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歌舞伎観劇歴、30年目の春

今年の4月で、歌舞伎を観るようになって30年になりました。
歌舞伎座に初めて行ったのが1992年4月。それ以来、毎月、歌舞伎を観に行っていて、中断したのは、昨年、2020年3月から7月にかけて、新型コロナ感染症拡大防止のために歌舞伎公演が中止になった時だけだったように思います。もちろん、チケットをとったものの、当日の体調不良や、やむを得ない事情によって観劇をあきらめたこともありますが……。


歌舞伎観劇のきっかけは、友達に誘われて

「歌舞伎を観に行ってみない?」
と、大学時代の友達に誘われたのが観劇のきっかけだったと思います。初めての歌舞伎座、3階の一番後ろの座席で、大学時代の友達と3人と観劇しました。

観劇記念に購入した筋書はまだ持っていますが、「四代目中村梅玉、九代目中村福助襲名披露公演」で、今になって見返すと、すごい役者さんが出演しています。

そして、華やかな舞台と衣裳に魅せられました。

その翌週の休みの日に、思い立って、一人で一幕見に行きました。観たのは、昼の部の「戻駕色相肩」。翌月のチケットも購入し、一人で歌舞伎座に通うようになりました。


観劇しながら歌舞伎を学ぶ

歌舞伎の知識ゼロから始まったので、舞台をもっと楽しもうと、観劇しながら歌舞伎の勉強を始めました。

観劇の日は、早めに行って、筋書を購入。開演前や休憩時間に、筋書のあらすじやコラムなどを一生懸命読んでから舞台を観るようにしました。

併せて、歌舞伎やその周辺の本や雑誌も読みました。『演劇界』を購入したり、歌舞伎関係の本を購入して読んだり。当時は図書館勤務だったので、資料はたくさんあります。昼休みに書庫にある歌舞伎関係の本や『演劇界』のバックナンバーを読んだりしました。

歌舞伎を楽しむためには、日本史の知識もあった方が良いかもしれません。私自身、日本史の知識もゼロに近かったのですが、江戸時代の事情とかを知っていた方が楽しめます。
初心者向けの概説書も良いと思いますが、私の場合は、池波正太郎の『剣客商売』や『鬼平犯科帳』などの時代小説を読みつつ、わからない言葉や人物については『国史大辞典』で調べたりしました。もしかしたら、子ども向けの日本史の本がわかりやすいかもしれません。


歌舞伎を観ることの継続

でも、何といっても、歌舞伎を観続けたことが大きかったと思います。「よくわからないけど、なんか、面白い」と思って、歌舞伎座のほか、新橋演舞場や国立劇場、浅草公会堂などの劇場に通い続けました。

最初はよくわからずに観ていましたが、次第に、同じ演目でも演じる役者さんによって表現方法が違うとか、自分は意外と義太夫狂言が好きだとか、わかってきました。

普段は3階席で観ることが多いのですが、花道の演出がある『勧進帳』とか『助六』、あるいは「この役者さんが出るんだったら、近くで観たい!」という場合は、1階席のチケットをとることもあります。チケットも争奪戦のこともあるので、必ずしも希望どおりの席がとれないこともあるのですが。


イヤホンガイドは使う、使わない?

イヤホンガイドを使うかどうかは、好みの問題だと思います。
観劇に役立つ情報をいろいろ教えてくれるので、便利だと思います。

でも、私自身はイヤホンガイドは使いません。一度、イヤホンガイドを使ったことがあるのですが、役者さんのセリフや下座音楽をしっかり聞きたい派の私にとっては、イヤホンガイドの解説はちょっと邪魔に感じました。


歌舞伎に興味を持ったら、劇場に足を運んでください

歌舞伎を観てみたいんだけれど、何だか、難しそう……、という声はよく聞きます。

個人的には、興味を持ったら、まずは実際に劇場に足を運んで舞台を観ることをおすすめしています。あまり難しく考えす、まずは観てください。最初は、わからなくてもいいと思います。誰でも、最初は初心者なので。

そんな中でも
「あの役者さん、カッコイイ!」
「舞台転換が面白い!」
「衣装が素敵!」
と思ったら、また劇場に足を運んでもいいし、歌舞伎のことを調べてもいいと思います。

現在は、残念ながら、いろいろな事情で公演が中止になることもあります。私も、5月の歌舞伎座のチケットをとったのですが、5月の連休明けの公演が中止になりました……。
演じる役者さんも、いろいろな思いを抱えているようです。


不安なく舞台を楽しめるようになる日が来ることを、願っています。

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