見出し画像

「価格設定とは戦略である」 を 3C から解説

今回は価格設定についてです。

この記事でわかること

・戦略とは何か
・ポイントは 「やらないこと」 
・価格設定とは戦略である
・3C からの戦略的な価格設定の方法

価格設定を戦略という視点で掘り下げています。

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。

戦略とは何か

画像1

今回の話は 「価格設定とは戦略である」 です。

ここでいう戦略とは具体的にどのような意味かを見る前に、まずはそもそも戦略とは何かです。

戦略とは、目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごとです。ポイントは 「やらないこと」 です。やらないことを決めるために戦略はあります。

考えられることの全てをやるのは戦略的ではありません。「あれもこれも」 ではなく 「あれかこれか」 で、足し算ではなく引き算の発想です。先に 「やらないこと」 を決めて、残った 「やること」 に有限なリソースを投入します。

価格設定とは戦略である

では 「価格設定とは戦略である」 を見ていきましょう。

戦略のポイントは 「やらないこと」 にありました。つまり何を捨てるかです。価格設定も同じです。価格を決めるとは何かを捨てて、残った大事なことを選ぶということです

では価格設定での 「やらないこと」 とは何でしょうか?

具体的なイメージを掘り下げるために、利益を度外した安売りではなく適正価格にする (場合によっては値上げする) ケースに当てはめて見ていきましょう。

戦略フレームの 3C

画像2

戦略には 3C というフレームがあります。

3C
・顧客 [Customer]
・競合 [Competitor]
・自社 [Company]

この3つを補助線にして順番に見ていきしょう。

顧客を選ぶ [Customer]

1つ目の視点は顧客 (Customer) です。

適正価格にするとは、安いから買う顧客と決別するということです。

利益を考えず時には赤字で 「損して得取れ」 を意図的にやる場合はありますが、こうしたことを除いて、適正価格にすることによって向き合う顧客を絞ります。価格設定によって大切にしたい顧客をこちらから選ぶという考え方です。

例えば高い価格にすれば受注率は下がりますが、顧客を絞ることができます。

自社が提供する商品やサービスからの価値を評価してもらえ、お金をしっかり払ってでも欲しいと思ってくれる顧客を価格設定によって選ぶのです。

価格競争から降りる [Competitor]

2つ目は競合の視点 (Competitor) です。

競合他社との争いが単に価格競争、もっと言えば安売り合戦になっていないでしょうか?

コストを下げ利益確保が見込めない価格競争は持続性がありません。価格を適正にするとは企業体力を消耗する安売り合戦から降りることを意味します。

いかに安くするかより、どれだけ顧客への価値提供を高めるかに知恵を使うという考え方です。

利益を未来に投資する [Company]

画像4

3つ目の視点は自社 (Company) です。

戦略で大事なのは長い時間軸で捉えることです。

これを価格設定に当てはめると、適正な価格で利益を確保できた時に利益を中長期でどのように活用するかです。未来を見据えて将来への投資に使います。

そもそもビジネスとは、顧客に価値を提供し、価値への対価を得て、収益を投資に回し事業を持続的に継続させることです。

たかが価格設定ではなく、されど価格設定です。望ましいのは、視野を広げて、得られる収益を戦略的に中長期で何に投資するのかまでを考えての価格設定です。

まとめ

今回は価格設定についてでした。

最後にまとめです。

戦略とは何か
・戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごと
・ポイントは 「やらないこと」 。やらないことを決めるために戦略はある
・まず 「やらないこと」 を決めて、残った 「やること」 に有限なリソースを投入する
価格設定とは戦略である (何かを捨てて大事なものを選ぶ) 
・提供価値を評価してもらえ、お金を払って欲しいと思ってくれる顧客を価格設定によって選ぶ [Customer]
・いかに安くするかより、顧客への価値提供を高めるかに知恵を使う (価格競争から降りる) [Competitor]
・得られる収益を戦略的に未来に投資することを考えて価格を設定する [Company]

ニュースレターのご紹介

マーケティングのニュースレターを配信しています。

レターで書いているテーマはマーケティングや戦略、ビジネスノウハウ、キャリアです。ビジネスでの具体的な事例も入れながら書いています。

レターの文字数はこの note の 2 ~ 3 倍くらいで、その分だけ深く掘り下げています。note の記事の内容をいいなと思っていただいた方には、レターもきっとおもしろく読めると思います (過去レターもこちらから見られます) 。

こちらから無料の購読登録をしていただくと、マーケティングレターが週1回で届きます。もし違うなと感じたらすぐ解約いただいて OK です。ぜひレターも登録して読んでみてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?