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ネイチャーフィールドnote

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#昆虫

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ふじまる虫時間「クワガタムシ」

いくつになっても見つけると嬉しいクワガタムシ  仕事がらみで2年ほど前からクワガタムシの写真を撮り歩いていました。この歳になっても毎年夏になるとクワガタを見たくなり、ノコギリクワガタやミヤマクワガタの大きなオスを見つけると子供のように興奮します。  とは言え、一般によく知られている種類以外はほとんど写真もなく、生態もわからないままで済ませてきました。今回もクワガタ全般を扱っているわけではないのですが、いい機会なので私なりに生態を調べ、知人の協力も得ていろいろな種類のクワガ

里山大百科「夏」樹液レストラン

夏の雑木林に香ばしく漂う、樹液が発酵する匂い。そこに集う昆虫たちの、まあなんと顔ぶれの多いことか。 ザワザワ、カサカサ、パリパリ。 乱暴者のスズメバチが先客を押しのける。 カナブンやチョウたちが一瞬退いていく。 樹液レストランはいつもにぎやか。

里山大百科「夏」田んぼの小さな生物

圃場(ほじょう)整備による大型機械の導入、コンクリート用・排水路の設置などで田んぼの様子は激変している。 かつて、田んぼに多く見られた生き物たちの姿もそれにともなって様変わりしている。 里山の原風景としての田んぼ、そしてそこには多様な生きものが、人間いはばかることなく生活を営む自由の世界でもあった。 生物環境としての田んぼの見直しが必要ではあるまいか。

里山大百科「夏」ホタルの生活

ゲンジボタルが乱舞する夏の宵、友達とはしゃぎ、競って光の玉を追いかけた。 夢中になって捕らえたとき、手に残った移り香も昔の思い出。 あんなに光を放っていたホタルたちは、もういない。里山は、いつかあの光を取り戻せるのだろうか。

里山大百科「夏」ゼフィルス

木々の緑が日増しに濃くなり、雑木林の中も薄暗くなってくる。 田植えの最盛期も過ぎて初夏という言葉がふさわしい日和になるころ、クリの花があふれんばかりに咲き、そこにさまざまな昆虫たちが集う。 とりわけゼフィルスといわれるシジミチョウの仲間は可憐である。 一年に一度しか姿を見せないゼフィルスに会うためにクリ林に足を運んでみよう。 ※ゼフィルス……ギリシャ神話の「西風の神」の名で、ミドリシジミ類の総称。国内には24種ほどいる。

ふじまる虫時間「オドリバエ」

花の受粉を助ける「オドリバエ」 桜の花が散り始めるころになると咲く花の一つにカエデの花があります。 カエデの花は、とても小さくて直径が5ミリ前後。イロハモミジは白い小さな花びらをつけますが、とても小さくそれだけでは目立ちません。 それを補っているのが濃い紅色をした萼片(がくへん)です。小さな花も集まって咲けばそれなりに目立ち、虫たちも集まってきます。 今回紹介するのはそのなかのオドリバエという種類です。

久野公啓の生き物よもやま話「オツネントンボ」

オツネントンボはっぱがおいしいだけでなく 残暑の頃に咲く花が なんとも涼しげでよい 我が家の庭では ニラが大切にされている その茂みが白い花で飾られる頃 なぜだか オツネントンボが集まってくる その数 1平方メートルにざっと30匹 我が家の近くには オツネントンボが繁殖する池や田んぼはない この密度には何か理由があるはずだ あのにおいに引き寄せられるのだろうか? 毎年 不思議に思いながら見ているのだが どうにもわからない <長野県伊那市> ▲ニラの花茎にとまるオツ

里山大百科「夏」野蚕の仲間

絹糸といえばカイコの紡ぐ繭を思い浮かべる。 カイコは長い歴史のなかで人間によって飼い慣らされ、すぐれた生糸を産み出すが、もともとは野生のガが改良されたものといわれる。 カイコを家蚕(かさん)と呼ぶのに対して、野蚕(やさん)と呼ばれる野生グループはそれぞれが個性豊かな繭を紡ぎ、その繭糸には捨てがたい魅力をもつものが多い。 ▲ヤママユの幼虫はクヌギ、コナラなどの葉を食べて成長し、数枚の葉をつづって長さ48mmほどの緑色の繭を紡ぐ。/埼玉県所沢市(撮影・新開孝)

ふじまる虫時間・第8限「木の芽の成長にあわせて変化するアオムシ」

前回、枝に変身(擬態)したクワエダシャクの幼虫を紹介しましたが、今回は木の芽に変身したカギシロスジアオシャクという蛾の幼虫を紹介したいと思います。 カギシロスジアオシャクの変化・その1 冬芽にソックリこちらの写真、なんてことない植物の冬芽・・・ ではなく、この中に幼虫が潜んでいます。 どこにいるかわかりますか? さらにアップしたのがこちらです。 よーく目をこらしてみてください。まんなかのいちばん小さいものが、コナラの冬芽に擬態しているカギシロスジアオシャクの越冬幼虫で

里山大百科「秋」モズのはやにえ

モズはなぜはやにえ(速贄)をするのだろうか。 理由ははっきりしていないが、決してとらえた獲物をムダにしてはいない。 秋にあいだにたくさんあったはやにえが、冬になるとどんどん消えていく。 獲物の少ない冬、はやにえは貴重は食料となる。 モズのはやにえは冬という未来を生きる知恵なのだ。 ▲コガタスズメバチのはやにえを食べるモズのメス/愛媛県松山市(新開孝・撮影)

ふじまる虫時間・第6限「続・カラスウリとスズメガの関係」

スズメガの口吻の長さカラスウリの花には様々な種類のスズメガが訪れます。観察すると、エビガラスズメ、キイロスズメ、シモフリスズメなどを見ることができました。 ▲カラスウリの花の蜜を吸うキイロスズメ そのなかでも特に口吻(こうふん:ストローのような器官)が長いのは、エビガラスズメ。長いものでは11センチになるものもいるようですが、私が調べた3匹では、長くても8センチほどでした。それでも体長の2倍ほどの長さになります。 一方、キイロスズメやシモフリスズメの口吻は、5センチから

ふじまる虫時間・第5限「カラスウリとスズメガの関係」

カラスウリの実と花秋になりカラスウリの実が見られるようになりました。夏の間に木やフェンスに絡まりながらどんどん蔓を伸ばして緑の葉を茂らせるカラスウリですが、その存在を知るのは、鮮やかな朱色をした大きい実をつけたこの時期だけかもしれません。 ▲カラスウリの実 実をつけるのだからカラスウリにも花が咲きます。「……そういえば、カラスウリの花ってどんな花だろう?」と思った人もいるのではないでしょうか。

里山大百科「夏」トンボさまざま

トンボさまざまトンボは幼虫時代を水中で生活し、池、沼、湿地、川、そして田んぼなどあらゆる水環境を必要とする。 親となってからは餌を得るためにも、体を休めるにも水環境以外の草地、林などが必要となる。 つまりトンボは多様な自然環境と一体であり、トンボの種類が豊富であることは、豊かな自然環境が健全に保たれていることの証しともいえるだろう。 ▲モノサシトンボ/新潟県黒川村(撮影・新開孝) 左がオス、右がメス。オスの腹がものさしのような模様である。体長42mm。