ロケット型ランプができるまで その2
みなさん、こんにちは。今日は2020年7月22日。
前回のnoteでは、『楽しかった、と心に残る体験』が『学べる体験だったら、体験した人の自信に繋がったり、将来に繋がったりするのかも』という想いを実現したく、それが達成できるような勉強のツールをつくるための資金を集める返礼品として、このロケット型ランプ『The GAZE』をつくるプロジェクトが始まった、という話をしました。
今回のnoteでは『The GAZE』のデザインについての話をします。
ネイティブアメリカンの文化やアメリカの広大な荒野の風景に憧れを持っていた私は、これからいよいよ自分にとっての新しい人生が始まる節目の旅行として、2016年4月にセドナへ旅行をすることにしました。
出発のちょうど一週間前の夜、熊本県で大きな地震があったとニュース速報が入りました。大変な思いをしている人が多いのに、旅行に出かけるなんていいのかな、なんてセドナ行きを少し躊躇しましたが、自分としての意を決するためだと割り切り、出発しました。
当日、成田からアメリカン航空でロサンゼルスへ向かう飛行機に搭乗したのですが、新東京国際空港周辺の風が強く、出発が遅れるという事態になってしまいました。
機内ですることが思い当たらなく、しばらく呆然としていたのですが、席を1つ空けて隣の人が論文なんかの資料を読み漁っていたのを見て、私も何かしなきゃ、という感にさいなまれ、今までで考えていたランプの形状を改めて手帳にスケッチをすることにしました。
2015年に家庭用3Dプリンターについて書かれている記事をGigazineだったかのウェブでみた私は、デジタルファブリケーションにとても興味を持ち始めていました。
そこからデジタルファブリケーションに関する情報を集め始め、2016年の(確か)8月に、初めてMaker Faire Tokyoに見学しに行きました。
そこは私にとって、心の底からワクワクするような空間で、発明家のような人が全国から集まり、自分の作品を披露する見本市みたいな展示会でした。
終始目を輝かせ、テンション高く一通り見終わった私は、『いつかここに出品したい』と強く思ったのを今でも強烈に覚えています。
そこから3ヶ月後、またGigazineで興味深い記事を目にしました。
東京の赤坂に、TechShop Tokyoが2016年4月にオープンする、という記事です。
そこには憧れていた3Dプリンターをはじめ、レーザーカッターやCNCまであり、誰でも使用料を払えば使用できるという、サービスの内容が書かれていました。
レーザーカッターやCNCは以前から知ってはいましたが、それらは主に工場に設置されているもので、私が操作するなんてことは一生ないと思っていましたし、ましてや自分の思いおもいの作品をつくることに使える時代が来るなんてことは思ってもいませんでした。驚きと興奮が湧き起こりました。
もうそこで「私は来年からここにいくのだ」と決め、作品は、3Dプリンターやレーザーカッターを使った作品にしよう!と思い立ちました。そして、通い始めるまでに3Dプリンターやレーザーカッターの使い方をある程度理解しておこうと思い調査を進めました。
3Dプリンターは3D CADデータが必要になるがFusion360という無料のCADで作れること、レーザーカッターはイラストレーターのデータがあれば使えるということが判明します。(CNCは大学での経験からGコードを作成する必要があるのだろうな、と思い、難しそうなので一旦保留にしました。。)
3D CADは前職で講習を受けていたのでなんとかなるだろう、と思っていましたが、イラストレーターは自分のロゴを作る際に独学でしていましたが、パスファインダーの使い方がわからずに途中で投げ出していたので、それをなんとかしなきゃいけないな、と薄々感じていました。
さらに情報を調べてみると、レーザーカッターの使い方講座が受けられる2日間の講習会があることがわかり、4月の回に受講。講習会後に講師の方からフォローいただいたおかげもあり、基本的なデータ作成ができるようになりました。
そんな中でのセドナ旅行で、私のロケット好きな部分やレーザーカッター講習で受けたインスピレーションから、最初の作品のスケッチを描き上がります。
ロケットランプのテーマは”レトロフューチャー”。そして照明らしく、安心というエッセンスを入れるために、安定の意味がある”3”という数や倍数を構造な中に使用するというテーマが自分の中にありました。
最初のスケッチはこの手帳に描かれているような少ないスケッチで、外観構造のイメージや、使用する構造パーツの個数について考えていました。
改めて帰国後に描いたスケッチは、より具体的に構造物の形がイメージできていたので、パーツ形状のラフな検討まで進んでいたことが見て取れます。
そして6月からTechShop Tokyoへ通い始め、様々な小さな作品を作る中でトレーニングをし、ついに基となる外観データを3D CADで描き上げ3Dプリンターを使い出力して確認する日が来ました。
このように3D CADデータを書き上げていき、実際に出力し終わった形状が下の写真です。
これは私にとって一番最初の3Dプリンターによる作品です。出力にとても時間がかかりましたが、出来上がっていく様子を見ている時のワクワク感を初めてじっくり味わえました。
このモックアップを通りかかった人たちが「すごく綺麗だ」「かっこいい」などと褒めてくださり、完成した際は数人の人がこのモックを取り囲んでいました。
この形状にはひとを惹きつけるパワーがあるのだ、と確信した私は、”視線”という英語の”Gaze”から、この照明を『The GAZE』(ザ ゲイズ)と名付けることにしました。
だいぶ長くなってしまったので、名付けの由来までお話ししたここで『その2』を終えたいと思います。
続きはその3で。
その2は終わり。
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