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エ〇だけじゃない。春画の魅力

浮世絵のジャンルのひとつ『春画』
これは性風俗を描いた絵画で江戸時代に流行りました。
※また刺激的な画像載せますので、閲覧には気を付けてください。

描写は写実的ではなく性器がデフォルメされ大きく描かれています。
因みに大きく描かれている理由は生殖器に対する崇拝や信仰からくるという説。
男性器を縁起物として考えていた説。
と諸説あります。

ユーモアがあって面白い絵画なのは間違いありません。
個人的には江戸時代末期に活躍した歌川国芳の作品が好きです。

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実は男女の性愛を描いたものは春画が初めてではなく、紀元前3000年前からありました。
そして春画にも意外な役割があって、これがまた面白い。

武士は鎧の下に勝絵と呼ばれる男女性交の図を厄除けの守りとして身に着けていましたし、商人は火事を避ける願いを込めて蔵に春画を置いてたんです。
春画の絵巻は花嫁の性教育のテキストとして後々まで使われました。
桃山時代以前は肉筆画のため、一部の上流階級しか入手は困難だったんですが、 江戸時代には版画の登場により庶民で爆発的に流行りました。

しかし8代将軍徳川吉宗の時代享保の改革により好色本が禁止されました。
ちょっとエロ本流行り過ぎてるから禁止!という事です。
それでも需要があった為、非公式に取り引きがされていました。
なんという人気なんでしょう。
正に密売です。

規制を受けていた事から江戸幕府の規定を守る必要性のない春画は、通常では出版出来ない極彩色の作品が作られました。
なので浮世絵の最高の技術が春画に使われた訳です。
それと幕府による取締りの対策として、作者が分からないよう画中に隠号という形で作者が記されるようになったのも面白いところです。

春画は有名な絵師のほとんどが描き、御用絵師最上階級の奥絵師の画系で使われていた絵手本に春画に関するの記述が含まれていることから、奥絵師でさえも注文に応じるため春画の描き方を習熟する必要があったことがわかります。

あとは不思議な事に全裸の春画はほとんどない。
実はエ〇目的だけでなく、呉服店の広告も兼ねてたタイアップ作品もあり、着物の美しさや着方のトレンドなどが表現されてたりします。
女性ファンも多かったようで、春画は江戸みやげとして人気がありました。

つまり春画は江戸時代のエ〇本ではあったものの、お守りや厄除けとしての心のよりどころでもあり、広告でもあったんですね。

美術って素敵。

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