ロケット型ランプができるまで その6
みなさん、こんにちは。今日は2020年8月6日。
前回のnoteまででランプの試作品は完成し、Maker Faire Tokyoにも出展することができました。
今回は、このランプを製品としてお客様に提供できるのかを考え、量産を検討するフェーズのお話をします。
ロケット型ランプ『The GAZE』は、Maker Faire Tokyo 2017でとても良い印象を持っていただけました。
私は展示会で予想以上の反応を頂いたことで、製品化からクラウドファンディングまで一気にいってしまおう、という考えでいました。
製品化する前に、製品としての権利を守っておこうと考え、ランプの外観デザインである意匠の登録と締結構造の特許を権利化は行いました。
ただ、安全性に対して、ふと考えがよぎります。
『このランプを安全に利用してもらうべく、できる限りのことはしたつもりだけど、果たしてこの対策で十分といえるのだろうか』
『よく電源コードに書かれているようなPSEマークをつける必要はないのだろうか』
そのようなことで悩んでいたところ、ちょうど良いタイミングであるブログを見つけます。
以前、私がレーザーカッターの使い方を教わったMakers Schoolの講師の方が、浅草橋にある会員制の工作スペース『浅草橋工房』で『製品法規制入門 モノづくりの法律を知りましょう!』という講座を受けてきた、というブログでした。
その講座では、実際の製品に基づく規制についてや、それの調べ方などを教えてくださる講座で、製品ベースで教えてくださるので理解が進みやすい、という評判が書かれていました。
ちょうど悩んでいたことの解決のヒントになるような講座だと思い、早速受講してみることに。(ちなみに最新の講座はこちら。)
私が作るような電気スタンドは、電気用品安全法にかかる自己認証の基準を守る必要があることや、そのほかのバッテリー、ACアダプタ、携帯電話などを例に挙げて、守るべき法律について幅広く教えていただけました。
その後、その講座で教えていただいた埼玉県にある関東経済産業局に赴き、電気用品安全法と、検査方法の一部、検査機関について詳しく教えていただきます。
検査機関に問い合わせてみると、検査にはかなり高額の費用がかかることになることがわかり、本来の目的である『ロケットを題材とした教育プログラムを作るクラウドファンディングの返礼品』として想定していた額には乗らないことがわかり、身動きが取りにくくなります。。
その後は、なんとか協力者を探して製品化にしたい、という思いを持ち、いくつかの展示会に出していたのですが、なかなか解決策が出て来ません。
『Make Network Party 2018春』での展示の様子
『Maker Faire Tokyo 2018』での展示の様子
なかなかロケット型ランプ『The GAZE』は製品化できず、時間ばかりが過ぎていきます。
そこで一旦製品化への取り組みはペースダウンさせ、本来考えていた教育事業への取り組みを2018年から本格的に開始することになります。
以前からお付き合いがあり、自らも事業を起こされている島さんに事業計画をみていただきながら、事業開始への準備を進めます。
そんな中、島さんよりある提案を受けます。
「下町ロケットに出てくる神谷弁護士のモデルとなった人に会ってみない?」
まさかこのようなお話が、ロケット業界とは違う分野の方からでるとは!
驚きながらよくよく話を聞いてみると、神谷弁護士のモデルとなったのは鮫島弁護士という方で、その方が主催する勉強会兼交流会である『FAM』というイベントの中で発表の練習ができる場があるらしく、今回作った事業計画を発表してみたらどうか、という提案でした。
初めて訪れる会でしたので、雰囲気がわからずに緊張していた私は、いきなり参加されている皆さんの前で発表するの遠慮させていただこうと思い、FAMを共同で運営されている長谷川さんという方に連絡し、パネルディスカッションという形式にしてもらう約束をしました。
新しくパネルディスカッション用の資料を作ることもなく、ラフな会であるので、事業計画をそのまま貼ってしまってよい、というアドバイスも頂いたので、当日はA4の紙にスライドを印刷して持って行きました。
結局当日までに発表もさせていただける流れになったので、両方行うということになりましたが、何とか自分の発表は終えることができました。
発表が進む中、特に気になる発表をする人がいます。
自称、町工場親善大使を名乗る羽田さんです。
羽田さんの発表、その後の懇親会を通して詳しく話を聞いてみると、町工場をめぐる活動をしていたり、町工場を子どもたちに知ってもらうためのイベント『町工場たいけん えんにち!』を主催しているとのことでした。
これは、と思い、私が作っているロケット型ランプの写真をお見せし、量産について困っているという旨を相談したところ、今度開催するえんにち!にきて町工場さんたちと相談されるといいよ、との提案をいただきました。
そして2019年の5月、神奈川県横浜市で開催された、町工場たいけん えんにち!に伺うことになります。
少し長くなりましたので、今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。
次回のその7では、町工場さんたちとの出会いをお話します。
その6は終わり。
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