ロケット型ランプができるまで その3
みなさん、こんにちは。今日は2020年7月24日。
前回の記事で、外観デザインの基ができるまでをお話ししました。
今回は、その形状から枠のパーツが出来上がるまでをお話しします。
前回の記事では3D CADに取り込んでいた、イラストレーターであらかじめ作成していた、ロケットのフォルムの元になる線画に沿ってパーツ形状を描いていきます。
何回か形状変更しているので、実際のランプになる形状そのものの線画ではないのですが、元となる線画のデータがこのような感じになっています。
そして下の画像は、パーツを描いていく工程での途中経過の画像です。
この画像をご覧になって、どの線がパーツの線なのかを理解できるのは、おそらく私だけであると思いますが、試行錯誤している様子はみなさんにも感じ取っていただけるのではないかと思います。
データがだいたい出来上がると、こんな感じになります。
このような試行錯誤を経て、パーツを描き終わったら、そのデータをレーザーカッターに読み込ませ、カットしていきます。
青い天板をあげ、5mmの厚さにカットしておいたウォルナットの板をセットし、治具を使って焦点距離を合わせます。先ほど作成したカットデータをパソコンに読み込ませ、レンズ部分が動くスピードとレーザーの強さを設定したらレーザーカットの準備は完了です。
切り終わると、下の写真のようにカットされます。
枠から取り出すとこんな感じのパーツが出来上がります。
木材をレーザーカットすると、カットした部分にススやヤニがついているので、それをウェットシートで拭く作業が発生するのですが、この作業が地味で厄介なところであったりします。
その作業を終えると、防炎と割れや反り防止のためにポリホウ酸塩水溶液とポリウレタン系樹脂で加工します。
そしてパーツ表面を軽くやすりがけして外装パーツは完成となります。
文章としては短いですが、ここまでできるのに、ものすごーく時間と手間がかかっています。
そのほかポイントとして、パーツ同士の噛み合わせのパラメータ調整をしたり、外観をより綺麗に見せるために全体の縦横比を黄金比に近づけたり、各パーツの大きさをそのほかの貴金属比に近づける形状に少しだけ変更したりしています。
さらに、ロケットランプは上下に分かれる構造になっているのですが、外観を壊さずに締結構造を考えるのは一苦労でした。最終的な構造は、写真中央左右にある鍵のようなパーツを、上下組み合わせた後に横に差し込むと外装の一部となる、という構造となりました。この構造は特許も取得済みです。
今回は、外装パーツができるまで、をお話ししました。次の『その4』では、外装パーツの中にはまるシェードパーツができるまで、をお話しします。
その3は終わり。
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