があって、どちらかを優先すれば、結果
誰かを傷つけることになる。

どうすることも出来ずついに、子どもたちが卒業式を迎える年齢に達していた。

なぜ、自分から歩みよれないのか?

私の心が狭いのか?

いや、このままでもいいはずだ!!

もう、今更変えられない!!

子どもの学校行事のたびに自分に問いかけた。

新型コロナの影響で、子どもたちは満足に修学旅行も行けず、運動会もなし。

そして今日、学年懇談会で卒業式の歌の取りやめを知らされた。

仕方ないとはいえ子どもたちには罪はない。

子どもたちの思い出はどうなるのか?

キーワードは、手洗い、消毒、健康カード。検温。

殺伐とした環境でも子どもたちは生き生きしていた。

そんな姿を見て、あ〜今日の参観日に来てよかったと思った。

そして、帰ろうとした矢先の出来事。

2年以上の沈黙の雪解け。

4人で歩きながら駐車場まで向かった。

昔みたいに普通に

「じゃあ、またね。」

と別れた。

3月の風はまだ冷たかった。

私のこの2年間は何だったんだろうか?

急に虚しくなった。

でも、今日で今の私から卒業。

子どもより一足早めの卒業と同時に、新たな自分の出発となった。

そう、今日はそんな素敵な日。

心が浄化した日。




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