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ツバメroof物語(小説編)

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堺市にあるカフェのようなお店の話。 自分たちでDIYして2年がかりで作りました。 まだまだ進化中。日常を小説風にしています。 お店にもぜひ遊びにきてください。
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2022年5月の記事一覧

【ツバメroof④】(半分フィクション半分ノンフィクション)石井‐珈琲係

何かが何も決まらないまま、どんどん土壁は埃を舞き上げながら、パラパラと壊れていった。  あぁ…と思いながらも、もう止めるのは馬鹿らしく思えた。(第一穴はもう修復できるような大きさではない) 『夕子もやってみたら』とハンマーを渡された。ずっしりと重いのはハンマーか私の心か…。躊躇いながら夕子も壁をたよりなく叩いてみた。     コツン…パラパラ…と申し訳なさそうに土がこぼれていく。(私の心の響きの様)  同罪だ…と思ったが、やってはいけない事をやるというのは、子どもの頃障子に穴

【ツバメroof物語⑤】(半分フィクション半分ノンフィクション)/石井‐珈琲係

お茶を飲み終えて、何かが剥がれた夕子は、この場所が何かになる事に対して受け身で有ることに気がついた。  答えを求めても、だいたい瞬間的生物アイから返ってくるはずはないのだ。ナンセンスな質問だったんだ。  自分で考えて、答えを見つけ出せばいいんだ、と夕子はハッとして…そして呆然とした。  今回に限らず今までもずっと受け身だったかもしれない。楽しそうな事にすぐ首を突っ込んでいたが、それはいつも誰かが用意していたものだったかもしれない。   だけど、自分がどうしたいのか、さ