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ネイチャーフィールドnote

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#ふじまる虫時間

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ふじまる虫時間「クワガタムシ」

いくつになっても見つけると嬉しいクワガタムシ  仕事がらみで2年ほど前からクワガタムシの写真を撮り歩いていました。この歳になっても毎年夏になるとクワガタを見たくなり、ノコギリクワガタやミヤマクワガタの大きなオスを見つけると子供のように興奮します。  とは言え、一般によく知られている種類以外はほとんど写真もなく、生態もわからないままで済ませてきました。今回もクワガタ全般を扱っているわけではないのですが、いい機会なので私なりに生態を調べ、知人の協力も得ていろいろな種類のクワガ

ふじまる虫時間「オドリバエ」

花の受粉を助ける「オドリバエ」 桜の花が散り始めるころになると咲く花の一つにカエデの花があります。 カエデの花は、とても小さくて直径が5ミリ前後。イロハモミジは白い小さな花びらをつけますが、とても小さくそれだけでは目立ちません。 それを補っているのが濃い紅色をした萼片(がくへん)です。小さな花も集まって咲けばそれなりに目立ち、虫たちも集まってきます。 今回紹介するのはそのなかのオドリバエという種類です。

ふじまる虫時間・第8限「木の芽の成長にあわせて変化するアオムシ」

前回、枝に変身(擬態)したクワエダシャクの幼虫を紹介しましたが、今回は木の芽に変身したカギシロスジアオシャクという蛾の幼虫を紹介したいと思います。 カギシロスジアオシャクの変化・その1 冬芽にソックリこちらの写真、なんてことない植物の冬芽・・・ ではなく、この中に幼虫が潜んでいます。 どこにいるかわかりますか? さらにアップしたのがこちらです。 よーく目をこらしてみてください。まんなかのいちばん小さいものが、コナラの冬芽に擬態しているカギシロスジアオシャクの越冬幼虫で

ふじまる虫時間・第7限「クワエダシャクの幼虫」

昆虫という生き物を観察していると驚かされることがあります。 まずはこちらの写真をご覧ください。 単なる木の枝……ではありません。 よーく見ると、「クワエダシャク」という蛾の幼虫がいます。

ふじまる虫時間・第6限「続・カラスウリとスズメガの関係」

スズメガの口吻の長さカラスウリの花には様々な種類のスズメガが訪れます。観察すると、エビガラスズメ、キイロスズメ、シモフリスズメなどを見ることができました。 ▲カラスウリの花の蜜を吸うキイロスズメ そのなかでも特に口吻(こうふん:ストローのような器官)が長いのは、エビガラスズメ。長いものでは11センチになるものもいるようですが、私が調べた3匹では、長くても8センチほどでした。それでも体長の2倍ほどの長さになります。 一方、キイロスズメやシモフリスズメの口吻は、5センチから

ふじまる虫時間・第5限「カラスウリとスズメガの関係」

カラスウリの実と花秋になりカラスウリの実が見られるようになりました。夏の間に木やフェンスに絡まりながらどんどん蔓を伸ばして緑の葉を茂らせるカラスウリですが、その存在を知るのは、鮮やかな朱色をした大きい実をつけたこの時期だけかもしれません。 ▲カラスウリの実 実をつけるのだからカラスウリにも花が咲きます。「……そういえば、カラスウリの花ってどんな花だろう?」と思った人もいるのではないでしょうか。

ふじまる虫時間・第4限「トックリバチ・スズバチさまざまな巣の形」

前回、前々回は「ミカドトックリバチ」と「キアシトックリバチ」をご紹介しました。今回は残り2種のトックリバチと、トックリバチの近似種である「スズバチ」の巣の形をご紹介します。 ムモントックリバチの巣ムモントックリバチは九州から北海道に分布していて、活動期は6月~10月。体長は10~14mmです。 ▲巣作りの様子(ムモントックリバチ/メス・8月) ▲完成間近の巣・樹皮繊維を塗り付けている(ムモントックリバチ/メス) ムモントックリバチは、巣の内部にえさを詰め込むと、襟を壊

ふじまる虫時間・第3限「トックリバチの巣の内部」

出来上がったトックリバチの巣のその後前回の記事では、ミカドトックリバチの巣作りの様子を紹介しました。今回は、出来上がった巣をどう利用するのか、「キアシトックリバチ」を例にしてご紹介します。 キアシトックリバチの分布は九州、四国、本州で、活動期は6月~10月。体長は10~14mmです。河原などの開けた草地で見かけることが多いハチです。 巣にえさをためこむ母バチキアシトックリバチは、茎や細い枝などに巣を作ることが多く、夏場は、高さ1メートル前後のところに作りますが、越冬用の秋

ふじまる虫時間・第2限「トックリバチの巣作り」

トックリバチとは「トックリバチ」とは、スズメバチ上科ドロバチ科トックリバチ属に含まれる単独性の狩りバチの総称です。日本には4種類のトックリバチ(Eumenes)がいます。 今回は、その中の一種、「ミカドトックリバチ」を主にご紹介します。 ミカドトックリバチは、九州から北海道まで分布しているハチです。活動時期は6月~10月。体長は10~15㎜です。 発生する季節によって、模様が変わることが知られています。(季節型と言います)最初の世代は黄班が少なく、次の世代から黄班の多い

ふじまる虫時間・第1限「オトシブミってどんな虫」

昆虫カメラマン、藤丸篤夫さんによる新コーナー「ふじまる虫時間」が始まります! 身近に息づく昆虫をおもに撮影する藤丸さん。その写真にうつる虫たちはどれもイキイキとした表情で、藤丸さんが虫たちへ向ける、優しいまなざしまでもが伝わってくるようです。 どうぞお楽しみください。 藤丸篤夫(ふじまる・あつお) 1953年東京生まれ。昆虫生態カメラマン。育英工業高等専門学校グラフィック工学科(現サレジオ工業高等専門学校)卒業。平凡社の動物雑誌「アニマ」フォトコンテストで最優秀賞に選ばれ、