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ストーリードリブンで価値あるレポートスライドのつくり方

今回は、ビジネスでのレポートスライドのつくり方についてです。

レポートを戦略的につくる方法をご紹介します。

レポート設計という戦略

レポートをつくるための材料 (データ分析結果や考察など) がそろっていても、いきなりレポートの各スライドをつくり始めてはいけません。まずは全体レポート設計という設計を立てます。

具体的には、以下を考えます。

レポート設計
・読み手は誰か
・その人が知りたいことは何か
・読んだ後に、どんな行動を取ってもらいたいか

[設計 1] 読み手は誰か

最初に明確にするのは、レポートスライドの読み手は誰かです。複数の読み手がいる場合は、重要な3人に決め、さらに1人に絞ります。

レポートの受け手が誰かが明確になれば、その人に対して何を伝え、読んだ後にどういう行動を取ってもらいたいかの戦略が立てられます。

[設計 2] その人が知りたいことは何か

読み手を設定したら、次にその人が知りたいことは何かを具体的にします。

すでに知っていることに対して、レポートを読んでどんな新しい情報や示唆を提供できるかです。読み手が知りたいことを質問として設定し、質問に対する答えをレポートに書いていきます。

[設計 3] 読んだ後に、どんな行動を取ってもらいたいか

レポートを読み手に提供する目的設定は、読んでもらうことだけでは不十分です。

読んだ後に、こちらが望ましい行動を取ってもらうことです。例えば、レポート内で提案することを読み手に意思決定し実行してもらう、あるいは、自分たちが次の行動に移れるために読み手が承認することです。

逆に言えば、レポートには単に分析結果などの事実、分析からの考察だけにとどまるのは不十分です。読み手に対して行動への提案まで踏み込むべきです。読み手の具体的な行動というゴールイメージを描きます。

併せて考えるとよいのは、読み手はそのレポートをどう使うかです。読み手が上司への報告に使うなど活用イメージが具体的になれば、ゴールイメージも描きやすくなります。

全体ストーリーをつくる

ここまでのレポート設計ができたら、設定したゴールイメージを実現するために、ゴールから逆算してレポートのストーリーをつくります。

最終的なレポートのストーリーは、以下の流れになるとします。

レポートのストーリー
コンテクスト:レポートを書くにあたってのビジネス背景、データ分析や企画などの目的
事実:調査結果や分析結果 (レポート作成者の意見ではなくファクト)
解釈:事実からのレポート作成者の考察や示唆。レポート作成の文脈で事実は何を意味するのか
提案:解釈を踏まえ、レポートの読み手に起こしてほしい行動への提案

最後の「提案」が、ゴールイメージを実現するためです。レポートの全体ストーリーをつくるにあたって、上記の流れの終わりから逆向きに描きます。

ストーリーを逆から描く
・ゴールイメージ
・提案
・解釈
・事実
・コンテクスト

実際は解釈や事実は複数あることが通常なので、もう少し複雑なピラミッド構想になります。複雑になっても、ゴールイメージに一直線に向かって、なるべくシンプルにストーリーが描けるかがポイントです。

全体ストーリーを考える時に有効な方法は、紙に書いてみることです。

ノート、ポストイットなど、やり方は人それぞれで使いやすいツールでよいです。この段階ではデジタルよりも紙というアナログが、遠回りなようで有効です。

ストーリーからスライド設計へ

全体ストーリーがつくれたら、スライド設計に入ります。

1スライドで1メッセージを徹底させます。もし1枚のスライドに2つ以上のメッセージが入るなら、メッセージの数だけスライドを分けます。

スライドに必要な要素は2つです。メッセージと、メッセージの根拠となる情報 (テキストやチャート・図) です。

メッセージがメインであり、チャートなどの情報はサブです。この主従関係を逆転させてはいけません。チャートは手段であり、手段の目的化が起こらないように注意します。

やり方は、全体ストーリーと同じく、スライドイメージを考えるときも紙やホワイトボードに書くなどのアナログな方法をおすすめします。

まとめ

最後にまとめです。レポートスライドのつくり方は、いきなりスライド作業に入るのではなく、以下の3つを行ないます。

レポートのつくり方
・レポート設計で戦略を立てる
・全体ストーリーをつくる
・スライド設計でイメージを描く

一言で言うと、ゴールイメージを明確にし、ゴールから逆算してレポートをつくります。読み手を明確にし、ゴールドリブンで全体ストーリーからスライド設計に落とし込みます。

以上をやってから、スライドの1枚1枚の作成に入ります。

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