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「五月大歌舞伎」(第三部)@歌舞伎座

先日、歌舞伎座の「五月大歌舞伎」の第三部に行ってきました。
(歌舞伎座に行った日は雨だので、3月に撮った写真です。)

『八陣守護城』

『八陣守護城(はちじんしゅごのほんじょう)』、予定では佐藤正清は中村吉右衛門が勤める予定でしたが、現在、病気療養中のため、中村歌六が代役で勤めます。

猛将で知られる加藤清正(役名では佐藤正清)が、徳川家康から勧められた酒を毒酒と知りながら飲み、主君である豊臣家を守護したという逸話を題材にした舞台。豪華な御座船の上で物語が進みますが、この場面だけの上演だと「よくわからない」と思う方も多いように思いました。もちろん、毒酒を飲んで苦しいそぶりを見せず、様子を見に来た使者たちにも毅然とした対応をする正清の大きさを見せるところが見どころで、中村歌六もよく勤めていたと思いますが、やはり、中村吉右衛門で観たかったな、という気持ちがあります。

「三月大歌舞伎」の第三部で「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」を観た時に、石川五右衛門の中村吉右衛門のセリフが、いつものように上手いのだけれど、何となくいつもと違う、そして脚が異様に細かったことを覚えています。
そして、3月末に、急性の心臓発作により、病院に緊急搬送。もしかしたら、3月の舞台は、かなり無理して勤めていたのかもしれません。年齢的にも、後期高齢者ではあるので……。
まずは、しっかり休んでいただいて、元気な姿を歌舞伎座の舞台で観られることを期待しています。

『春興鏡獅子』

尾上菊之助が勤める『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』は、五代目菊之助襲名公演以来、何度か観ていると思いますが、今回が一番良かったように思います。

私自身は、歌舞伎は好きで歌舞伎座に毎月のように足を運んでいますが、日本舞踊の知識があるわけでもなく……。ただ、今月の舞台を観ていて、踊っている姿(型?)がとてもきれいでした。小姓弥生の時の、中腰でピタッと決まる姿が美しく、扇の使い方も丁寧で、指先まできちんと神経が行き届いているような感じ。
後半の獅子の精になってからの毛の振り方も、形がきれいで、良かったと思います。
最近は、獅子の精になってから、毛を振る回数を競っているようにブンブン振り回しているものの、姿勢が崩れている役者さん(特に、若手の役者さん?)もいるので……。

胡蝶の精を勤めていた丑之助君、亀三郎君も一生懸命踊っていて、良かったです。

第二部は、払い戻しとなりました……。

「五月大歌舞伎」は、第二部と第三部のチケットをとりましたが、第二部は、緊急事態宣言を受けて公演が中止となりました。仕方ないですね……。

三月も、PCR検査の結果を受けて、直前になって第二部が公演中止になりました。

現在、歌舞伎座では、上演時間を短くし、出演者もかなり絞って上演を続けています。役者さんも出演するのは1日1演目のみ。利用できる座席をしぼり、大向こうは禁止、館内での食事も禁止など、様々な制限があります。それでも、やはり舞台は生で観るのが面白いと思っています。毎月、演目と出演する役者さんの案内を見ながら、上演されることを期待して、チケットをとっています。


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