見出し画像

ファイナルファンタジー16、ベンチマーク先を間違えた?

「ファイナルファンタジー16」は大ヒットドラマシリーズ、「ゲームオブスローンズ」に影響を受けているとプロデューサーは語っていた。確かに「ゲームオブスローンズ」(GOT)は間違いなくGOAT(史上最高)なドラマシリーズだ。だが、結論から言うとそれをベンチマーク先にすべきではなかったのだろう。

多くのYoutuberやソーシャルメディアユーザーは「ファイナルファンタジー16」に30-35時間程度攻略に費やしたと語った。おそらくプロデューサーもその程度攻略にかかると推測していたのだとは思う。一方で、「ゲームオブスローンズ」は原作となる小説シリーズがあり、8シーズン続いた人気ドラマシリーズでもある。つまり150時間以上視聴に時間を使うことを「ゲームオブスローンズ」は視聴者に求めていて、その長い時間と潤沢な予算が複雑なプロットや設定・映像表現を可能にしているのだ。

結局のところ、スクウェア・エニックスは資金的制約、質・量的な人材の制約、そしてプレイヤーから奪える時間の計算をあまりしていなかったように思える。つまり「ゲームオブスローンズ」の劣化コピーであるという事実が商業的失敗をもたらしたのだろう。160時間近い時間をユーザーから奪うことを前提にしたゲーム開発であれば決して間違ったものではなかったのだろうが、35時間というプレイ時間はあまりにも短すぎたのだ。

おそらく、スクウェア・エニックスが今作の開発にあたって参照すべきだったのは、時間がドラマシリーズより短い映画「ブレイド」や「ヘルボーイ」だったように思える。もちろん2時間のストーリーを35時間に増やすことも簡単ではないが、160時間を4分の1以下に圧縮するよりは簡単であり、それをスクウェア・エニックスは今頃になってようやく理解しているだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?