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◇高嶋イチコ自選集◇

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自己紹介がわりに、これまでの投稿で特にお気にいりの物を集めました!
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#note連続更新

催眠療法をうけたけど、前世も日本在住の一般人だったよ。

数年前、催眠療法を受けた。 特に大きな悩みがあったわけじゃないけれど、催眠療法へ行った会社の後輩の話が面白かったので、好奇心モンスターのわたしはすぐに予約を取った。 後輩は“中世のヨーロッパでアーティストだった”前世を見たそうで、「ひとりで黙々とアートを制作して満足していたけれど、“今度はもっと人と関わりたい”と思いながら死んでいった」らしい。 ヨーロッパの石畳の感触とかも、めちゃくちゃリアルだったと興奮気味に語っていた。 ふむふむ。 きっと私も前世は海外のアーティストだ

書きつづけるって(今のところ)楽しいよ。

「 #挫折しないコツ 」Googleフォームで長文回答しようとしてブラウザが落ちるというのを3回やって、もうええわ!と思ったので、記事にする。 noteの毎日更新をはじめて7カ月が経過した。 誰に頼まれて書いてるわけでもないし、仕事につなげたいわけでもない。 文豪の作品を図書館や青空文庫でいくらでも読める時代、わたしの文章はたぶんこの世に必要ない。 (だからいつも、読んでくれる方にちょっとだけ申し訳ない気持ちがある。この記事に書いた。) でも。 『頼まれてない』『仕事を

エッセイは絵画で、小説は立体造形アート。

エッセイを書くこと、小説を書くこと。同じ『書く』でも、わたしにとっては全く別の作業だ。 例えるなら、エッセイはモデルを前にして描く絵画、小説は立体造形アートという感じ。 エッセイを書くとき。 わたしは『実際の出来事』をモデルとして描写し、自分と同じ純度の感情(美しい、悲しい、怒りetc)を、読んでいる方の胸の中に再現したい。 モデル(=出来事)よって描き方は変わって、抽象画のときも、写実画のときもある。 対して、小説はわたしにとって立体造形アートのようなもの。 自分の胸に

32日目:ねごと【寝言】→エッセイ

ねごと【寝言】 眠っている間に無意識に言う言葉。 ***************** 夫の寝言がひどい。 ある日、寝ている夫の横で本を読んでいたところ。隣でむにゃむにゃいう彼の声をよく聞いてみると、、、 「じす いず ごりら…」 !? ちなみに夫は英語が苦手だから、ゴリラの前につけるべき冠詞の“a”が抜けている。 寝言に答えると、寝ている人が黄泉に連れていかれると聞くけれど、どうしても知りたい。今、どういう状況? バンバンと肩をたたいて起こすと、夫も寝言に気づいたようで

ながれる【流れる】→121日目/掌編小説

ながれる【流れる】 水の流れによって物が動かされる。 ◆◆◆ 夜の川面には、筆をつかって絵具を散らしたかのように、たくさんの桜の花びらが浮かんでいた。 深夜一時。川辺には夜桜を見に来た僕ら以外、誰もいない。 「あれ、乗っちゃおうか」と、彼女が指さした先を見ると、桟橋に古いボートが二艘、繋がれていた。 彼女は僕の制止も聞かずに桟橋へ向かい、重そうなロープを解きはじめる。華奢なパンプスでよろける姿を見ていられなくて、仕方なく手を貸した。 ロープを解かれたボートに、彼女がひらり