日陰でかくれんぼ

榎宮さんが"普通の人でいいのに!"を読んでみたとツイートしていたので拝読させていただいた。

《1回目読んだ時》
この女性はすごく面倒くさい人なんだと思う
圧倒的な同族嫌悪
周りの人、特に彼氏のように普通だと分別されているような人と自分は同じだと自己嫌悪しているくせに、サードプレイスに一応参加しているわたし、小説やラジオと共に生きているわたしがそれを許さない。
夢に向かっている友達やスナックの店員とお客さんに憧れを抱いて、あの輝きに少しでも近づきたい。

安定を求めるのってダサくない?普通じゃない?自分はその人とは少し違う。って自分を慰めつつも結局は安定の職場にいるわたし、普通の彼氏しか寄ってこない自分に1番やるせなさを感じているんだろうね
サードプレイスにいてラジオ小説に詳しい自分、マッチングアプリで滑り止めにしかならない自分。
飛び出したい気持ち、結局世間で見れば普通な自分。
この二人の自分が自分の中に共存していて気持ちが混ざり合って気持ち悪くなっているんだよ

でもそういう面倒くささ、すごくわかる。
世の中ですごいフットワークの軽い人や動いている人、はたまたもっと身近で言うと友達付き合いが上手な人、会話が面白い人
そういう人たちを目の前にすると、自分がなんて小さくて黙ってて孤独で縮こまってしかいないんだろう
こんなわたしなんて誰にも気付いてもらえないよ
けっ!良いよね、どうせ顔が良い人とか仕事ができる人は違うんだよね〜自分は結局そういう人たちの輝きに当てられてできる影に隠される存在なんだよ。あ〜やだやだ
なんて拗ねているんだよ。

(今ふと、動物的に言えば影に隠れる方が安全じゃないかと思いついた。攻撃受けないし敵に狙われないし。目立たないこと、誰かの影に隠れることって生きるためには大事なことでもあるんだけどねーでも人間界ではそれは負け組に分類されてしまうんだろうな。芸能人みたく輝く人は人生クソ楽しんでいて、周りにいる人たちも明るくて楽しんでるんだろうなぁって)

でもね、最近そういう影に隠れてる人って役得だなって感じる。
だって影から1歩だけでも出てしまえば、今まで当てられたことがないような光が待っているんだもの。ちょっと足を出すだけでこの温度差を感じることができるってお得じゃない?!
この作品だとそれが海外に行くことなんだろう。
きっとその人は海外に行くと決意して足を踏み出しただけで相当なドキドキと別世界が見えたと思う。入国してそこでかけがいのない体験をしなかったとしても、死にたい気持ちがどこかへ行ってしまうほどの衝撃を得ることができた。
でもすでに輝きの中にいる人ってそんな簡単じゃないと思う。どこに行っても光で照らされているんだもの。もっともっとって進んでいったらもしかしたら太陽に近づきすぎて燃えてしまうかもしれないしね。

そこまでのエールは勝手にわたしが良いように解釈しただけなんだけど
そのエールが引きずり出されるほど、この女性の心に向き合っている。おそらくこういう人は沢山いる。今の自分に満足できない人たち。

必ずしも作品に意味を持たせる必要はない。
ただ思ったことを書いて出した、その思ったことが相当深くまで掘り起こされてぶちまけられていただけ

でもでも、ラジオを趣味と言われて怒ったこととかもう少し噛み砕いてみたいところが沢山あった。何度も読んだ後に新しい物語の見方が出来るかも

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