山下達郎の戦わない戦略。長く生き残り続ける 「限定量ニッチ」 がおもしろい
今回のテーマは 「戦わない戦略」 です。
おもしろいと思った 「戦わない戦略」 の事例を取り上げ、マーケティングの観点からも学べることを掘り下げます。
戦わない戦略
こちらの記事を読みました。
山下達郎・アメックス・ゴアテックス - 共通するニッチ戦略|日経 BizGate
戦わない戦略として 「限定量ニッチ」 を3つの事例で解説する記事です。3つとは、ゴアテックス、山下達郎、アメックスです。
限定量ニッチ
3つの事例に共通するのが 「限定量ニッチ」 と呼ばれる戦略でした。
限定量ニッチとは、あえて商品やサービスの供給量を制限し、大手にはできない価値を生み出していくアプローチです。
山下達郎の限定量ニッチ
記事では限定量ニッチの具体例で3つが紹介されていましたが、特に2つ目の山下達郎さんの話がマーケティング観点からもおもしろかったです。
山下達郎さんは、「やらないこと」 を公言しているとのことで、
テレビに出ない
アリーナや日本武道館でのライブはやらない
本を出さない
の3つです。
記事から引用すると、
学べること
ではここからは、マーケティングに学べることを掘り下げていきましょう。
限定量ニッチとマーケティング
マーケティングではお客さんを絞り、ターゲット顧客を設定することがよく行われます。限定量ニッチとは供給する量を絞ることで、ターゲットとなるお客さんも絞っていると見ることができます。
お客さんを絞ると、顧客理解の解像度が高まり、精度が上がります。色々なお客さんではなく、この人 (または企業) と絞るほど、お客さんが抱えている課題感、不満や望みが見えてくるわけです。
さらに考察を進めると、絞ることによって自分たちがマーケティング、営業や販売でやることも明確になります。
長く生き残るために
大事なことは、絞ること自体は手段であり、絞ったことによってお客さんへの価値を生み出しているかです。限定量ニッチでは供給量をあえて絞ることで希少性が高まりますが、欲しい人が全員入手できない弊害が起こります。
実際に山下達郎さんの例では、山下達郎さんのライブチケットが取れないことで有名とのことでした。
こうしたデメリットが起こっても、限定量ニッチをするからには、本当に大切にしたいお客さんに価値をもたらし続けているかです。
山下達郎さんの場合は、一番後ろの観客まで全員に音が聴こえ、高いクオリティでの一体感のあるライブという価値です。
供給量を絞ることで価値を出し続けること。ここに長く生き残り続けるためのヒントがあります。
まとめ
今回は戦わない戦略の1つである 「限定量ニッチ」 を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
限定量ニッチ
生産量・供給量を意図的に絞ることでプレミアム感を出し、利益を確保する戦略
リーダー企業はやりにくいアプローチ。供給量を限定しても一定の固定費がかかるので、収益的には貢献しない可能性があるから
山下達郎さんは、① テレビに出ない、② 日本武道館やアリーナでのライブはやらない、③ 本を書かない
長く生き残るために
大事なのは、絞ったことによってお客さんへの価値を生み出しているか
希少性が高まるが、欲しい人が全員入手できない弊害がでる
これを補って余りある価値を大切なお客にもたらし続けることが、長く生き残るためには重要
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